個人投資家が情報入手をするための必須アイテムと言えるのが「日経新聞(日本経済新聞)」と「会社四季報」だ。この2つを利用したことがない、という個人投資家はほとんどいないのではないだろうか。
しかし、日経新聞と会社四季報を読むには、それなりにお金がかかる。
日経新聞を宅配で読む場合の月額料金は、住んでいる地域によって料金が異なり、朝・夕刊セット版の地域では4900円、全日版の地域では4000円。一方、会社四季報は年4回の発行で、1冊2060円となっている。それぞれ年間コストに直すと、日経新聞の朝・夕刊セット版が5万8800円、全日版が4万8000円、会社四季報が8240円にもなる(すべて税込)。
つまり、日経新聞と会社四季報の両方を読もうと思えば、1年間に税込で最大7万2403円ものお金がかかってしまうのだ。
ところが、いくつかの証券会社では、証券口座を持つことで日経新聞と会社四季報を無料で読むことができる。単純に言ってしまえば、それだけで7万円以上も得をするということだ。
すでに証券会社を活用している個人投資家なら、「そんなこと知ってるよ」と言う方もいるだろう。しかし、証券各社を比較してみると、実は、同じ日経新聞や会社四季報でも、見られる情報にけっこう違いがあることがわかる。
そこで今回は、証券会社を上手に活用することで、単に無料で日経新聞や会社四季報を読むだけではなく、紙の日経新聞や会社四季報よりも深い情報を知り、それらを便利に利用する方法を紹介しよう。
紙媒体の「日経新聞」と「日経電子版」、「日経テレコン」
さらには「証券会社版の日経テレコン」は何が違うの?
日経新聞は、宅配や駅の売店などで手に入る紙媒体のほかに、ネットでも読むことができる。
ネットで日経新聞が読めるサービスには、大きく分けて「日経電子版」と「日経テレコン」の2つがある。特定の証券会社で読むことができる日経新聞は、「日経テレコン」のほうだ。しかし、同じ日経テレコンでも、通常の方法で申し込む「正式版」と証券会社で読める「証券会社版」では、情報量や検索可能期間などに違いがある。
そこで、「日経新聞(紙媒体)」と「日経電子版」、「日経テレコン(正式版)」、さらに「日経テレコン(証券会社版)」の違いを簡単にまとめたのが下の表だ。
■日経テレコン(証券会社版)なら、無料で日経新聞が読める! | ||||||
日本経済新聞 (宅配) |
日経電子版 | 日経テレコン | 日経テレコン (証券会社版) |
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配信記事 | 日経新聞の朝・夕刊約300本 | 日経新聞の朝・夕刊約300本に加え、電子版の独自記事700本。映像記事や経営者ブログ、日経関連雑誌なども含む | 日経新聞ほか、全国各紙、専門紙、スポーツ紙まで500超のメディア、計140以上の国内主要紙 | 日経済朝・夕刊、地方経済面、日経産業新聞、日経MJ、日経プラスワン、日経速報ニュースなど | ||
記事検索 | × | ○(3カ月) | ◎(30年) | ○(最長1年) | ||
閲覧性 | ○ | ○ | △ (テキストとPDF) |
△ (図・写真表示不可の場合も) |
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月額料金 (税込) |
朝・夕セット版4900円、全日版4000円 | 4200円(新聞宅配付き5900円) | 月額6000円+情報利用料0円~(※1) | 口座開設などで条件クリアで無料 | ||
※2017年12月13日時点。※1 オンライン契約・レギュラーコースの場合 |
日経新聞(紙媒体)は、多くの記事をざっと俯瞰して、読みたい記事をすばやく見つけるならばもっとも便利だ。その良さは、「見やすさ」にある。
