アフリカはシェアリング経済の本拠地だった

今のコンピュータにはアフリカが足りない!

なぜ今アフリカなのか?左から、東洋経済オンライン編集長の山田俊浩、『思想』の吉川哲士編集長、『WIRED』の若林恵編集長(編集部撮影)
11月27日、『思想』の吉川哲士編集長、『WIRED』の若林恵編集長をお招きし、東洋経済オンライン読者を対象としたトークセッションを実施しました。
テーマは「なぜいまアフリカなのか」。アフリカ的な思想は今のわれわれに何を問いかけているのか。インターネットなどの国境を越える技術はアフリカに何をもたらしているのか。白熱したトークの模様を前編・後編に分けてお届けします。

なぜアフリカを取り上げたのか?

山田:岩波書店の『思想』、コンデナストの『WIRED』、そして『東洋経済オンライン』と、あまり接点がない3媒体ですが、アフリカでつながりまして、トークセッションをすることになりました。私自身は2010年の新年号において『週刊東洋経済』で<アフリカの衝撃>という特集を手掛けました。

南アフリカのヨハネスブルクに行って、2度怖い目に遭いました。最初は警察にカメラを取られましたが、幸いにも取り返せました。もう1つは空港でカバンを全部開けろと言われ、ドル札をしまっていたポケットが見つかったらピンチでしたが、事なきを得ました。南アは白ワインもお肉もビーフジャーキーもおいしかった、いい思い出があります。

今回、<ワイアードアフリカに行く><思想するアフリカ>という特集を組まれた若林恵さん、吉川哲士さん、お2人の編集長をお招きして、なぜ今アフリカなのか、どんな狙いを持って作られたのかについて語り合いたいと思います。

吉川:『思想』の吉川です。何か1つでも印象に残る話を持って帰っていただければと思います。

若林:『WIRED』の若林です。吉川さんはイベント初登壇だそうで、皆さん貴重な機会にいらっしゃいました。私は、イベントに出すぎで、考えず口から出まかせばかり言いますが、よろしくお願いします。

山田:2009年当時、雑誌がアフリカ特集することは少なくて、われわれがやった時も、翌年が南アフリカでのサッカー・ワールドカップ開催で、そこそこ注目は浴びていました。特集後に、いろいろな問い合わせがありました。おそれ多いのでお断りしてしまいましたが、外務省からも講演の依頼が来るなど、東洋経済がアフリカに注目していることが珍しがられました。

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  • NO NAME9d851866022e
    いささか誤解を招く表現かも知れないが、この記事はアフリカ本来の価値が発見されたことの証明というよりは、我々が自分たちの文明に対していかに自信を失っているか、ということの現れなのだろうと思う。ジャズや黒人芸術が再発見された第一次大戦前後のヨーロッパとある意味一緒だ。

    シェアリング経済という話も出ていたが、あれは煎じ詰めれば「所有権の否定(所有の共同性)」ということにもつながるのではないか。それが良いとも悪いともいう気はないが、自分に自信がないからといって安易にアフリカ文化に飛び付くようなのもちょっといかがなものだろうとも思う。
    up3
    down1
    2017/12/25 13:32
  • NO NAMEa8fc0a0fc418
    中国もシェアリング経済の本拠地では?
    つまり発展途上国
    up0
    down0
    2017/12/25 13:12
  • NO NAMEf48a83895ed9
    The Economist (November 11th 2017) がアフリカ特集でしたね。
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    down1
    2017/12/25 10:40
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