ベッド・インが生みだした新しい「TOKYO」ーー。それは、ホイチョイ・プロダクションズの映画を見たナオンたちが「私をスキーに連れてって」と言っていたバブル時代の「東京」を下敷きにしながら、しかし間違いなく2017年の「東京」に響く音楽として成立している。
2ndアルバム『TOKYO』で注目すべきなのは、ベッド・インが掲げてきた「ボディコン・ロック」を追究した2016年の1stアルバム 『RICH』よりも、ある意味でストイックだと感じるほど、ベッド・インのバブル観や東京観が整理されていることだ。「TOKYO」で聴くことができるのは、ボディコン・ロックの進化形とも言える新たなベッド・インのサウンドだ。
今回もミュージシャンとして真摯にインタビューに応じてくれたベッド・イン。しかし、一瞬でも気を抜くと下ネタを挿入し、たわわな胸を揺らし、さらにあえぐ。「どこかでボタンを押しているのでは?」と思うほど、あえぎ声のタイミングがふたりで合っているのだ。しかも「あえぎ声がハモっている」という高度な技を見せるのは、J-POPシーンの中でもベッド・インだけだろう。そもそも、インタビュー中にあえぐのはベッド・インだけかもしれないが。
ベッド・インと通算3回戦目となるインタビュー。今回も精気をガンガンに吸いとられるほど、ベッド・インは熱意に満ちていた。(宗像明将)
新鮮に思ってもらえるようなものを作っていかなきゃ(中尊寺まい)
ーー今回も音楽の話だけをうかがおうと思いまして。
益子寺かおり・中尊寺まい:あぁ〜ん♡
ーーあえぐのが早いですよ! 『TOKYO』を聴いて、ベッド・インのバブル観や東京観がすごく洗練された形で凝縮されているなと感じたんです。
益子寺かおり・中尊寺まい:マンモスうれピ〜!
中尊寺まい(以下、ちゃんまい):恐らく、やまだかつてないシティ感とアーバンさの“タマモノ”なんですよ!
益子寺かおり(以下、かおり):前回の『RICH』はアルバム処女作ということもあって、ヴァージンらしさがマン載だったというか……客観的にナニも見えていないまま全力疾走して作ったので、結果全曲圧が強い、攻めた曲ばかりを詰めこんだ1枚になったんです。ロンモチでそれはそれで、ウチらの名刺代わりになるようなアルバムになったんですけど、それを経ての今回の二作目は、BGMとしてもアルバム1枚を通してABCDE気持ちで聴いてもらえるように、攻める曲もあればミドルテンポの曲を増やしてみたり、バランスを考えて作りました。前作はタテノリのダンスビートが多かったんですけど、今回は横ノリのビートや、当時流行ったJ-POPに多用されていたような洋楽サウンドも意識したり、より曲のバリエーションの幅が広がった1枚になったと思います♡
ーー『RICH』の情報量が多かったという自覚はあったんですね。
かおり・ちゃんまい:ありました♡(胸を揺らしながら)
ーーガン見せざるをえないですね……。意識的に『RICH』から変えたのはどんなところでしょうか?
ちゃんまい:当たり前ですけどできあがるまでに、自分たちでたくさん聴くじゃないですか? ものすごく疲れたんですよ(笑)。
かおり:常に真正面からカウンターパンチを打ち続けられてる感じというか……(笑)。全曲まるっと聴くと、パンチを受け止め続けて、ひーこらひーこらばひんばひん!(笑)
ちゃんまい:いいアルバムができたとは思うんですけど、朝からステーキを食べたような胸焼け感もあって…(笑)。自分たちが掲げている“ボディコンロック”というものをどうにかして伝えたい、という想いが強すぎたのかなと思います。よく言えば衝動的だったというか。今回はいい意味でお客さんを裏切りたかったし、曲調的にも幅に広がりをもたせたかったんです。ヌく所はヌいて、抑える所は抑えて……ベッドの上と同じで情緒が必要だと気付いたんですよね。やっぱり、ベッドの上でおそまつクンじゃペケじゃないですかぁ〜? 前回は「幕の内弁当」って言ってたんですけど、今回はさらに種類も増えたし、量もボリューミーになってる感覚ですかね。
かおり:「CO・CO・RO グラデーション」(2017年9月のシングル)あたりからサウンドへの取り組み方がだんだん変わってきて。私たちが掲げてきた、ディスコサウンド+歌謡のメロディ+ロック魂を融合させた“ボディコン・ロック”は引き続き意識しつつも、より当時街中で流れていてもおかしくないようなサウンドを追求してみようと。ロンモチでそれだけじゃなく、私たちなりの新しいテイストや新鮮さも加えながら、ジャケットからサウンドまで、またひと味違う見せ方ができるんじゃないかという話をして。特に変わったのが、バックに流れるビート感や洋楽テイストのサウンドですね。
ーーたとえばどんなアーティストをイメージしましたか? Bananaramaとか?
かおり:Bananaramaもそうですし、あとはDead or Aliveとか!
