「周回遅れ放送局」NHKへの警戒警報は29日まで続く
Ⅰ:朝日新聞「プロメテウスの罠 第9回 我が子の鼻血 なぜ」の主人公「主婦 有馬理恵」は、主婦ではなく「従軍慰安婦ミュージカル」主演の「俳優座の社会派女優&市民活動家」です。完全に「フェイクニュース」です(リンク先エントリーの②を読んでください)。
Ⅱ:岡山大学の津田敏秀氏のいわゆる「津田論文」は、原発事故後の子どもの甲状腺がんの発見について、実は(著者の意に反して)福島県内で地域差が無いことを証明しています(リンク先エントリーの⑤を読んでください)。
さて、いよいよ12月、今年もオワリだにゃ。
①悪い予感が当たってNHKのトンデモ「BSスペシャル」放送
前々回の「悪い予感」が当たって、NHKが「崎山基金」を「ベビーフェイス(プロレスの正義役レスラーね)」に仕立て上げた「BSスペシャル原発事故7年目 甲状腺検査はいま」」を放送したのは、11月26日の事だった。
中身はOSATOさんのblog「杜の里から」の5回にわたる大変な労作に、完全に記録されている。
ありがとうございます。今後この番組について何かを語るためには、この記録は必読です。
BS1は福島の甲状腺検査をどう報じたか ~前編~
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/209a8016a9472613c3e5efd4168faa67
BS1は福島の甲状腺検査をどう報じたか ~BSニュース~
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/4d1e81345288cbe52528d1e06d9903c8
BS1は福島の甲状腺検査をどう報じたか ~後編~(その1)
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/397773ca07959823a733894f8f42aaed
BS1は福島の甲状腺検査をどう報じたか ~後編~(その2)
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/13888c69c96c173883543e50ed8e2412
BS1は福島の甲状腺検査をどう報じたか ~感想~
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/e9b1d635895695315d98b0e30c214a02
これだけの長い番組であっても、伝わるのは「印象」ばかり、というのはTVのコワいところだが、「~感想~」で述べられている通り、結局「不安」ばかりが強調された番組という印象だった。ただし、後半での祖父江先生らの見解「過剰診断」のあたりも、それなりに伝わってはきた。以下OSATOさんの記録を踏まえて、オマケ+αをいくつか。
1:強調されたのは「不安」という、漠然とした心理的現象であり、そもそも福島であろうとなかろうと、甲状腺であろうとなかろうと、がんの手術をしたら、最大の不安は「再発しないだろうか」である。番組はこの当ったり前の事を、n数が非常に少ないアンケートで言っただけである。ところが、世の中一般には、「やっぱり放射能で福島に甲状腺がんが発生しているんだ」という「印象」になった可能性がある。
2:「印象」はひどいものだが、「明らかにファクトに反する」ことは見当たらなかった。これは実は「福島関連デマ撲滅ファクトチェックサイト」が設立された効果かもしれない。何となく複雑な番組になった・・・例えば「崎山基金」が「ベビーフェイス」扱いなのに、崎山氏自身のトンデモ説(例えば放射線被ばくはどんな少量でも害がある)は全く紹介されなかった・・・ことも、その効果なのかもしれない。少し前に同じNHKで放送された「クロ現」は、
原発事故によって甲状腺がんが発生しているかのような印象操作
http://fukushima.factcheck.site/health-medical/917
によって、「これは事実を誤解させ、不安や偏見の原因をつくる印象操作報道です。」と指摘されている。このクロ現よりも印象操作は、漠然としたものになったようだ。「巧妙になった」のかもしれない。