日経電子版も見やすさなら負けていない。スマホやタブレットではビューアーアプリを利用して、紙面イメージそのままに、文字だけでなく図や写真まで見ることができる。さらに、紙の日経新聞にくらべると、手元でコンパクトに見られること、出張先など配達が受け取れない場所でも読めることもメリットだ。
日経電子版が最新ニュースを報道するための「ニュースサイト」なのに対し、日経テレコンは「記事データベースサービス」にジャンル分けができる。
日経電子版は、30日分の日経新聞のバックナンバーを収録し、過去3カ月分までの記事検索が可能だが、日経テレコンの情報量は格段に多い。
日経テレコン(正式版)は、日経新聞や日経産業新聞、日経MJ、日経プラスワンなど、日本経済新聞発行の新聞はもちろん、全国紙各紙、地方新聞、専門紙、スポーツ紙まで、合わせて140以上の国内主要紙までカバー。さらに、ビジネス誌や一般誌など500超のメディアの記事も読むことができる。
また、日経テレコン(正式版)は、過去30年分の記事検索まで可能だ(日経新聞に関しては1949年4月より収録)。記事は、写真や図版がある場合、PDFファイルでも表示できる。
ただし、日経テレコン(正式版)は利用料が高額なため、企業契約や検索の必要があるプロユーザー向けと言えるだろう。
一方、証券会社の口座開設者が無料で読める日経テレコンは、正式版の日経テレコンの簡易版であり、検索期間や閲覧可能なメディア数は正式版に比べると少ない。
とはいえ、日経新聞に関しては朝・夕刊とも無料で読むことができるので、本来の目的である「日経新聞を読む」という意味では十分だ。
ただし、日経テレコン(証券会社版)は証券会社によっては図や写真が表示できない場合もあり、見やすさの面では他より一歩遅れている。それでも無料で読めるメリットは大きいだろう。
つまり、日経新聞を全体的に見て、図や写真も見ながら記事を読みたいなら、紙の日経新聞や日経電子版が便利。一方、見やすさをそれほど求めず、「無料である点にメリットを感じる」「記事データベースも使ってみたい」というなら証券会社の無料版日経テレコンを利用すればいいだろう。
日経新聞が無料で読める証券会社は
楽天証券、大和証券、丸三証券の3つ
証券口座を開設することで日経テレコンが無料で利用できる証券会社は、ズバリ、楽天証券、大和証券、丸三証券の3社だ。
なお、楽天証券の場合、トレードツール「マーケットスピード」やスマホ株アプリ「iSPEED」を使って閲覧するが、「マーケットスピードWindows版」はツールの利用料として月2500円がかかる(Mac版や「iSPEED」は無料)。
ただし、「マーケットスピードWindows版」は、「信用口座の開設」など比較的ゆるい条件をクリアすれば無料になる。
各証券会社版で共通する情報のひとつが、「きょうの新聞」。直近3日分の紙面が掲載日別に読める。各社ともPC画面で見るだけでなく、スマホで見やすいバージョンもある。
楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」から実際に見出しや紙面の例を表示したのが下の画面だ。
楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」で、日経新聞の見出し一覧を表示。記事によってはPDFファイルで実際の紙面も読める
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「iSPEED」で日経新聞の記事を表示。スマホアプリの小さな画面だが、シンプルで読みやすいレイアウトになっている
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3種類の日経テレコン(証券会社版)の個性を発見
自分に合った証券会社を選ぼう!
