静岡茶、小中校6割「愛飲」 全校提供へ 伊豆浸透が課題
(2017/12/25 07:40)-
子どもの県産茶への理解促進と飲用機会増加を促す「静岡茶愛飲促進条例」の施行から27日で1年。県が小中学校を対象に食育活動の支援や茶葉の購入補助などを進め、校内で茶を提供する学校が全体の6割に達した。一方、提供率で見ると地域差という課題が浮かび上がってきた。
14日、三島市の日大三島中で開かれたお茶講座。1年生24人に日本茶インストラクターが味や香りの多様性を教え、湯冷まし、急須、茶わんを使って温度を調節する煎茶の入れ方を解説した。
1、2、3せん目で味わいが変化することを確認した女子生徒(13)=裾野市=は「一杯のお茶をおいしく入れるためには、手間を掛ける必要があると分かった」と語った。長坂綾子教諭は「県産茶を深く知る機会になった」と話した。
こうした体験活動への県の支援は2017年度、18校に上る。入れ方講座、製茶工場見学や手もみなど、各校が特色ある取り組みを実践した。県お茶振興課の担当者は「茶に親しむ第一歩」と成果を口にした。
茶葉購入費用補助は県教委が春夏の各1回、市町教委を通じて希望する学校を募り、県立特別支援学校を含む245校に交付した。校内で茶を提供する小中学校は、条例施行前から実施してきた215校を合わせ、全体の6割。給食室で湯を沸かしてポットに入れる、廊下にウオーターサーバーを設置するなど、多彩な提供事例が報告された。
提供率が急上昇した一方で、地域差も浮かび上がった。西部、中部両地区ではおよそ3分の2の学校が提供している一方、東部地区は46・5%にとどまった。県教委健康体育課の担当者は「茶産地の少ない伊豆地域への浸透が課題」と話す。
県は19年度までに全小中学校での茶提供を目指す。健康体育課の担当者は「学校での飲用習慣が家庭に広がる形が理想的」と未来を見据える。
<メモ>静岡茶愛飲促進条例 正式名称は「小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例」。市町や学校法人など小中学校設置者に、子どもが静岡茶を飲む機会を設ける努力義務を課した。
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