2000/07/16 (日) 産経新聞 斜断機
拝啓、『朝日新聞』記者 高橋純子様



拝啓、『朝日新聞』記者高橋純子様。七月一三日付けの朝刊に載ったあなたの「記者だって気に入られたいけど…」という記事、拝読しました。
「私だって、取材相手に気に入られたい。森首相が言うように『かわいいところがあるじゃないか』と思われたい。だが、首相の言い分だけを聞き入れてしまえば『なれ合い』でしかない」と、平然と書いてしまうあなたにびっくりしました。
森首相に限らず、先日の石原都知事の「三国人」発言なども含めて、政治家とメディアの関係が最近ことさらに問題になっています。何を言っても揚げ足取りしかされない、という不満が彼らの間に高まっているのはあなたも感じているはずです。
取材対象に気に入られるかどうかなどは、実はどうでもいいことです。だって、それはあなたの仕事なのですから。仕事としてまず相手と信頼関係を築けるかどうか、問題はほとんどそれだけなのではないですか。
普通の会社の場合、お得意さんと信頼関係を築けない人は営業職失格でしょう。もちろん、報道はそういうビジネスの現場とまた異質な仕事でしょうが、でも、やはり仕事としての人間関係という意味では基本的に同じはずです。どんなにイヤな相手とでもひとまず関係を作る。作って話を聞き出す。それがあなたの仕事じゃないですか。なのに、「記者の言い分はほとんど聞かず」とか「意見も聞いてくれれば、理解は深まるのに」とか言うあなたは、森首相というオヤジに対して「わかってくれない」と文句を言ういまどきのわがまま娘のように見えます。まして「担当記者は敵でも味方でもない」と開き直られた日には、森首相どころかおそらくあなたの上司でさえも頭を抱えることでしょう。
あなたはおそらく、素直な優等生で、自信もあるのでしょう。でも、そんな優等生のまま記者をやっているとどんどんヘンな人になってゆきます。職業人としての記者が築くべき政治家との信頼関係とは何か。まずそこから考え直してみることをおすすめします。頑張って下さい。
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