ちゃんまい: たしかに、Dead or Alive感はかなり出てると思いますね! 昭和歌謡の流れがあって、そこに洋楽のテイストが混ざりあって日本人好みにうまく昇華されているのがバブル時代のひとつの特徴だと思うんです。洋楽のカバーもあったじゃないですか、荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー」とか長山洋子さんの「ヴィーナス」「TWO OF HEARTS」とか。逆に、ゴールデンヒップスが畑中葉子さんの「後から前から」をディスコ調にアレンジしたり、ポチ! はキャンディーズメドレーをダンスビートでアレンジしたり……どの作品もメロディーラインはしっかり歌謡曲で聴きやすくて覚えやすいものに、洋楽のビート感が乗って踊れるような作品になっているなと思っていて。「CO・CO・RO グラデーション」から、そういう部分を意識するようになった感じはありますね。
ーーシティ感と言うと、ほぼSuchmosですね。
ちゃんまい:ウチらもSuchmosさんとは限りなく近いと思っているんですよね、がはははは!!!!(笑)
かおり:ガーサス! わかってくださるぅぅ! 実はウチらもそう思ってたんですぅ~♡ Suchmosさんとベッド・インは一見相反すると思うんですけど、似た部分があるなって、勝手にチンパシーを感じていて……(笑)。
ちゃんまい:両極端ではありながら、一周回って同じなんじゃないかと(笑)。
かおり:おギグもおナマで観に行かせていただいたこともあるんですけど、本当に素晴らしくて……! 私はYONCEさんに久保田利伸さんを感じてますからね! 同世代で当時のような懐かしさと今を融合させたサウンドをやってるって点では、Suchmosさんとウチらは共通点があるって密かに思ってたりするんですけど、まだポケベルが鳴らなくて、淋しい熱帯魚♡
ちゃんまい:2マン○おギグしてみたいなぁ♡♡♡
かおり:今度おギグのお誘い、モーションかけてみちゃおっかな♡
ーー大変なことになりそうですね……。さて、1曲ずつお話をうかがいたいんです。
かおり:淫ぐり悶ぐりされちゃう〜!(胸を揺らしながら)
ーーガン見せざるをえないですね……。1曲目「Kiss Me Kiss Me」は、冒頭でどこかで聴いたようなジングルが鳴っているなと思ったんですけど、マイケル・ジャクソンの「Bad」ネタなんですね。
ちゃんまい:しかも、私たちも悪ノリして曲中で「ポッポー!」って言ってますからね(笑)。
かおり:この曲は「当時のアルバムの1曲目っぽくない!?」って、まいと私でマン上一致して1曲目にしたんです♡アルバムの再生ボタンをポチっとな、した時にこのイントロが流れたらDOKI DOKI感ないですか?
ちゃんまい:ベッド・インにMJ感のイメージって全くなかったと思うし、何よりイントロで完全に裏切れたんじゃないかな、と。ちゃんと「チキッ!」とか言っちゃったりなんかしちゃったりして(笑)。
かおり:コーラスやハモりも今までと全然違って、洋楽っぽいんですよ!AMAZONSさんを意識してタ~ウ~しました♡ DAISUKI!な安全地帯 with AMAZONSみたいな……♡
ちゃんまい:黒人シンガーが3人ぐらいいるみたいでしょ?? 全部小さいかおりさんなんですよ♡(笑)
ーー音作りが根本的に変わってるんですね。「Kiss Me Kiss Me」のビートは今っぽいなと感じました。
ちゃんまい:私たちはバブル時代をリスペクトしてますけど、リスペクトしているからこそ、ただ焼き直ししているだけではイケナイと常々思っていて。“バブルって格好いいんだ”って思ってもらえるように、ナウでヤングな子たちにも響く部分は絶対作らなきゃいけないし、新鮮に思ってもらえるようなものを作っていかなきゃいけないと思うんです。その肝になる部分がビートの部分なのかな、と。メロディラインや音色で昭和感は漂わせつつも、ビートがしっかり今を意識していれば古臭いモノにはならないのでは、と。
かおり:その“今っぽい要素を挿入する”ということは必ず意識しつつも、ちゃんと“当時のサウンド”も感じてもらえる楽曲になっているかどうか、という部分は特にこだわっていますね。今と昔のバランスをすごく大事MANに考えていて。その“当時っぽさ”の判断は「バブル時代にお店で流れていてもおかしくないであろうサウンドになってるかどうか」というのがひとつの基準になっているかもしれないですね。
ちゃんまい:要するに、ウチらのマンPのGスポットにきまくりやがる曲ですね。ア●メが来たりて潮を吹く! 的な♡
かおり:下半身のダイヤルQ2が鳴るかどうかね♡ あとカメリア族になれそうな楽曲になってるか、とか! 当時のCMに合うかどうかが大事MANなんですよ♡
ちゃんまい:「これカメリアっぽくない?」って♡
かおり:「これはマクセルかなぁ、アクシアかなぁ?」とかね♡ そういうのを具体的にちゃんとイメージできるかですね。
-
ベッド・インが語る、ボディコン・ロックの進化とメッセージ「全国民のみなさんにバブルの良さを」
-
作詞家 zoppが語る、クリスマスソングの作詞術 「back numberはある種、王道」
-
THE SLUT BANKS、ド派手な新作が示すバンドの真骨頂 メンバーコメントとともに分析
-
渡辺俊美×瑠伊 特別対談 音楽とファッションから見えるクリエイティブの形
-
accessが語る、チャレンジし続けた25年と音楽への思い 「ラブ&ピースを共感したかった」
-
鈴木このみの“歌の強さ”をどう活かす? 作詞家・坂井竜二&作曲家・白戸佑輔が語り合う
-
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが語る、アニメ『魔法陣グルグル』劇伴の仕掛け
-
三宅伸治&山崎まさよし&石塚英彦鼎談 三宅の音楽はなぜミュージシャンに愛される?