OSCAの技術ブログ

WEBエンジニアの技術ブログです。 日々の制作活動・業務の中で調査したことなどを記事にします。

エンジニアの活動の選択肢について考えた

 2017年の私は「エンジニアとして活動の幅をもっと広げたい」と考え、新しいことにチャレンジしてみました。 今年一番大きく変わったことは「WEBエンジニア勉強会」を主催し始めたことです。 毎回35〜50人の人に参加して頂けています。 そんな活動の縁もあり、Podcast「しがないラジオ」にゲスト出演させて頂きました。 この記事は、そんな「しがないラジオ」のアドベントカレンダー「しがないラジオ Advent Calendar 2017」の23日目の記事でもあります。

年始にどんなことを思ったのか?

 今年の年始に「もっとエンジニアとしての活動の幅を広げたい」と思ったのは、私自身が「35歳定年説」の35歳になり、同世代には管理職が増えエンジニアが減り、私自身も中間管理職になり「いつまでエンジニアでいられるのか? できればずっとエンジニアでいたい。」と思ったからです。

 また、Tech系Podcastの大御所「Rebuild」のエピソード132蓑輪太郎さん宮川達彦さんが「エンジニアのキャリアパス」の話をしていて、そのエピソードがずっと印象に残っていました。 とても優秀なお二人が「将来のロールモデルが見えなくて不安だ」とおっしゃっており、エンジニアの生存戦略について改めて考えさせられました。

年始に作ったチャート

 エンジニアとして、どんなキャリアパスや活動があるのか・どんな気持ちを優先するべきかを整理しようと考え、今年の3月くらいに次のチャートを作りました。 自分自身のメモ的なものでしかないので完璧なチャートではありませんが、頭は整理できました。 (字が細かいので図をクリックして拡大してみてください)

 残念ながら(?)私たちは、生きていくために、衣食住のために仕事をしなくてはいけませんので「自分自身のために働いている」ということを否定できません。 働く一つの目的は、図の左上にある「自身(&家族)の幸福の最大化」というものがベースにあります。 しかし我々は社会性・協調性というものを小さい頃から教育されていて、「何かの役に立ちたい」「何かを実現したい」という気持ちも少なからずあると思っていて、それが自分自身のキャリアに大きく影響するのだと思いました。

 私自身はSIer企業で働いており、銀行・航空・通信・行政・自治体などの社会インフラのシステム開発を多々請け負っています。 そんなSIer企業には「社会インフラのシステムに携わって、社会に貢献したい」というモチベーションの人たちがいます。 そういう「社会貢献」をキャリアパスのモチベーションにし、「一人のエンジニアからプロジェクトチームを管理する立場になって、社会貢献のために自身が請け負えるキャパを高めていこう」と考える人も多くいます。 (チャートの左側)

 また「インターネットに貢献する」ということを目標としたキャリアパスもあると思います。 例えば「IETFなどの標準化団体にドラフトを提出してインターネットをより良いものにしていきたい」というモチベーションは、エンジニアとしてはとても理解できます。 私自身は15年くらいエンジニアをやっていて、今でも私には全くできる気がしませんしアイデアすら思いつきませんが、できたらカッコいいなと思います。 / 話はそれますが、Podcast「mozaic.fm」のエピソード31では、@flano_yukiさんが IETF のウォッチの仕方についてお話されていて、とても興味深かったです。

 チャートの右上の「直接利用者に価値を提供する」というのは、B2Cのサービスをやるとか、ゲーム開発をするとか、そういうことを想定して書きました。 自分自身が生み出したいものが明確になっていて、そのサービスや商品を提供したい場合だと思います。 世界を変えるようなイノベーティブなサービスは思い浮かびませんが、私個人として小さなWEBサービスを運営しています。 自分のアイデアを形にするという作業はとても楽しいですし、作っていてとてもワクワクします。 これからも小さいサービスでもアイデアが浮かんだら、どんどん世の中に出して行きたいなと思っています。

