26歳「発達障害」の彼がやっと見つけた天職

引きこもり、入院、いじめられた過去も

発達障害だからこその生き方がある(宮長義弘さん(仮名)撮影)
独特なこだわりを持っていたりコミュニケーションに問題があったりするASD(自閉症スペクトラム障害/アスペルガー症候群)、多動で落ち着きのないADHD(注意欠陥・多動性障害)、知的な遅れがないのに読み書きや計算が困難なLD(学習障害)、これらを発達障害と呼ぶ。
今までは単なる「ちょっと変わった人」と思われてきた発達障害だが、前頭葉からの指令がうまくいかない、脳の特性であることが少しずつ認知され始めた。子どもの頃に親が気づいて病院を受診させるケースもあるが、最近では大人になって発達障害であることに気づく人も多い。
そんな発達障害により生きづらさを抱えている人のリアルに迫る本連載。第3回は愛知県在住でASDの宮長義弘さん(26歳・仮名・会社員)にSkypeで取材した。

不登校中に出会ったプログラミングに夢中に

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現在はIT企業でSE(システムエンジニア)として働いている宮長さんだが、小学4年生の頃、突然授業がつまらなくなり不登校に。専門学校に入るまで長らく引きこもりだったという。

「かけ算九九もクラスで覚えるのが遅いほうで、授業を受けるのが我慢できなくなり、教室から飛び出したこともありました。それで、問題児として扱われ、現在の特別支援学級に入れられたんです。住んでいたのがたまたま国だか県だかが指定した教育モデル地域になっていたこともあって検査を勧められ、町の心療内科に通ったところ、ASDと診断されました」(宮長さん)

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  • NO NAME348219b2d506
    障害かどうかの医学的定義は、「自分はおかしいんじゃないか?」式の観念的なもんじゃなくて、単純にそのせいで実際の社会生活が困難になってるかどうかだけ。
    自分の個性のクセの強さを気にするの自体はともかく、障害者が苦しむのは圧倒的に仕事がなかったり、あっても待遇悪かったりみたいな社会環境のほう。
    能力低いなら仕方ない、役立たずに食わせる飯はないみたいな福祉ガン無視の考え方も最近強いしね。
    まぁ健常者でも生きづらい世の中だし。
    up24
    down0
    2017/12/25 08:40
  • NO NAMEc74e676dee25
    「発達障害でないと言えるかも」という表現はおかしい。発達障害に治るという概念はありません。生まれつき右足の無い人が「私は右足が有ると言えるかも」と言っているのと同じです。障害があっても働けている、社会に貢献できていると言うべきです。
    up21
    down5
    2017/12/25 07:26
  • NO NAME98385acf29a5
    発達障害の症状は、健常者の普通と言われる状態から、スペクトラム(連続体)状に分布しており、健常者との境目は、社会生活を送るにあたって困るほどの支障があるか否か。よって、転職を見つけ、生活にも人並みの余裕ができた際には、発達障害者ではなくなったと表現しても何ら問題がない。

    例えばビルゲイツもAS的特徴を持つが、そのせいで困ってはいないので、発達障害者とは言われない。
    up14
    down3
    2017/12/25 08:41
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