北朝鮮の一般市民に打撃-国連の追加制裁

North Koreans watch a military parachuting demonstration in Wonsan, North Korea.

Photographer: Wong Maye-E/AP

国連安全保障理事会が22日採択した北朝鮮に対する追加制裁決議は、米本土を核兵器で攻撃する能力を持つ北朝鮮のミサイル開発推進を遅らせるよりも、同国の一般の人々に打撃を与える公算の方が大きそうだ。

  北朝鮮による11月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて全会一致で採択された決議は、灯油など石油精製品の北朝鮮の輸入を来年1月以降、約90%削減するとともに、海外の北朝鮮労働者を2年以内に本国送還とするなどとしている。

  米マサチューセッツ大学アマースト校のポール・マスグレーブ准教授は電子メールで、「石油製品大幅カットの影響が及ぶ可能性が最も大きいのは、体制の生き残りには必須でないセクターとなりそうだ。そうした削減によって一般の北朝鮮の人々が最も苦境に追い込まれるだろう」と指摘した。

  北朝鮮に対してはこれまで何度も制裁が科されてきたが、金正恩朝鮮労働党委員長率いる体制に核プログラムを断念させることはできず、最新の追加制裁によってもこの問題の解決に近づく公算は小さいとアナリストは話している。

原題:Latest North Korea Sanctions Seen Unlikely to Hurt Kim’s Regime(抜粋)

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