米電気自動車(EV)大手テスラがオーストラリアの南オーストラリア州に建設した、世界最大のリチウムイオン蓄電システムが12月1日、同国の送配電網に電力の供給を始めた。
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は今年7月、「(オーストラリアが抱える電力問題を解決する手段として建設開始から)100日以内に蓄電設備を完成させる」という大胆な約束を掲げたが、その約束を果たしたことになる。マスク氏は、約束通り期限内に完成しなければ、今回の建設費を全て負担すると表明していた。
テスラの蓄電システム「パワーパック」は、南オーストラリア州にある複数の風力発電所と接続されており、3万戸に1時間分の電力を供給できる能力を持つ。その電力供給能力は、既に設置されている最大規模の蓄電設備の3倍に及ぶという。
世界の電力システムを刷新する可能性も
オーストラリアでは昨年9月に激しい嵐に見舞われ発生した大規模な停電を受けて、再生可能エネルギーに対する信頼性を巡り全国的な議論が巻き起こった。そのため南オーストラリア州では配送電網の強化を図っており、今回のテスラの蓄電設備もその一環として、同州政府の補助金で建設が進められてきた。
「世界最大のリチウムイオン蓄電システムを記録的な速さで完成させられたということは、現在のエネルギー問題に対し、持続可能でかつ信頼できる解決策を提供することが可能だということを示している」
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