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二刀流で効率アップ? 今買える左手デバイス一覧まとめ

 PCでの作業中、空いている左手を有効活用して作業を効率化したい! と考えた経験は、きっと多くの人があることだろう。実際にマウスなどを複数台つなぎ、“二刀流”の実験をしてみた経験のある人も、少なくないのではないだろうか。

 筆者の経験上、マウス操作やスクロールなど最小限の操作が左手でできれば、右手でペンを持って文字を書きながらPCを操作したり、箸を持って食事をしながらブラウジングしたりと、なにかと役立つことは多い。肩こりや寝違えた場合に、利き手である右手を休ませつつ、左手で操作を代行できるのもメリットで、年に数回は「左手で操作できるようにしておいてよかった」と思う機会がある。

 またもっと積極的な用途として、漫画家やイラストレーター諸氏の間では、右手で絵を描くにあたって作業効率をアップさせるために、左手用デバイスを導入してショートカットを割り当てるケースもよく耳にする。メーカーが想定していなかった使い方が、プロ・アマ問わず利用者の間で広まって定着しているケースも少なくない。

 もっとも最近は、ロジクールやBerkinのように、左手用デバイスのラインナップを縮小しているメーカーもある。また、技適取得が必要なBluetooth対応の新製品が出たことをきっかけに、日本での販売を行なわなくなるメーカーもあるなど、特定の集団での注目度は高い反面、製品の選択肢は現状維持というよりも、むしろ縮小傾向にある。

 今回は、現時点で購入が可能な、左手での利用に適するデバイスを一覧として整理してみたので、カテゴリごとに紹介していく。よく知られた製品から新製品までさまざまだが、導入の参考としていただければ幸いだ。カテゴリごとに、現在の市場動向も簡単にまとめているので参考にしてほしい。

マウス

 マウスについては、左右対称型であればたいていは左手での利用にも対応するため、ここでは少なくとも拡張ボタンの配置が左手に適していることを条件に、国内で正式に販売されているモデルからセレクトしている。なお無線タイプについては技適未取得だと国内では利用できないので、通販サイトなどで並行輸入品を探すさいは気をつけたいところだ。

Razer Lancehead Tournament Edition

製品情報 :Razer Lancehead Tournament Edition
メーカー : Razer
実売価格 : 8,978円(Amazon)

 かつては「Naga」の一部モデルなど、右手用モデルの鏡写しとなる左手専用マウスを複数ラインナップしていたRazerだが、近年は左手専用モデルは影を潜め、左右どちらの手でも利用可能な左右対称デザインを左手用と称するケースが増えつつある。このモデルは「DeathAdder」シリーズの後継となる製品で、側面の2ボタンは左手の親指で操作する形になる。スイッチはオムロン製を採用、ゲーミングマウスらしい16,000dpiという解像度の高さが特徴だ。

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G300 Optical Gaming Mouse

製品情報 :G300 Optical Gaming Mouse
https://www.amazon.co.jp/dp/
メーカー : ロジクール
実売価格 : 2,426円(Amazon)

 国内での販路がそれほど広くないRazer製品に比べ、ロジクールの製品は入手性が高く、また価格もリーズナブルだ。このG300sは左右対称デザインを採用したゲーミングマウスで、左手人差し指でクリックする位置に拡張ボタンが配置されている。プロファイルはオンボードメモリに保存できるので、ほかのPCに接続しても同じコマンドが利用できる。対応はWindowsのみで、公式にはWindows 10対応でないのがややネック。

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Sensei 310

製品情報 :Sensei 310
メーカー : SteelSeries
実売価格 : 7,948円(Amazon)

 ゲーマー向けに多数のマウスをラインナップしているSteelSeriesのなかで、左右どちらの手でも使えることを売りにした新製品がこの「Sensei 310」。8ボタンの有線マウスで、設定はオンボードに保存できるので、ほかのPCに接続しても同じコマンドが利用できる。オムロン製のメカニカルスイッチを採用するほか、シリコン製サイドグリップ、耐指紋仕上げなど品質の高さも特徴。センサーは光学式で、解像度は最大12,000dpi。

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FK2

製品情報 :FK2
メーカー : ベンキュージャパン
実売価格 : 8,980円(Amazon)

 BenQがZOWIEブランドで販売するゲーミングマウスで、本体両側面に拡張ボタンを搭載しており、左右どちらの手でも同じ操作性で使えることをアピールしている。ここで紹介している「FK2」はもっとも小さいMサイズのモデルで、このほかLサイズの「FK1」、エクストララージサイズの「FK1+」もラインナップしており、手のサイズや持ち方に合わせて選べるのが特徴。ユーザーの間では、前述のSteelSeriesの製品と比べて選ぶ人も多いようだ。

