先日青弓社からメールが来て、なんぞ?と思ったら、
「今政岡憲三の絵コンテを編集している。その際に山本さんのブログの『政岡憲三』のエントリーを読んで、背中を押される気分だった。是非絵コンテを贈らせてほしい」
という、内容だった。
光栄の至り。感謝感激。
今年はなんとまぁ、まっとうにアニメを考え、行動する人々との邂逅が多い年だったなぁ、としみじみ思った。
日々ゴミみたいな業界人、ポタクと戦い続けた甲斐もあるってものだ。
で、今日届いた。
宣伝しておこう。
おそらくピープロでパイロットフィルムを制作し、途中火事で焼失した『人魚姫』の絵コンテだと思われる。
思わず息を飲んだ。
むせ返るようなエロティシズム、そして1コマ1コマが着色され、絵画として成立している程の精緻さ。
政岡アニメらしい柔和さを残しつつ、それを遥かに超越している。
デカダンの匂いすら漂う。美術的価値が極めて高い。
これをどうやってフィルムにしようとしていたのだろう?
完成していればノルシュテインやバックを思わせる大傑作になっていただろう。
いや、それを先取りするはずだったのだ!
それを想像するだに身震いする。
日本のアニメ史は、まだ始まっていないのかも知れない。