3:「津田論文」も、「多発」も使わなかった。これは「報捨て」よりずっと良い。
4:NHKが「崎山基金」と共同でアンケートを実施したことは大問題だ。これは「不偏不党」をうたう受信料運営の「公共放送」に許されるのか、という疑問が起こる。これが「なぜNHKはこれほどまでに基金の肩を持ってきたのか?・・・ニュース性が無いのに度々ニュースで取り上げ、電話番号まで放送しているのはなぜ?」の答えである。これからもこのダークな関係は続くとみられる。これは対マスゴミの「患者管理」になるのではないか、というのは前回エントリーのコメ欄に書かれたIKAさんの言である。
https://twitter.com/ika_river_c/status/934959937314107397
こうして考えると、この基金の狙い(その一部)は分かってくる。
「患者の囲いこみ」→「情報源の一元化」なんだよ。
マスコミをコントロールしよう、って事なんだよね。
5:番組の「締め」が崎山比佐子氏だったのは、「最悪」の印象だった。「理屈抜き」に「甲状腺がんになった人に寄り添って援助金」と言ったって、名称は「311甲状腺がん基金」であり、援助金は福島と周辺地域限定であり、すなわち「理屈抜き」ではない。そもそも崎山氏は不安の元凶の一人ではないか?いくら番組が氏を「専門家」として扱わなくても、たっぷり「権威付け」しており、結局は「NHKで大々的に取り上げられた、正義の医学博士」として、丸儲けさせている。
6:OSATOさんが書いているように、ある意味(地味なBS)番組そのもの以上に「最悪」だったのは、「ニュース」という名の実は「番宣」による、センセーショナルな「不安印象」の全国へのバラ撒きだった。全国放送で視聴率が高いGTVの7時のニュースも同じモノで、崎山氏が中心になっていた。
NHKはどうしたい 福島の甲状腺がん問題 着地をしっかりお願いします 中村ゆきつぐのブログ 11月27日
http://blog.livedoor.jp/dannapapa/archives/4862969.html
>最終的な結論は出されておらず、患者からは検討委員会の見解に戸惑う声や真相の解明を求める声が出ています。
そう100%の証明は難しいですが、9月に流された日本学術会議の報告書にて、「福島で次世代に放射線被曝の影響は考えられない」ことが宣言されています。SYNODOSの記事です。 その中から
>したがって、現在の福島の子どもの心身の健康を損ない得るのは、放射線被曝よりむしろ過剰な不安を煽るような報道や偏見であるともいえる。
という文がありますが、まさに落ち着かせようとしている人を、思いやりといういらんおせっかいでまた不安な状況におとし入れるのは、識者の自己満足でHPVワクチン被害と同じ流れです。
7:「過剰診断」の可能性を、恐らく全国放送では初めて放送した。今後は反原発等による「検査を続けろ(そうじゃないと福島の不安を煽って原発=悪とする作戦が頓挫する。その他不安によって喰っていく道が絶たれる)」という声がデカくなっていくだろう。この番組の「両論」は、これまで腐るほどやられた「今の福島の甲状腺がんの原因は被ばくか否か?」ではなく、実は、「過剰診断か否か?」になっていたようだ。「実は」「ようだ」というのは、何か今一つ表にしっかりと出てこない感があったためで、これは「不安」ばかりが強調された印象ためかも。
番組云々ではなく、検査について、
a検査そのものが不安を呼ぶ。
b検査をやめても、他県での医療サービスと同じ水準になるだけだ。つまり、例え万万が一、発症が多かったのだとしても、他県の場合と同じ医療で対処(つまり何等かの症状があってから対応)すれば、他県と同じで問題ないのでは。
c他県での精密スクリーニングをやらない限り、これ以上の発生原因を絞ることはできない。他県でのスクリーニングが「人権問題」でできないのだから、もう福島でもやめるべき。
というのは十分成り立つのではないか?だが、現実にどうやって、どのようにやめるのか?これまでの予測の類が「まちがい」だったのでやめます、なのか?しかし、2011年の検査開始前、世の中のほとんど全員が検査に大賛成していた。責任は誰がどうとればよいのか?簡単ではない。まずは、「甲状腺がん」の性質の完全な把握&理解が広がることが必要だが・・・
