連続テレビ小説 わろてんか(72)「お笑い大阪 春の陣」[解][字][デ] 2017.12.23
(寺ギン)困ってるんやろ。
わしがここ買い取ったるで。
この様子ではひとつきももたんやろ。
売るんやったら今やで。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」・「ありがとうと言いたいあなたのために」・「ごめんねと言えないあなたのために」・「パレードはまわり続けてる」
(てん)風太。
(藤吉)これはどういうこっちゃ。
戦でも始める気ぃか。
(風太)頼んます。
こいつらの事ここで雇うて下さい!
(一同)お願いします!お願いします!オチャラケ派の芸人150人全員北村笑店に来たい言うてます。
何やと?
(佐助)どうかお願いします!
(富)ごりょんさん頼んます!お前ら何寝ぼけた事言うてんねや!こんな事してただで済むと思とんのか!みんな覚悟決めてここに来たんです。
たとえこの先どないなっても北村笑店に世話になろうてみんなで決めましてん!
(一同)そや!どうか雇うて下さい!お願いします!
(一同)お願いします!ありがたい…ホンマこんなに…。
お前らが積み上げてきた信用や。
(トキ)風太…。
お涙頂戴はええけどな忘れた訳やないな。
借金の証文や!忘れたとは言わさんで。
この金きっちり返すまでお前らはわしのもんや。
「わしのもん」て…芸人は物やないで!そうです。
大切な家族です。
ほう家族。
家族言うんやったらこいつらの借金2,500円親のあんたが払てくれんのか。
よろしおす。
その証文皆北村笑店で肩代わりさしてもらいます。
(どよめき)てんそんな金あれへんやろ。
大丈夫です。
うちに任しとくれやす。
(拍手と歓声)気ぃは確かか!?こいつらの借金まで背負たらお前らも共倒れや!いや〜こら祭りでっか?それとも大阪夏の陣…いや春の陣でっか。
文鳥師匠!師匠…。
そんなとこに…。
何かあった時のためと思て。
(風太)へそくりか。
いつの間に…。
いやなんぼあるんや?締めて2,511円50銭あります。
何やと?これで芸人さんたちの借金きっちりお支払い致します。
でかしたてん!へえ!ごりょんさん。
わしがカレーうどんを頂いたのが6年前。
あんさんのお召しもんその時と同じ着物ですな。
ひゃ!あ…。
寄席3軒のごりょんさんがそこまで始末なさってなぁ。
このつぼの銭もコツコツためはったんやな。
そんな大事な銭で見ず知らずの芸人の借金肩代わりするやなんて…。
アホらしい。
やめときなはれ!見ず知らずやおへん。
うちは芸人さんみんな家族や思てます。
みんなが疲れた時苦しい時大変な時家族にお薬をあげるのは当たり前。
そう思てるんです。
わしの好きな噺に「貧乏花見」ちゅうのがおましてな。
貧乏な連中が長屋で肩寄せ合いながら面白おかしゅう暮らしてるちゅう噺なんやが…。
ここにおったら貧乏でも何でも毎日わろうて暮らせそうな気ぃするわ。
伝統派の噺家一同53名北村笑店でお世話になりたいんやけどどないでっか。
もちろんです!おおきにありがとうございます!ほなよろしゅうお頼申します。
そんな殺生な…。
あんたも昔の気持ちを思い出してみたらどないや。
一緒に仲ようやり直しまへんか。
うちは寺ギンさんにもわろてほしいんです。
笑いは作る人がわろてんとお客さんが笑われしまへんさかい。
俺もそう思います。
ああもうどうにでもせえ!ええわ。
わしの持ってるもん全部お前らに譲ったるわ。
おおきにありがとうな。
お前のためにやったんちゃう。
分かってる。
そやけどホンマにおおきに。
これからどこ行くん?うん…風の向くまま気の向くままちゅうやっちゃな。
ま俺はどこに行ってもやっていけるわ。
ほなな。
・風太!風太待って!お礼も言わせんとどこ行く気やの。
痛っ!おおきに風太。
おおきに。
風太うちらから折り入ってお願いがあるんやけど。
そんな金持ってへんで。
お金とちゃいます。
番頭として働いてくれへん?番頭?そうや。
この北村笑店で。
番頭?番頭や。
番頭?もう何やのさっきから「番頭番頭」て。
俺…俺藤岡屋で手代止まりやったやろ?いっぺんだけでも番頭さんて呼ばれてみたかった。
風太受けてくれるか。
藤吉…いや席主ごりょんさんよろしゅう頼んます!こちらこそよろしゅうお願いします。
番頭さん。
へえ!そうして風太は北村笑店の番頭となり…。
・
(笑い声)ようわろとるわ。
(笑い声)
(亀井)達者でな。
寺ギンはお坊さんに戻り笑いの心を取り戻しに諸国行脚に旅立ちました。
200人以上の芸人を抱え寄席の数を一気に10軒にまで増やした北村笑店は日本の演芸史上初となる寄席のチェーン化に乗り出しました。
そしてついに大阪一の繁華街千日前に新たな本拠地となる南地風鳥亭を開業したのです。
本日ここににぎにぎしく開場できましたのも何から何までご贔屓の皆様方のおかげ。
(団吾)花よりだんごの法善寺。
千日前の文鳥亭。
風鳥亭や風鳥亭。
(笑い声)ああそやった!風鳥亭。
追い風に乗ってこの大阪にいやさ日本中に笑いを広めまする!どうぞ皆様南地風鳥亭ご贔屓ご鞭撻のほど…。
(2人)御願い申し上げ奉りまする。
(拍手と歓声)お笑い大阪春の陣おあとがよろしいようでございます。
2017/12/23(土) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 わろてんか(72)「お笑い大阪 春の陣」[解][字][デ]
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は寺ギン(兵動大樹)から寄席を手放せと迫られる。そこへ大勢の芸人を従えた風太(濱田岳)が来て、北村笑店で雇って欲しいと訴えた。
詳細情報
番組内容
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は寄席3軒のうち2軒を売り払うしかない状態に追い込まれた。寺ギン(兵動大樹)が寄席を買い取ると押しかけて来るが、そこへ大勢の芸人を従えた風太(濱田岳)が現れる。オチャラケ派芸人総勢150人を北村笑店で雇って欲しいと頼み込む風太に、寺ギンは芸人全員が借金を返済するまでは自由にさせないと言い放つ。さらにそこへ文鳥(笹野高史)が現れ、両者の対立は一触即発の雰囲気になる。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,濱田岳,徳永えり,兵動大樹,内場勝則,波岡一喜,笹野高史
原作・脚本
【作】吉田智子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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