劇場の街「日比谷」、ミッドタウン開業で変貌

"近くて遠い"日比谷で始まる再開発の奔流

日比谷の中央に、高さ約200メートルの高層ビルが出現した(撮影:梅谷秀司)

2018年3月29日に、日比谷に新たなランドマークタワーができる。三井不動産が「東京ミッドタウン日比谷」を開業するのだ。地上35階建て、地下4階建て、延べ床面積は約18万9000平方メートル達する。総工費は1322億円に達する。

新しいミッドタウンは三井不動産が保有していた旧三信ビルディングや日比谷三井ビルディングなどを建て替える形で建設されている。

外観が波打つ「ダンスタワー」

この連載記事の一覧はこちらです

外観のデザインはかつて社交場だった場所をイメージした「ダンスタワー」として外面が波打つスタイルを採用。

1~7階の下層部には飲食店や11スクリーン、2万3000席を擁する「TOHOシネマズ」など60店が開業。11~34階はオフィスとなり、すでに旭化成が本社移転を決めた。

最大の特徴は日比谷という立地にある。もともと日比谷は明治時代の鹿鳴館に端を発する社交と文化の街だった。現在も耐震工事中の日比谷公会堂、日生劇場、東京宝塚劇場、シアタークリエなどの劇場に、東宝シネマズといった映画館が軒を連ねる。

ビジネス街の大手町、丸の内、そして銀座に連なる有楽町をつなぐ大丸有(だいまるゆう)に隣接する好立地に位置し、官庁街の霞が関や大規模再開発が進む虎ノ門にも近い。

三井不動産でプロジェクトを担当する太田幸一氏は「今まで日比谷は少し敷居が高いイメージがあった。20~30代の女性を含め、もっと人が集まる街にしたい」と意気込みを語る。

周辺もミッドタウン開業を商機に変えようと知恵を絞る。近隣の帝国ホテルは手始めに本館1階の展示スペースで2月から「日比谷今昔」をテーマとした展示を行い、今後も「ミッドタウンのグランドオープン後に記念商品、記念メニューを検討中」(会社側)という。

次ページ地図で見る日比谷の再開発
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • NO NAME53c79fd96c36
    こういうビルのテナントに入るのはつまらない小規模店舗ばかりだ。
    up5
    down4
    2017/12/24 09:17
  • NO NAME69711eca8c06
    耐震偽装で社会に大迷惑をかけた旭化成が、なぜこのビルに入居するのか甚だ疑問。本社の社員だけが華やかな場所で勤務できる一方で、地方の工場で働いている人は厳しい環境に置かれている。ある種の格差がこんなところにも表れている。

    三井不動産には、新宿・渋谷でも頑張ってもらいたいね。
    up1
    down1
    2017/12/24 12:34
  • NO NAMEd83e68c4fb24
    六本木がミッドタウンで変わったかというと何も変わらない。
    低レベルのチェーン系列店で食べたいとは思わない。
    入れ替えばかりして、目新しさを出しても、マズい店ばかりじゃないか。
     
     
     
    up2
    down3
    2017/12/24 11:58
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
J.フロントの財務改革<br>「店舗BS」の威力

「店舗BS(バランスシート)」を導入し、傘下の大丸、松坂屋で改革を進めるJ.フロント。不動産事業強化で「脱百貨店経営」に突き進む。山本社長は「大転換期。資産効率を高める」と語る。