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トラックボール

 トラックボールというジャンルは、右手用の製品を含めても新製品のリリースは活発とは言えず、製品の入れ替わりも数年スパンであることが多いため、左手用ともなると顔ぶれはどうしても同じになりがちだ。今回紹介するなかでは、エレコムの製品が2015年発売と比較的新しいものの、それ以外は数年前からラインナップが変化していない。

M-XT4DRBK

製品情報 :M-XT4DRBK
メーカー : エレコム
実売価格 : 3,420円(Amazon)
左手専用のデザインという、いまどきレアな仕様が発売時に大きく話題になったトラックボール。ボールは親指で操作するタイプで、人差し指で操作可能な拡張ボタンを2つ、薬指で操作可能なボタンを1つ搭載する。スイッチはオムロン製で、チルトホイールにも対応している。無線は2.4GHz帯の独自方式。完全に鏡写しの外観を持つ右手専用モデル「M-XT3DRBK」もラインナップしている。

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ExpertMouse ワイヤレストラックボール

製品情報 :ExpertMouse ワイヤレストラックボール
メーカー : Kensington
実売価格 : 9,482円(Amazon)

 日本国内で古くからトラックボールを積極的に展開しているケンジントンのワイヤレス対応モデルで、左右対称のデザインが特徴。ボールの径は55mm。上下左右の4ボタンのほか、ボール周囲にあるスクロールリングがホイールの役割をはたす。Bluetooth接続のほか付属のUSBレシーバでの接続にも対応。ほぼ同等の機能を備えた有線モデル「Expert Mouse Optical Trackball」もラインナップしている。

SlimBlade Trackball

製品情報 :SlimBlade Trackball
メーカー : Kensington
実売価格 : 9,480円(Amazon)

 こちらも同じくケンジントンの製品で、同社のほかのトラックボールが光学式であるのに対して本製品はレーザーセンサーを採用している。ボールの径は55mm、上下左右の4ボタンという構成はExpertMouseと同様だが、こちらはスクロールリングは搭載せず、ボールをひねるように回転させることでスクロールを行なう仕組み。

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Orbit Scroll Ring Trackball

製品情報 :Orbit Scroll Ring Trackball
メーカー : Kensington
実売価格 : 3,566円(Amazon)

 こちらも同じくケンジントンの製品だが、ボールの径は40mmと先の2製品に比べて若干小さいほか、ボタンは左右の2つのみ、またホイールの役割をはたすスクロールリングは搭載するもののホイールクリックに相当するキーがないなど、カスタマイズの自由度はそれほど高くない。価格的にも入門機という位置づけになるだろう。本体サイズは小ぶりながら、特大のリストレストが付属するのも特徴的。

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RACKMAN MARBLE(TM-150r)

製品情報 :RACKMAN MARBLE(TM-150r)
メーカー : ロジクール
実売価格 : 2,735円(Amazon)

 同社のトラックボールは右手専用の形状が多いなか、本製品は左右対称形を採用することで、左手での利用にも対応する。ボールの径は40mmで、人差し指と中指での操作に適した配置。ボタンは「戻る」、「進む」ボタンを含めて4つと少なく、ホイールも備えないなど、機能はそれほど多くない。ユーザーの間では、ホイール操作をエミュレートするフリーソフトを組み合わせて利用している例が多いようだ。

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テンキーボード

 分類上「テンキーボード」としているが、左手で扱うテンキーパッドの多くは実質ゲーミングキーボードであり、テンキーの域を超えた複合デバイスがほとんどだ。もっともロジクールのように、かつては左手専用モデルを積極的に扱っていたものの、現在ではほぼラインナップから消失し、流通在庫や中古品が高値で取引されているケースもある(ゲーミングキーボード「G13r」が今まさにその状態にある)。それゆえこの分野では、継続して新製品を投入しているRazerの独擅場になりつつあるのが現状だ。

Razer Tartarus V2

製品情報 :Razer Tartarus V2
メーカー : Razer
実売価格 : 11,880円(Amazon)

 Razerの左手用ゲーミングパッドは大量のバリエーションがあり、写真で見るとどれもそっくりに見えるため素人泣かせだが、日本国内で正式に販売されているモデルはそう多くはない。新製品である「Tartarus V2」は、メカニカルキーとメンブレンキーの特徴を併せ持った「メカ・メンブレン」という特殊なキーを採用したモデルで、ホイールも搭載、8方向の親指パッドを含めた32個のキーはすべてカスタマイズ可能という「全部入り」といっていい仕様が特徴。

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Razer Orbweaver Chroma

製品情報 :Razer Orbweaver Chroma
メーカー : Razer
実売価格 : 15,413円(Amazon)