楽天証券版、大和証券版、丸三証券版、それぞれの日経テレコンで閲覧可能な内容はだいたい同じだ。3社とも、日本経済新聞(朝刊、夕刊、地方経済面)はもちろん、日経産業新聞、日経MJ(流通新聞)、日経プラスワン、さらに日経速報ニュースなどを読むことができる。
しかし、その他の細かいサービス内容は証券会社によって異なる。主な相違点を下の表にまとめた。
■日経新聞を無料で読める証券会社の比較 | ||||||
楽天証券版 | 大和証券版 | 丸三証券版 | ||||
検索期間 | 1カ月、3カ月、 6カ月、1年 |
3カ月 | 1カ月、3カ月、 6カ月、1年 |
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図・写真の表示 | ○ | × | ○ | |||
銘柄ページからのリンク | × | ○ | ○ | |||
スマホ対応 | ○ | ○ | ○ | |||
利用料 | 無料 | 無料 | 無料 | |||
備考 | Windowsパソコンからの閲覧はトレードツール「マーケットスピード」有料版を利用(条件クリアで無料) | テーマ検索、データ&ランキング、記事クリッピングなど多機能。ニュースは、プレスリリースも表示。記事検索に加え、経済統計データの検索も可能 | 日経ValueSearch企業レポート、日経会社情報、直近3期分の本決算、中間決算が見られる | |||
※2017年12月13日時点 |
記事検索ができる期間は、楽天証版と丸三証券版なら最長で1年間だが、大和証券版は3カ月間しかない。また、楽天証券版と丸三証券版は、図版や写真入り記事はPDFファイルとして表示が可能だが、大和証券版ではPDF表示はできない。
楽天証券版の日経テレコンで記事検索(スマホで表示)。楽天証券では、最長1年間の記事検索ができる
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楽天証券版の日経テレコンで記事検索(スマホで表示)。PDF表示により実際の紙面を表示させれば、写真や図も見られる
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一方で、大和証券版は、使える機能や検索データベースが充実している。企業検索、さまざまなランキング情報、記事のクリッピング、経済統計データの検索など、多彩な機能を利用できるのは大きなメリットだ。特におすすめは記事のクリッピングサービスで、指定したキーワードを登録しておくと、該当記事が出た時にフォルダに自動保存したり、メールで通知してくれる。
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また、丸三証券版は、企業レポートや「日経会社情報」が見られるのも特徴だ。個別銘柄ページから即アクセスできるので、業績予想をチェックするなど、会社四季報的な使い方もできるだろう。
楽天証券版、大和証券版、丸三証券版、3つの中から選ぶ目安としては、記事検索の期間を求めるなら楽天証券版か丸三証券版、記事クリッピングなど多彩な機能が使いたいなら大和証券版、企業の業績などの分析に利用したいなら丸三証券版を選べばいいだろう。
また、各社とも口座開設は無料なので、3社全部で口座を開設して、欲しい情報ごとに使い分ける手もある。
他の投資情報とくらべて、会社四季報が
多くの個人投資家に愛用されている理由とは?
次に、会社四季報について。会社四季報が無料で読める証券会社の紹介にとどまらず、証券会社版ならではのネットを使った便利な活用法についても解説する。
その前に、まずは会社四季報について簡単におさらいをしておこう
そもそも会社四季報とは、上場している約4000社を、業界担当記者が独自取材で分析する企業情報誌だ。企業の基本情報をはじめ、過去の業績から未来の業績予想(2期分)までが掲載されている。年4回、四半期ごとに発売され、最新情報に更新される。個人投資家の中には、お宝銘柄の発掘に利用するなど、投資のバイブルとしている人も多い。
ところで、証券会社で見られる企業の業績情報は、会社四季報以外にも色々あって、ここ近年急速に進化している。具体的には、業績の経年変化や予想、四半期ごとの進捗率などのグラフ表示、コンセンサス(複数のアナリストによる判断の平均値)やレーティングの表示、同業他社比較など、見やすさ・わかりやすさが向上している。
投資情報会社が提供するこうした情報は、一見すると会社四季報より優れている点も多いように思える。では、無数にある投資情報の中で、会社四季報が秀でている点はどこにあるのだろうか?
その答えはいくつか考えられるが、ひとつは、会社四季報が約4000社ある上場銘柄を全社カバーしており、そのすべてで2期分の独自予想まで掲載している点が挙げられる。
多くの投資情報会社の予想は、大型株などメジャーな企業に限られ、中小型株では会社予想しか掲載してない場合が多い。「中小型株が大好き」という個人投資家が多いことを考えると、会社四季報が重宝される理由がわかるだろう。
会社四季報は、多くの証券会社のサイトやアプリを使って
無料で読むことが可能!
