(アドベントカレンダーで13日までに何か書く、と言いつつこんな日になってしまいました)
これまで某Yahoo! JAPANや某BuzzFeed Japanでデータを元に編成 / 編集 / 目標設定 / 評価などをしてきました。たまに書いたり撮ったりしますが、主にはグロースと業務改善。
データを使ってメディア面を伸ばしていく、打てる手は全て打て、みたいな感じです。PDCAよりもOODAループ派です。
現場レベルでいうとデータを見て細かいメソッドを抽出したり、各プラットフォームのアルゴがどう変化しているのか分析したりしています。Facebookがマジでエグい。
で、編集界隈の人たちと話をしていると、データにふれる機会がなかったり、そもそもデータをどう見れば良いのか分からないという雰囲気を感じます。データ面白いのになー。
というわけで、これまで見つけたぼんやりとした法則を共有しておこうかなと思います。データを実際に出せないのは察してください。
「いいサムネ」の条件
いいサムネとはユーザーの目に留まる / 知りたい気持ちを後押しするサムネです。クリック率を高めるサムネですね。どんなサムネがいいの? こんな感じです。
- 人の顔出しは鉄板
- 寒色系より暖色系
- クリエイティブ素材より一般人ぽい投稿
- 内容全見せより内容チラ見せ
- テキストなしよりテキストあり
- どこか「不安定さ」を感じさせる
後半の3つはわかりづらいかと思いますので、いくつか事例をご紹介しますね。
まず、「内容チラ見せ」。これでafter写真を全部見せちゃうと、記事をクリックして読む必要性が減っちゃいますよね。なので、ここをあえて隠す。これで数ポイントCTRが変わります。
テキストあり。サムネにテキストを載せるだけですね。これ、思ったより効果的です。
「不安定さ」について、これとか最高の事例だなー。不安定すぎてとてもいい。「不安定さ」とはこういう感じのことを指します。
「不安定」の度合いにもよりますが、いいサムネだと二桁CTRいく場合も。
スポーツでもバスケ、自転車なんでもいいので、動いていたりバランスを欠く姿勢だったり。「安定さ」よりは「不安定さ」です。
「いい見出し」のTips
ここで言う「いい見出し」は、単純に記事内容を適切に表現し、クリックされる見出しを指します。釣りはダメだよー各プラフォのアルゴに殺されるよ。
- 数字を入れる(偶数よりは奇数)
- 漢字は多用しない
- キモとなる言葉は見出しの冒頭に入れる
- Facebookはシンプルに(15-20文字ほど)
- Twitter投稿文言は文字数あんまり関係なし(15文字も130文字もあんまり変わらん)
「表現が上手いかどうか」「ヒキのある単語を使っているかどうか」よりも、まずは可読性です。いくら上手な表現でも漢字ばかりで読みづらい! だともうダメです。
また、人間は左から右に読みます。見出しの前半と後半の単語を入れ替えただけでも、クリック率は変わります。
というか、そもそもネタが微妙だと全然ですが、まあそこは置いておいて。「落差を感じさせる見出しかどうか」みたいな定義の複雑なテクニックについてはまた別途。そのステージは分かる人は分かるし、分からない人は分からないレベルです。
まあサムネもそうですが、基本的には「どこで読み手にとっての疑問を作るか」がベースにあります。この写真どういうこと!? "理由""とは"ってなに? 続きどうなったの? といったような疑問符を、サムネ / 見出しで作ることが基本ですね。
「読まれる記事」の留意点
読了率。ページをクリックしてもらえて、かつちゃんと読んでくれる記事ってなんだろう? まず気をつけたいのは2つだけです。
- ひらがな
- 平易な構成
漢字でゴミゴミしている記事は読まれません。ひらがなを使う、多めに改行する、中見出しや引用符を活用する、途中で写真を挿入する。これだけで読了率はガンガン変わります。
500〜1,000文字だとあまり変化はありませんが、それ以上となると明らかに変化が生じます。上記を丁寧に工夫している人と、そうでない人と二桁ポイント以上と、かなり差が出ちゃいますね。
「上手に表現する」なんて要りません、「丁寧に書く」のが大事です。
どこで / どうやってデータを得るのか
クリックやインプレッションといったデータなんてどこからでも得られます。なんなら自分のTwitterアカウントでもOKです。サイト外で簡単に確認する方法はこんな感じですかね。
- Facebook広告でABテストする
- Facebookページに同時投稿する
- Twitter広告でABテストする
このあたりでインプレッション数あたりのクリック数を出してみれば、何がどうクリックされたのか分かります。
各投稿に5,000円とか1万円とか出して、何をどう変えればアクションがどう変わるのか、地道にデータを蓄積しているベンチャー企業もありますね。動画まわりなんて特にそうです。
12月や3月末は企業側の出稿数も増えてくるので、それ以外の時期に出稿してみるのがおすすめです。単価が……
あとはbitlyの短縮URLであれば、URL末尾に「+」を入れてブラウザで叩けばクリック数や流入元が分かるし、GoogleのキャンペーンURLビルダーを使えばGoogle Analyticsも流入数が把握できます。
このあたりも使ってみると面白いです。記事中にリンク挿入したある箇所のCTRがざっくり分かる、とか。
あと、Facebookのaudience insightはとても面白いツールです。
ある属性のユーザー数がざっくり分かる、というツールですね。「東京在住でスターウォーズが好きな20代女性は何人いる?」みたいなデータが出せます。
※ただし、属性のタグ付けはかなりざっくり目なので、あくまでも参考値として。
これを使えばありがちなぼんやり議論も避けられますね。
「この話題に興味ある人はいっぱいいるから!」「いま注目を集めているネタだから!」。で、実際のマーケットサイズはどれくらいなんでしょう? こういったツールを使って大まかに推察するのも一つですよね。
書けないこといっぱい
まあこの手の話って書けないこといっぱいあるよね。書いててすごくぼんやりしてしまった……データとかマーケとか興味ある編集の人は適当に飲みに行きましょう。
ちなみに、BuzzFeed Japanではこれ以上の多様なデータを見まくってゴリゴリ現場を回す職種もあります。ビデオグラファー、SNS担当者、ビジネス・アナリストなどなど。興味のある人はこちら。
あと、別途インタビューについてアンケートを募集しています。年末年始にまとめるつもりなので、興味のある人はご回答をいただければ幸いですmm
※回答後に編集の必要などありましたら、Twitterなどでお声がけください。
次回は各プラットフォームの状況について書こうかな。