 前述の「Tartarus V2」と同じくRazerの左手用ゲーミングパッドで、 8方向の親指パッドを備えているのも共通だが、こちらはホイールを搭載しないことに注意。キーはメカニカルキーで、ゲーム以外にグラフィック用途で使用しているユーザーも多いようだ。以前は「Tartarus」に比べて前方のキーが一列多いという利点があったが、「Tartarus V2」では同じ列数となったため、今後は価格面も含めて迷うユーザーも増えそうだ。

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NT-19UH2BK

製品情報 :NT-19UH2BK
メーカー : サンワサプライ
実売価格 : 1,863円(Amazon)

 前述の2製品とは異なり、見るからにテンキーという外観を持つ一品。厳密には左手用デバイスではなく、Enterキーも右手利用を前提とした配置だが、すべてのキーを割り付け可能なプログラマブルテンキーながら2,000円以下と安価なことから、左手での作業効率アップを目的とするユーザーに人気の製品。キー割り当ては本体内に記憶可能、またキーカバーを外して手書きのシールなどを貼り付けられるのも、カスタマイズ好きなユーザー向けだ。2ポートUSB Hubも搭載。

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その他

 最後に紹介するのは、マウスやトラックボール、キーボードといった枠に収まらない特殊なデバイスだ。クリエイター向けに設計されたものから、本来は別用途の製品ながらユーザーによって左手デバイスとして使われているケースまで幅広く紹介する。使い方によってはサポート対象外の場合もあるので、あくまでも自己責任ということでお願いしたい。

Surface Dial

製品情報 :Surface Dial
メーカー : 日本マイクロソフト
実売価格 : 11,664円(Amazon)

 アルミニウム製のボディが特徴的な、Bluetooth接続のホイール型デバイス。Bluetooth版の登場をきっかけに日本では姿を見かけなくなったGriffin Technologyの「PowerMate」によく似た外観を持つ。基本的には同社のSurface Studioなどと組み合わせての利用が前提で、画面上に直接置くことで周囲にメニューを表示するダイヤルオンスクリーン機能がよく知られるが、Office 365のほかPhotoshop、CLIP STUDIO PAINTなどさまざまなソフトにも対応している。Spotifyなどでの音量調整にも対応。

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Magic Trackpad 2(MJ2R2J/A)

製品情報 :Magic Trackpad 2(MJ2R2J/A)
メーカー : Apple
実売価格 : 12,566円(Amazon)

 「Magic Trackpad」の新モデルで、Macのデスクトップモデルで感圧式のタッチ操作を行なえるようにするBluetoothデバイス。単3形電池での駆動だった初代モデルとは異なり、バッテリ内蔵で充電に対応する。サイズは16×11.49cmと、初代モデルに比べて大型化していることもあり、マウスをリプレースする以外に、キーボードの左側に置いて使用している人も少なくないようだ。対応はMacのみ。

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ShuttlePRO v

製品情報 :ShuttlePRO v
メーカー : ContourDesign
実売価格 : 12,312円(Amazon)

 米ContourDesign(コントアデザイン)による、ジョグホイールとシャトルホイール、およびプログラミング可能な15個のボタンを搭載した、マルチメディアコントローラとでも呼べるデバイス。作りはテンキーに近いがゲーミング要素はなく、動画編集などクリエイティブ用途に特化した設計。発売からすでに15年近くが経過したロングセラーモデルだが、いまなお愛用者が多く、海外のユーザーフォーラムでは情報交換が依然活発に行なわれている。

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Joy-Con (L)

製品情報 :Joy-Con (L)
メーカー : 任天堂
実売価格 : 4,838円(Amazon)

 ご存知「Nintendo Switch」のBluetooth接続のコントローラ。もともとは左右ペアで利用するが、それぞれ単品でも販売されている。PCと接続することでイラスト作成時の補助ツールとして利用できることがネットで紹介されたのをきっかけに、ワイヤレスで使える貴重な左手用デバイスとして注目を集めている。利用にあたっては「JoyToKey」など、ジョイスティックの動作にキー割り当てを行なえるソフトウェアを自前で入手し、組み合わせる必要がある。

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CLIP STUDIO TABMATE

製品情報 :CLIP STUDIO TABMATE
メーカー : セルシス
実売価格 : 未定

 「CLIP STUDIO PAINT」シリーズと組み合わせ、コマンドやショートカットの割り当てを可能にするBluetooth接続のデバイス。従来の「Tab-Mate Controller」の後継にあたる製品でユーザーの注目度は高いが、2017年夏と予告されていた発売が延期となり、未発売のまま現在にいたっている。12月29~31日にかけて開催される「コミックマーケット93」の企業ブースにおいて、本製品を試せるコーナーが用意されることが告知されている