多くの証券会社は、口座開設者向けに無料で会社四季報の情報を提供している。最近では、スマホアプリで会社四季報が読める証券会社も増えている。
最初に、一般的な証券会社版の会社四季報を、SBI証券のスマホアプリ「SBI証券 株アプリ」を例に紹介しよう。下が、その実際の画面だ。
SBI証券のスマホアプリ「SBI証券 株アプリ」の四季報情報。「企業概要」欄では、住所などの基本情報に加え、会社内容と業績記事、大株主や株主構成などを掲載
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「SBI証券 株アプリ」の四季報情報に掲載されている「財務状況」欄では、時価総額や財務体質、業績実績や四季報独自の予想が2期分をチェックできる
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上の画面のように、「企業概要」「財務状況」「資本異動」など、冊子の会社四季報に掲載されているほとんどの情報を見ることができる。
ただし、冊子の会社四季報との違いもある。例えば、上のSBI証券のアプリのように、証券会社版の会社四季報には、株価チャートやPER、PBRといった時価の情報は掲載されていない。そうした情報は、各証券会社の公式サイトを見るとリアルタイム、もしくは当日のデータが表示されているので、四季報の欄に掲載がなくても問題はないだろう。
各証券会社で読める会社四季報を
実際に読んで比較してみた!
先にSBI証券で読める四季報情報を紹介したが、証券会社で提供される四季報情報は各社横並びではない。そこで、各社で読める四季報情報と特徴を下の表にまとめた。
■証券会社ごとに、会社四季報の情報量や機能を比較 | ||||||
証券会社 | 情報更新 | 情報・機能 | おすすめポイント | |||
楽天証券 | 四半期ごと | 企業概要:○ 業績・業務:○ 資本移動:○ スマホアプリ:○ |
会社四季報発売前に企業情報を詳細に報じる「四季報速報」が読める。「四季報速報」は、東洋経済新報社が独自に選定した主要300社を中心に年間2000本以上の記事を配信 | |||
カブドットコム証券 | 決算情報 随時更新 |
企業概要:△※1 業績・業務:△※1 資本移動:× スマホアプリ:○ |
パソコン用ツール「カブステーション」の「四季報検索」機能が便利。四季報記事内のキーワード検索ができる | |||
GMOクリック証券 | 四半期ごと | 企業概要:○ 業績・業務:○ 資本移動:○ スマホアプリ:× |
アプリでは四季報は見られないが、過去の企業業績一覧はチェック可能 | |||
マネックス証券 | 四半期ごと | 企業概要:○ 業績・業務:○ 資本移動:○ スマホアプリ:× |
企業概要、財務状況、資本移動など全情報が見やすくまとまっているが、アプリでは見られない | |||
SBI証券 | 四半期ごと | 企業概要:○ 業績・業務:○ 資本移動:○ スマホアプリ:○ |
「SBI証券 株アプリ」でも企業概要、財務状況、資本移動など全情報が見やすくまとまっている | |||
SMBC日興証券 | 四半期ごと、 週ごと |
企業概要:○ 業績・業務:○ 資本移動:○ スマホアプリ:○ |
通常の四季報情報に加え、グラフによる図解で読みやすい「会社四季報最新銘柄レポート」を毎週更新。過去の最新情報に加え、前回の四季報のコメントも掲載。スマホアプリにも対応 | |||
大和証券 | 四半期ごと | 企業概要:○ 業績・業務:○ 資本移動:○ スマホアプリ:× |
四季報発売前に企業情報を詳細に報じる「四季報速報」が見られる。個別銘柄ごと、配信元ごとに区別してニュースを表示できる点も便利だ | |||
立花証券 | 週ごと | 企業概要:× 業績・業務:○ 資本移動:○ スマホアプリ:○ |
毎週更新の「会社四季報最新銘柄レポート」はグラフで図解。過去の最新情報に加え、前回の四季報のコメントも読める。スマホアプリにも対応 | |||
※2017年12月13日時点。※1 簡易版を掲載。 |
ただし、四季報欄で業績推移や予想が見られない証券会社でも、それらの情報自体が掲載されていないとは限らない。例えば、カブドットコム証券の場合、業績推移や予想は四季報欄には掲載がないが、別ページでロイターのコンセンサス予想を掲載している。
年4回の会社四季報の発売日より前に
四季報の記事を読む方法とは?