https://twitter.com/satoshin_23/status/934777014040457217
さとしん @satoshin_23
「意味のない検査」「意味のない手術」と言われてしまうのは、甲状腺がんが見つかってしまった子ども、そしてその家族にとっては酷な内容だ。確かにその通りだけれど、では、今後どうすれば良いのか。今はそれを考えるフェーズになっているのだと思う。
そしてやめた後でも、1「市民団体」等による検査→2手術→3基金→4→不安煽り→(1に戻る)、という負のサイクルは続く。
県内初の無料診察会 松本で原発事故避難者向け
https://www.47news.jp/626485.html
市民団体「避難者の健康を守る会」が、ふくしま共同・・・
②12月14日(木) 午後10:00~午後10:45 ETV「福島を見ているTV」vol.71「徹底討論!“福島を伝えること”」
https://hh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20171214-31-22602
討論に参加してくれたのは、大手新聞社勤務時代から福島を取材し続けている新興ネットメディア記者の石戸諭さん。東電福島第一原発で作業員として働いた実態を漫画「いちえふ」に著した竜田一人さん。子どもたちに合唱団活動を通じて福島を語り継いでいる佐藤敬子さん。地元ラジオ局のパーソナリティも勤める元ミス・ピーチの上石美咲さん。福島の農業や風評被害のこと、放射線のこと、メディアの伝え方等、議論は多岐に渡った。
文字起こしが、http://o.x0.com/m/641323 にあった。ただし何日かで消えてしまった。
そこから「BSスペシャル」についてと思われる部分の抜粋。
でもやっぱりこの風評風化という言葉が、使い方さまざまだとは思うけど、メディアの果たすべき役割だったり、メディアがその足を引っ張っているという事だったり、ってあるんじゃないかなと思って。
やっぱりアンケートで「こんなに不安に思っている人がいる」。
別にでもそれは、不安は不安ですよね、それは当然な話で。
でもそこだけ取り上げて一応反証は出したものの、でもやっぱりまだ何が起こるか分かんないみたいな、そういうまだよく分かってないみたいなところで番組を収めちゃうという。そこはやっぱりちょっと作り方として、結局何か怖いんだというイメージがやっぱり残ったまんまで終わっちゃうので。
いろんな番組僕も感じますけど、「まだ分からない」とか「難しい問題である」とかそれで終わっちゃ番組じゃないだろって。
結局何も言ってないんですよね、それは。
BSのダメなところをETVが突っついて、NHKにも単純な「反原発・市民=正義」に対して「内部批判」があるということが見えて、とにかくこれで今年もオワリかと思ったが・・・
③しかしこのBSスペシャルって29日放送予定の番組に比べりゃまだマシだったかも
母たちの祈り~フクシマとチェルノブイリ~2017年12月29日(金) 午後9時00分(50分) NHK BS1
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/93115/3115270/index.html
福島に暮らす3組の親子がベラルーシを訪れた。事故から6年、当時の自分の判断を今も後悔したり、周囲から孤立して心を閉ざしたりしていた福島の母たち・・・この旅を提案したフォトジャーナリスト 広河隆一さん
OMG
(12/24追記)
この差別語「フクシマ」をタイトルにして、デマ屋の広河氏とツルむという、29日のトンデモ番組だが、どんなデマがバラ撒かれるのか・・・
恐らく、被ばく量の違い(福島での被ばく量は、チェルノブイリと比較して2桁低い)を無視して、「福島ではチェルノブイリと同じく被ばくした。チェルノブイリのような対策が行われていない点で、チェルノブイリより酷い、危険だ」という、インチキな「印象操作」が行われるのだろう。
OSATOさんのブログ「~感想~」でも、「チェルノブイリとの比較」について出ていたが、「被ばく量という数字=事実」を無視することが、この手の「印象操作」の常とう手段である。「ファクトを出さない」で「ファクトチェック」を逃れて、誤った「印象」を拡散しようというわけだ。