テレビCMで顕在化した「名刺は誰のもの」問題

世代によって考え方に差も

名刺交換は自己紹介を兼ねたセレモニーのようなもの(写真 : sasaki106 / PIXTA)

名刺交換した名刺は誰のもの?

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「●●社の△△と申します」。ビジネスで初対面の人同士が会うと、まず名刺交換をするのが多くの日本人の日常です。会社の応接室や会食などの場で行われる、自己紹介を兼ねたセレモニーのようなものでもあります。

筆者は外国人から「あまりに丁寧すぎて奇異な感じ」と指摘を受けたことが何回かありますが、日本では名刺交換で相手を見極める人さえいます。その仕草や、立ち居振る舞い、あるいは複数の方との名刺交換における手際よさなど相手から見極められる場面ともいえます。会社がマナー研修等で丁寧な姿勢を指導するのは、だからこそなのです。

筆者も期待や不安を感じながら、これまで何千回と行ってきました。若いころには経営者と名刺交換するだけで緊張。いただいた名刺を大事に管理ファイルに保存したものです。そうして、ビジネスパーソンとしての経験を重ねると、名刺交換で集めた量がそれなりになります。ちなみに筆者が18年勤めた会社を辞めて名刺を整理すると、5000人以上になっていました。

その名刺を、当時は自分の「財産」として退職後も持ち続けたもの。次の職場、仕事で活かされることがあるからです。これまでの仕事ぶりから、次の職場でも接点が続き、新たなビジネスにつながることがあります。前職の会社からすれば、悩ましいことですが、これまでは大目にみられてきたことが多かったと思います。辞めた本人の努力でもあると会社も考えていたからです。

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  • NO NAMEb9774511b776
    若い社員が、名刺入れを路上で落とした。

    運良く親切な方に拾って頂き、社の管理部門に連絡してくださった。

    中身は、その若手の名刺だけでなく、交換した取引先の名刺もたくさん入っていた。

    が、若手は悪びれることもなく、ただ私有物を紛失拾得だと思っているようで、「連絡ありがとう」だけ。

    社員は会社を名乗って活動しているとはいえ、イマドキ、マンション売り込みとかの名簿業者対策で、個人情報に準じる漏洩対策を行っているにも関わらず、これでは自分どころか取引先の情報を漏らしてしまっている。そんな社員のいる会社、と評判が下がる恐れもある。

    ビジネスの利益云々でなく、モラルとして名刺は「会社のもの」だと思う。
    up14
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    2017/12/25 08:46
  • NO NAME53c79fd96c36
    スキャンして即シュレッダーが一番安全な気がするけどなんか罪悪感を感じる。
    up5
    down0
    2017/12/25 10:02
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