会社四季報は、冊子だけでなく、WEBで読める「会社四季報ONLINE」も存在する。その最大のメリットは、「会社四季報」の発売前に最新の四季報情報が読めることだ。
オンライン版の有料プランは、ベーシックプラン(月1080円、税込)とプレミアムプラン(月5400円、税込)の2種類。例えばベーシックプランでは、冊子の四季報情報に加え、「速報! サプライズ銘柄」の先行配信、業績予想の週1回更新、各種ランキング記事、オリジナル記事、バックナンバー1年分なども読むことができる。
証券会社によっては、年4回の四季報情報に加えて、この有料版の一部が読めるサービスを提供している。
例えば、「会社四季報ONLINE」には、東洋経済新報社が独自に選定した主要300社を中心に、四季報の発売前に報じられる企業情報を年間2000本以上配信する「四季報速報」というサービスがある。「四季報速報」は、大和証券や楽天証券に口座があれば無料でチェックが可能だ。
「四季報速報」で配信される記事の一例として、「四季報先取り」がある。その内容は、会社四季報に掲載される記事そのままであり、直近に発売予定の記事を読めるのだ(ただし、制作過程で内容が変わる場合もある)。
会社四季報の膨大な情報の中から
必要なものだけを即座に検索できる方法とは?
会社四季報好きの方にぜひ活用していただきたいのが、カブドットコム証券のトレードツール「kabuステーション」に搭載された「四季報検索」だ。このツールを利用すれば、四季報内の文章が検索できる。
会社四季報の記事には、【上昇】【V字回復】【増益】【上方修正】など、見出しに使用される決まり文句があり、四季報ユーザーなら注目している人も多い。「kabuステーション」なら、こういった単語を利用した記事検索が可能だ。もちろん、「SNS」「ビットコイン」「ロボット」など、今が旬の単語で検索してもいいだろう。
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また、会社四季報の本文をコピーできるので、四季報の情報をデジタルデータとして自分で記録することができるのも便利だ。
この記事検索機能は、通常は「四季報CD-ROM」(7180円、税込)を購入しなければ利用できない。「kabuステーション」の利用料は月額972円(税込)だが、「信用口座の開設」など、比較的ゆるい条件をクリアすれば無料になる。四季報愛好家には、ぜひおすすめしたいトレードツールだ。
濃い情報が毎週更新される
最強の「会社四季報最新銘柄レポート」は必見!
最後にもうひとつ、おすすめの四季報情報を紹介しよう。SMBC日興証券と立花証券で読める「会社四季報最新銘柄レポート」だ。
この「会社四季報最新銘柄レポート」は、会社四季報と同様の誌面だが、内容はより充実している。レポートは毎週更新されており、四季報が発売される前の最新情報が掲載されている。
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具体的に、冊子の四季報に掲載されていない情報としては、業績推移のグラフ表示、業績評価、ライバル会社比較、過去2冊分の四季報の記事、レーダーチャートによる企業評価などの情報がある。もちろん冊子の会社四季報と同様に、2期分の業績予想も掲載されている。
「会社四季報最新銘柄レポート」は、SMBC日興証券、立花証券ともに個別銘柄のページからチェックができる。特に、投資情報会社や証券会社のアナリストがカバーしていない中小型株を好んで投資する人にとって、この最新レポートはとても参考になるはずだ。
複数の証券会社をフル活用し
必要な情報を無料で入手しよう
これまで紹介してきたように、特定の証券会社に口座を開くことで、毎日の日経新聞の紙面や四半期ごとの会社四季報を無料で読むことができる。
さらに紙媒体で提供される記事や情報だけでなく、速報や独自情報も掲載されている上、検索機能など使い勝手も良い。「株式投資をするなら、日経新聞と四季報くらいは読まないと」と考える個人投資家には、ぜひ活用して欲しい。
今回、紹介した証券会社はすべて口座開設が無料。情報収集のために複数の証券会社に口座を開設してもOKだ。証券会社ごとに提供される情報、サービスの違いを検討した上で、上手に自分の投資に役立てていただきたい。
■「日経新聞」が読める主な証券会社 | |||
証券会社 | おすすめポイント | 公式サイト | |
楽天証券 | 過去記事の検索期間は最長1年。Windowsパソコンからの閲覧はトレードツール「マーケットスピード」有料版を利用するが、比較的ゆるい条件のクリアで無料になる | ||
大和証券 | テーマ検索、データ&ランキング、記事クリッピングなど多機能。ニュースは、プレスリリースも表示可能。記事検索に加え、経済統計データの検索もできる | ||
丸三証券 | 過去記事の検索期間は最長1年。日経ValueSearch企業レポート、日経会社情報、直近3期分の本決算、中間決算が見られる |
■「会社四季報」が読める主な証券会社 | |||
証券会社 | おすすめポイント | 公式サイト | |
