たつき監督の理不尽な降板
前回の記事では、アニメ「けものフレンズ」の監督たつき氏による「事実上の降板」を告げるツイートから始まった「たつき監督降板騒動」について、簡単な経緯を述べた。
「けものフレンズプロジェクトA」(略称KFPA)によると、「作品の無断利用」と「事前の情報共有」が降板の理由らしい。
しかし、有志による検証の結果、言いがかりに近い極めて不可解な理由なのだ。
togetter.com
この騒動は、ヤオヨロズ側の福原慶匡氏(ヤオヨロズ取締役)と株式会社KADOKAWA側の井上伸一郎氏(株式会社KADOKAWA代表取締役)によるトップ会談が開かれる事態まで発展した。
しかし2017年10月3日に協議に入って以来、未だに報告はない。
黙殺されたクレーム
そこで筆者は、「協議の現状報告」と、「ヤオヨロズがクビになった理由の詳細」に加えて、けもフレアワーで起きた「声優の盾」事件を含んだ質問状を、メールと内容証明郵便(電子内容証明サービス)で、株式会社KADOKAWA けものフレンズ製作委員会宛に送ったが、「一週間以内に返答」と条件を付けたのにもかかわらず、無視されたようだ。
もっとも「内容証明郵便を受け取ったら絶対に返信しなければならない」という決まりはないので、仕方がないかもしれない。
一方でネット上では、まるで「たつき監督降板騒動」が無かったように、けものフレンズに関する話題が飛び交っている。
こういう悲しい結果を見ていると、まるで自分一人だけが必死になっているような気がして、悲しみと怒りや憎しみが混じり合ってしまい、精神的に辛い日々を過ごしていた。
しかし、ある日。Twitterのリツイートで、「Save Japri Park」という「たつき監督降板騒動」に関するコミュニティが存在することを知ったのだ。
「Save Japri Park(SJP)」とは?
今回の騒動は、国内だけでなく海外の「けものフレンズ」ファンまで衝撃が広がった。
そこで台湾のファンにより、「Save Japari Park」(通称SJP)という国際的な非営利団体が立ち上がったのだ。
主にDiscordというチャットツールで活動が行われている。
そのコミュニティに所属するファンによると、中国語や日本語、英語を話すファンだけでなく、スペイン語、フランス語、イタリア語、ペルシャ語を理解するファンたちも集っているようで、今後も国際的な広がりが期待できるそうだ。
SJPの活動内容は多岐にわたるが、例えば
が挙げられる。
筆者がSJPを知ったキッカケとなったのは、情報発信チーム(Outreach班)によるアクションの一つだった。
けものフレンズのファンが今できること
「ACA行動」とは?
ところで、文化庁(Agency for Cultural Affairs)や知的財産戦略推進事務局により、日本のサブカルチャーを海外へ宣伝・普及させる「クールジャパン(Cool Japan)」という取り組みが推進されている。
しかし今回起きた「たつき監督降板騒動」のせいで、「クールジャパン」を含めた日本や日本企業に対するイメージが非常に悪くなっているそうだ。
そこでSave Japri Parkは、日本政府に働きかけ、「たつき監督降板騒動」の重要さを真剣に検討させる行動計画「ACA行動」を呼びかけている。
「たつき監督降板騒動」のように、日本の芸術的なクリエイターが不当に扱われている現状を説明し、改善を求めているようだ。
しかし残念ながら、「ACA行動」や「Save Japari Park」の活動を不審に思い、好ましくないように思っている人もいるようだ。
そこで疑問を解決し、理念を理解してもらおうと、SJPの対外発信チーム(Outreach班)に所属する日本語スタッフにより、質問を受け付ける専用のフォーラム(スレッド)が設けられている。
ACA行動についての質問スレ - 1512566786 - したらば掲示板
名前欄に「名前#本人証明に使うランダムな文字列*1」を記入して質問すれば、SJPの日本語スタッフが丁寧に答えてくれるので、ぜひ利用して疑問を解決して欲しい。
「ACA行動」要望書の要旨
さて、要望書を書くのは、とても骨が折れる作業だ。
そこで、クリックするだけで自動的に要望書がランダムに作られるジェネレーターが公開されているので、これを利用して積極的にメッセージを送ってほしい。
以下に、自動的にランダムで生成される声明文の一例(要旨)を掲載する。
なお、自動生成された文章をこのままコピペするのではなく、自分の言葉で書くともっと良いだろう。
- アニメけものフレンズについて心配しているのは日本だけでなく、海外で得られた多数のファン
- 素晴らしいストーリーと細やかな動物の描写を兼ね備えた、上品な作風でとても丁寧な作りのアニメである
- しかし最近になって、株式会社KADOKAWAを含むけものフレンズプロジェクトA(KFPA)は、この傑作アニメを生み出したたつき監督を何ら明白な警告も理由もなくたつき監督を解任した
- 9/25にその発表がなされて以来、非常に多くの国の何万人もの海外ファン・何百万人もの日本のファンはこの事件に対して大きな懸念を抱き続けている
- KFPAは初め、2期の制作は1期を担当したアニメスタジオと同じであるということを示唆し、企業として彼らは自身の欲望のために私たち(消費者、支持者やファン)に嘘をついたように見える
- この事件は、オリジナル作品を制作したい日本のアートクリエイターが、新しいアイデアやコンセプトを積極的に推進しようという試みを追求することによって、処罰され得るということを表している
- アニメけものフレンズは、単に投資家の打算によって作られた作品よりも魅力的な、独自のコンセプトを持っている
- この一連の騒動は人々に、投資家の興味の方が真の芸術よりも重要なのだとすら思わせてしまいかねないものである
手書きのすすめ
なお「ACA行動」について、SJPに所属するファンから、大変興味深い話を聞く機会があった。
聞くところによると、「手書きの封書で提出すると効果的」らしい。
というのも、画面上で簡単に整理できるメールではなく、物理的に目立つ手書きの封書ならば、担当者やその上司の目に留まる可能性が高くなるらしい。
「手書きで提出できるメンバーが増えれば、我々にとって有利になる」とのことだ。
まとめ
今回の「たつき監督降板騒動」で、大切なアニメが一部の悪い大人のせいで傷つけられたのが、筆者はとても悲しい。
最近では、少しずつ世間でもアニメが受け入れられるようになっているのに、とても悔しい思いをしている。
だが今回の場合、「Save Japari Park」という心強い味方が世界中から集まっているのだ。
そして「ACA行動」という、文化庁と日本政府に事件解決の行動を願う嘆願書を提出する活動も、推進されている。
更には、ACA行動だけでなく他にもSave Japari Parkは計画しているようだ。
続報などについては、「Save Japari Park」コミュニティにてその都度アナウンスがあるので、Twitterにある「Save Japari Park」の公式アカウントをフォローすると良いだろう。
もしコミュニティに興味があれば、筆者のようにDiscordのコミュニティに参加するといいかもしれない。
あのアニメの続きが「たーのしー!」と笑顔で待てるよう、「Save Japari Park」と一緒に頑張っていこうではないか。
謝辞
この記事を執筆するにあたり、原稿のチェックや情報提供をしてくださったSave Japari Parkの皆さまに、この場を借りて御礼申し上げます。
また前回と今回の記事に渡って、素敵なイラストや写真素材をお借りした、「かわいいフリー素材集 いらすとや」さん、「フリー写真素材ぱくたそ」さんに感謝申し上げます。
*1:いわゆる「トリップ」