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管理者:mogmog
天使の願い - G
2017/12/23 (Sat) 18:21:35
貴族の中でも突出した美貌と国中の男達を悩殺するボディを持ち、それでいて優れた頭脳を持つキャロル・アモンドは鏡に映った自分の体を隅々まで見渡していた。明日は国中の貴族が集まるパーティが開かれるからだ。
キャロルはパーティなど興味はないのだが、由緒正しいアモンド家に恥をかかせる訳にはいかないので嫌々ながらも明日に着ていくドレスが似合っているのかを確認しているのである。

「完璧。確認しなくても良かったわ」

そう言い捨て、着ているドレスを脱ぐと、ベッドの上に置いてあるパジャマに着替える。ベッドの中に入ろうとすると、扉を叩くノック音と同時にメイドの少女マリィが部屋に入って来たのでキャロルは要件を尋ねた。

「キャロル様に手紙が届いていたのでお届けに参りました」

「そう。ありがとうねマリィ」

「はい。では失礼します」

マリィが部屋から出て行くのを見届けると、自分宛に届いた手紙に書いてある差出人の名前を見てみると平民の男性であった為、中身を見ずにゴミ箱に捨てる。
キャロルは優秀ではあるのだが、自分よりも身分が低い者に対し、顔には出さないものの内心、見下していたのだ。それを知っているのは先月に病気で亡くなった母親のシャーリーしか知らない。
シャーリーは生前、キャロルに自分よりも身分が低い者に対する態度を改めるように言っていたのだが、彼女は決して態度を改める様な事はしなかった。
そして、先月にシャーリーが亡くなる時にも娘に対して同じ言葉を何度も呟いていたが、それがキャロルに届く事はなかった。それどころか母親が死んだのにキャロルは悲しむどころか、口煩い者が居なくなって清々したとほくそ笑んでいたのだ。

「さてと...そろそろ寝ようかしら」

キャロルは明日のパーティに備えてベッドに入ると、目を閉じた。
Re: 天使の願い - G
2017/12/23 (Sat) 18:25:46
ベッドで眠っていたはずのキャロルであったが、いつの間にか真っ白な空間に横たわっていた。下も上も白く染まっており、長く居るだけで気が狂いそうになりそうだ。

「どこなのよここは...夢なの?」

「半分は正解かな」

中性的な声が背後から聞こえ、振り返ると黒と白の翼を片方ずつ背に生やした穏やかな雰囲気の者が立っていた。
キャロルは目の前に居る男を見て、夢を見てるのだと確信した。

「あなたは誰?」

「そうだね...レフィと呼んでもらおうかな?」

「そう。なら貴方は何者なの?」

キャロルは尋ねる。

「僕は天使さ。願いを叶える為に君をこの空間に呼んだんだ」

天使と名乗るレフィの言葉を聞き、キャロルはある神話を思い出していた。
白と黒の翼を生やした天使が不思議な空間に人間を招待する時があると言う。そして、天使は招待した人間の願いを1つだけ叶えるのだ。
もしこれが夢でなく、本当の事だとしたら自分の願いが叶うと考えたキャロルは自分の願いを頭を振り絞り考える。その様子を見たレフィはニッコリと微笑んだ。

「勘違いさせてしまいましたね」

「えっ?」

「僕は願いを叶える為に貴女をここに呼びましたが...貴女の願いを叶える気はありませんので」

突然の告白を受けてキャロルは驚く。自分の願いを叶えないのだとしたら何故、ここに呼ばれたのか?

「僕は君のお母さん、シャーリーの願いを叶える為に君を呼んだのさ」

思いがけない者の名前が出てきたのでキャロルの額から冷や汗が零れ落ちた。死ぬ間際にも自分に説教を散々言っていた母の願いなんてロクな物ではないと感じ、その場から逃げようとするが、体は動かなくなっていた。

「う、うごかない...!」

「やっぱりシャーリーの言った通りの子だ」

黒い翼から羽を取るとレフィはそれをキャロルに見えるように目線に近づけた。

「その羽はなに...!?」

「この羽にはシャーリーの願いが詰まっているのさ」

「ね、願い...!?願いってなに!?」

レフィは笑顔のまま語り出す。

「シャーリーは君が良い子になってくれない事が悩みだと言っていて、僕にこう願ったんだ『娘を幼児に戻して育て直して』ってね」

「私を幼児に...?嫌よ!幼児なんて!!それに私が幼児になってたら周りがなんて言うか...」

「大丈夫さ。君は最初から幼児だったって事に世界を改変しておくからさ」

「そんな...お願い!やめてくれたら私を好きにしていいから!」

自分の純潔を差し出す覚悟で涙目になりながら願うが、レフィはさっきと同じ笑顔で首を振った。悪意がない善意の笑顔を恐ろしいと感じた事はこれが初めての事だった。

黒い羽をキャロルの額に当てると、そのままスゥーっと彼女の中に入ってしまった。

「あ...や、やだ...」

高かった身長が徐々に縮みだす。風船から空気が抜けるように豊満な胸が段々と形を失い無乳へと変わってしまう。スレンダーな括れも体が変化するにつれて無くなってしまう。かつて男を悩殺したボディは幼児体型特有であるぽっちゃりとした体型に変わってしまっていた。

「変化も終わったようだね良かった」

「グスン...ヤダよ...こんなのヤダ...もどしてよ...おとなにもどして...」

凛とした声から幼く甲高い声に変わってしまっていた。キャロルは泣きながら自分よりも遥かに高くなったレフィの足を掴み縋った。レフィは目線をキャロルに合わせるとしゃがみ込むと、頭を優しく撫で始めた。

「大丈夫だよ。人間の時間は早いからね、そうだね?17年もすれば元に戻るよ」

「えっ...17ねん...?どれぐらい?」

3歳へと逆行してしまったキャロルは日付すら理解出来なくなっていた。かつて優れた頭脳を持っていた彼女がこうも落ちぶれてしまうのを言葉にするとしたら..."滑稽"それ以外には考えられない。

「そろそろ夜が明けるね...良い子になるんだよ。僕はいつも見てるからね」

「ま、まって...」

レフィに手を伸ばそうとした瞬間、キャロルの意識はそこで途切れた。
Re: 天使の願い - G
2017/12/23 (Sat) 18:26:20
目を覚ましたキャロルはベッドから飛び降りると、鏡を見つめた。映っているのはようやくハイハイを卒業したと思われるピンク色のパジャマを着た幼児であった。

「ゆめじゃ...なかったんだ...」

鏡に映っている今の自分を見ていると悲しくなってしまい。大声で泣きだしてしまう。
泣き声を聞きつけたマリィが入ってくる。

「キャロルちゃん!どうしたの!?」

「ま、まりぃぃ...あたち...てんしに...こんなすがたに...されちゃった...」

マリィはキャロルの体を隅々まで見渡し、何もおかしな事がない事に気づき、母親のように抱きしめた。

「怖い夢を見たんだね?可哀想に...でももう大丈夫だからねキャロルちゃん」

「ま、ママ...」

自分を抱きしめるマリィの胸の中で母親の温もりを思い出すかの様にキャロルは再び眠りについた。
マリィはキャロルを抱き、ベッドに入れると慈しむように頭を撫でた。