楽天証券 | 会社四季報発売前に企業情報を詳細に報じる「四季報速報」が読める。「四季報速報」は、独自に選定した主要300社を中心に年間2000本以上の記事を配信 | ||
カブドットコム証券 | 決算情報は随時更新。パソコン用トレードツール「カブステーション」の「四季報検索」機能が便利。四季報記事内のキーワード検索ができる | ||
GMOクリック証券 | スマホアプリで会社四季報は見られないが、過去の企業業績一覧はチェック可能 | ||
マネックス証券 | 企業概要、財務状況、資本移動など全情報が見やすくまとまっている。スマホアプリでは閲覧不可 | ||
SBI証券 | 「SBI証券 株アプリ」でも企業概要、財務状況、資本移動など全情報が見やすくまとまっている | ||
SMBC日興証券 | 毎週更新の「会社四季報最新銘柄レポート」はグラフで図解。過去の最新情報に加え、前回の四季報のコメントも読める。スマホアプリにも対応 | ||
大和証券 | 四季報発売前に企業情報を詳細に報じる「四季報速報」が読める。「四季報速報」は、独自に選定した主要300社を中心に年間2000本以上の記事が配信されるサービス | ||
立花証券 | 毎週更新の「会社四季報最新銘柄レポート」はグラフで図解。過去の最新情報に加え、前回の四季報のコメントも読める。スマホアプリにも対応 |
【2017年12月1日時点】 【証券会社おすすめ比較】 手数料、取引ツールetc.で総合比較! おすすめネット証券はココだ! |
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株式売買手数料(税抜) | 投資信託 | 外国株 | ||||
1約定ごと | 1日定額 | |||||
10万円 | 30万円 | 50万円 | 50万円 | |||
◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||||
0円※ | 300円※ | 500円※ | 500円/日 | 217本 | ― | |
【おすすめポイント】 1日定額制プランしかないが、最大のメリットは、なんといっても1日の約定金額の合計が10万円以下であれば売買手数料が無料という点。資金が少なく、複数の銘柄に分散投資する初心者の個人投資家にはおすすめだ。さらに、2016年度JCSI(日本版顧客満足度指数)調査で、証券業種の第1位を獲得! その使い勝手は、チャート形状で銘柄を検索できる「チャートフォリオ」を愛用している株主優待名人・桐谷さんも「初心者に特におすすめ」と太鼓判を押す。また、デイトレード限定で手数料が無料になる「一日信用取引」、手数料が激安になる「一日先物取引」など、専業デイトレーダーにとって利便性の高いサービスも充実している。 ※1日定額制の場合 |
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【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは?】10万円以下の株取引は手数料0円!その他無料サービスと個性派投資情報も満載 ◆「株初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこ?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
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◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||||
139円 | 272円 | 270円 | 429円/日 | 2461本 | ○ 米国、中国 、アセアン |
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【おすすめポイント】 2016年5月からスタートした「超割コース」は、手数料が低水準のうえ、手数料の1〜3%をポイント還元! また、2017年9月より、1日定額コースの料金を引き下げ、1日10万円以下なら手数料が無料に! さらに、投資信託を持っているだけでポイントが貯まるので、長期的に積立投資を考えている人にはおすすめだろう。貯まったポイントは、楽天スーパーポイントやJALマイルに交換可能だ。また、取引から情報収集、入出金までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名で、数多くのデイトレーダーも利用。ツール内では日経新聞の記事も無料で読むことができる。さらに、投資信託数が2000本以上と多く、米国や中国、アセアンなどの海外株式、海外ETF、金の積立投資もできるので、長期的な分散投資がしやすいのも便利だ。 |
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【関連記事】 ◆楽天証券おすすめのポイントはココだ!~使いやすいトレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
