ザ・グレート・カブキ、引退試合で勝利、最後の毒霧とヌンチャクを披露「プロレスは自分の人生そのもの」

2017年12月23日0時0分  スポーツ報知
  • 引退式で最後の毒霧を噴くカブキ
  • 引退式で娘の映理さんら関係者と記念撮影するカブキ

 ◆プロレスリング・ノア ザ・グレート・カブキ引退試合(22日、後楽園ホール)

 “東洋の神秘”とうたわれたプロレスラー、ザ・グレート・カブキ(69)が22日、ノアの後楽園ホール大会で引退試合と引退式を行った。

 1964年10月に日本プロレスでデビュー。81年1月にカブキに変身し、全日本、SWS、WAR、新日本、IWAジャパンなど日米でトップとして戦ってきた。54年間のレスラー人生最後の試合は、越中詩郎(59)、斎藤彰俊(52)と平成維震軍を再結成し潮崎豪(35)、小川良成(51)、井上雅央(47)と対戦。試合は斎藤が9分30秒、スイクルデスからの片エビ固めで井上をフォールし有終の美を飾った。

 引退試合では、リングに登場すると四方の観客に向けてトレードマークのヌンチャクパフォーマンスを披露。さらに緑の毒霧を2回噴き観客を沸かせた。ゴングが鳴ると、必殺のアッパーカットを連発。最後はコーナーから突進してきた井上に赤い毒霧を噴き、カブキ殺法を存分に披露し斎藤の勝利につなげた。

 試合後の引退式で日本プロレス時代の先輩、グレート小鹿(75)、後輩の藤波辰爾(63)、全日本時代の後輩、川田利明(54)、さらに娘の映理さんから花束を贈られた。映理さんは「いつも家族のためにありがとう。これからも仲良くしてください。大好きです」とメッセージを送った。カブキは「長い間、応援してくださって本当にありがとうございます」とファンに感謝の言葉を残した。「家族を持てたことが喜び」と明かしていたカブキ。妻の安子さん、映理さんと3人で記念撮影を行い感無量の表情を浮かべていた。セレモニーの最後はヌンチャクと緑の毒霧を2回噴き、ヌンチャクを置いてリングを去ると、客席から緑と赤の紙テープが投げ込まれ54年間、戦ったリングから去って行った。

 引退式を終え「まだやりたいってのと、やっと54年でここまで来られたことの思いが戻ってくるというか。新弟子で入った頃の思い出がスーと通っていくような感じ。まだ実感沸いてこないんですよ」と振り返った。引退試合では「最も楽しかった」という平成維震軍を再結成し「試合しながら走馬灯にみたいによみがえってきた。懐かしかったですね」と笑顔を浮かべた。

 デビューは、本名の米良明久、その後、高千穂明久とリングネームを変え、81年1月にザ・グレート・カブキに変身し全米でトップを取った。カブキとはどんな存在だったかを聞かれ「生き方を変えてくれましたよね。コツコツやっててよかったなぁって。やっと花が咲いたかなぁって思った」と感慨にふけった。

 引退式では娘の映理さんから花束と言葉を贈られた。「うれしかったですね。この世界でやっていて良かったと思います」と感謝した。最後の毒霧を吹いた後は「これで噴かなくていいかなと思った」と笑い、ヌンチャクをリングに置いたことには「ヌンチャクとか毒霧はこの仕事でやりだしたから、置いてきた方がいいかなと思った」とプロレスラーとしてのけじめだったことを明かしていた。

 波乱万丈の54年。プロレスとは何かを問われ「自分の人生です。人生そのもの。思い残すことないね」と言った。今後は、東京・小石川で経営する居酒屋「「BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ」の主人として生きていく。「後は毒霧噴かないでホラばっかり吹いている」と笑わせ、「終わりましたぁ」とバンザイし報道陣から拍手を浴びながら控室に消えていった。

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