JR6社、車両故障やミスが最も多いのはどこか
新幹線台車に亀裂、鉄道の安全に"黄信号"
年末年始の帰省やレジャーで鉄道を使う機会が増えるが、その安全性に今、黄信号が灯っている。
12月11日、博多発東京行きの東海道・山陽新幹線「のぞみ34号」が走行中に異常音や異臭の不具合が生じ、名古屋で運転が打ち切られた。その後の調査で台車に14センチメートルの亀裂が生じていたことが判明。あと3センチの亀裂で破断のおそれがあった。国土交通省は、「鉄道事故が発生するおそれがある事態」と重く見て、このトラブルを「重大インシデント」と認定した。鉄道の重大インシデントは過去10年で31件起きているが、新幹線では初の事態だ。
現場は「列車を止めて調査すべき」と提案
台車に亀裂が生じた原因については現在、国の運輸安全委員会により調査が行われているが、当該車両を保有するJR西日本(西日本旅客鉄道)によれば、走行中の異臭と異音を調べるために岡山から乗り込んだJR西日本の保守担当者が「次の駅で列車を止めて調査すべき」と懸念を示したものの、最終的には新幹線総合指令所に詰めていたJR西日本の指令員が、「走行に問題なし」と判断し、その後も3時間以上走り続けた。
在来線でもトラブルが相次いでいる。12月16日、JR京浜東北線で架線が切れ、6時間以上にわたり運転を見合わせた。92本が運休し、約22万人に影響が出た。架線切れの原因は単なる作業ミス。同日未明に行われた架線工事の際、本来接触すべきでない金具と架線が近づきすぎてしまい、列車の振動で金具と架線が接触したことがトラブルを招いた。手順どおり工事を行っていれば起きることのなかったトラブルだ。