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◆カブドットコム証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||||
90円 | 250円 | 250円 | ― | 1019本 | ― | |
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1約定ごと(税抜) | 1日定額(税抜) | 投資信託 | 外国株 | |||
10万円 | 30万円 | 50万円 | 50万円 | |||
◆GMOクリック証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||||
88円 | 241円 | 241円 | 399円/日 | 62本 | ○ (CFD) |
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【おすすめポイント】 売買手数料の安さはネット証券でも最安レベルで、コストにうるさい株主優待名人・桐谷広人さんも利用しているとか。近年は、各種ツールや投資情報の充実度もアップしており、売買代金では5大ネット証券に食い込むほど急成長している。商品の品揃えは、株式、先物・オプション、FXのほか、CFDまである充実ぶり。CFDでは、各国の株価指数のほか、原油や金などの商品、外国株など多彩な取引ができ、この1社でほぼすべての投資対象をカバーできると言っても過言ではないだろう。初心者やサラリーマン投資家はもちろん、信用取引やCFD、FXも活用する専業デイトレーダーまで、幅広い投資家におすすめ! |
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◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||||
100円 | 250円 | 450円 | 2500円/日 | 1071本 | ○ 米国、中国 |
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【おすすめポイント】 1注文30万円までなら手数料の安さはトップクラス。小型株中心に売買する人には、魅力的な値段設定と言える。米国株も最低手数料5ドル(税抜)から買えるので、非常にお手軽だ。多彩な注文方法や板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」など、トレードに役立つツールもそろっている。中でも、日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」は、スイングトレードのときに参考にしたい。毎月5000円の掛金から始められる低コストなiDeCoサービスも行っている。 |
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【関連記事】 ◆【マネックス証券おすすめのポイントは?】日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実! |
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◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||||
139円 | 272円 | 270円 | 429円/日 | 2534本 | ○ 米国、中国、 韓国、ロシア 、アセアン |
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【おすすめポイント】 ネット証券最大手。2017年9月より、1日定額制プランだと、1日10万円まで売買手数料が0円に! 手頃な手数料はもちろん、痒いところに手が届くような豊富なサービスにも注目したい。投資信託の数は2000本超でダントツ。投資信託が100円以上1円単位で買えるので、投資初心者でも気軽に始められる。IPOの取扱い数は、大手証券会社を抜いてトップ。PTS取引(私設取引システム)も利用可能で、一般的な取引所より有利な価格で株取引できる場合もある。海外株式は、米国、中国、ロシアのほか、アセアン株式も取り扱うなど、とにかく商品の種類が豊富だ。米国株は、2016年7月の値下げにより手数料が最低5ドルから取引可能になった。低コストで幅広い金融商品に投資したい人には、必須の証券会社と言えるだろう。「2016年 オリコン日本顧客満足度ランキング ネット証券」では、10度目の1位を獲得。 |
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【関連記事】 ◆【SBI証券のおすすめポイントは?】IPOの多さ&夜間取引、銀行との連携など独自サービスも充実! ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。 |
手数料の安さ、外国株や投資信託の豊富さに加え、
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