 また「社会の問題に直接貢献できなくてもエンジニアの仕事に貢献し、間接的に社会に貢献する」という活動もあります。 例えば GitHub や AWS などのサービスは、エンジニアにツールや環境を提供することで、そこにのっかるプログラムやシステムが社会の問題を解決していると思います。 じつは私自身が最近とても興味を持ち始めている職種です。 また「勉強会」「書籍出版」「ブログ」などの活動もエンジニアに価値を与えるものだと思います。 また近年とても増えてきたTech系Podcast(特にRebuild)には、毎日のようにお世話になっています。

 そして最後に「OSSに貢献する」という目標もエンジニアには魅力的なキャリアパスだと思います。 OSS にはお世話になりっぱなしです。

何を決心したか

 上記のようなチャートを作った上で「興味があるけど実行していないことは何か?」と考えたところ、3月時点で「Podcastをやってみたい」「勉強会をやってみたい」という大きく2つを思いました。 今までやってこなかったこれら2つの選択肢について、行動もせずに「やっても意味ないだろう」と切り捨てるのは愚かだと考え「やってみてダメだったら止めればいいんだ!」と思うことにしました。

 「さて、Podcast と勉強会どちらの活動をはじめようか」と天秤にかけたところ、上記の通り「ゲストに呼べるようなエンジニアの友達、たくさんいないし…」という寂しい状況に気づき、「勉強会を開催して、一緒に切磋琢磨してくれる人と知り合えたら良いな」と思って勉強会を始めることにしました。 このことが将来の自分のキャリアにどう影響するかは全然想像できませんが、やって損はないと考えて「やってみよう」と思ったのでした。

7ヶ月たって…

 そんなこんなで「エンジニアとしての活動を広げよう」と気持ちを高ぶらせてから7ヶ月が過ぎました。 今年は次のようなことがおきました。

  • 「WEBエンジニア勉強会」を4回開催し、親しいエンジニアの知り合いができた。
  • 勉強会が縁でPodcast「しがないラジオ」にゲスト出演させてもらった。
  • 身の回りにエンジニアが増え、自然とインプットが増えた。
  • 昨年よりもキャリアに対して貪欲になり、社内の研究開発部門への異動を決意した。
  • 研究開発部門への異動がキッカケで、シリコンバレーに企業訪問巡りに行った。
  • シリコンバレー在住の日本人のエンジニア数人に、シリコンバレーでエンジニアをすることについて話を聞けた。
  • 相変わらず「Podcastもやりたい」という気持ちも消えていない。

上のチャートについて補足したいこと

 上のチャートで誤解して欲しくないことは、「チャートにある何か1つにゴールを絞れ」ということは言っていません。 やっぱり人は「飽き」を感じる生き物なので、技術的なことばかりやっていると「技術を何かに応用したい」と思ってきますし、顧客とビジネスドメインの話ばかりしていると「もっと技術的なことをやりたい」と思ってきます。 興味のバランスをとれることが重要なんだと思います。

 また、会社勤めをしていると残念ながら「技術的にまったく興味が持てない」というようなプロジェクトを任される場合もあります。 自分自身でやりたい仕事を作り出せればいいですが、そんな場合は希だと思います。 例えば「来週からCOBOLのプロジェクトを任せた!」と言われることもあるわけです。 そんな時に技術的な視点でしかプロジェクトを見れていないと「COBOLなんて今からやって何になるんだ」とずっとつまらない毎日を送ることになるかもしれません。 そんな時に必要なのは視点の切り替えで、例えば「顧客貢献」の視点や、「大きいプロジェクトの回し方を経験できるいいチャンスだ!」というようにモチベーションを切り替えられると、つまらなさから解放されるかもしれません。 いろいろな方向に興味があることが救いになったりします。

来年に向けて

 まとまりのない文章になってしまいましたが、私が今年「ITエンジニアの活動の選択肢」について考えて動いたことについて書きました。

 せっかく高まったモチベーションを絶やさぬよう、来年も積極的にいろいろなことにチャレンジしていきたいなと思います。 もしかしたら Podcast 始めるかもしれません、もしかしたら電子書籍を書き始めるかもしれません、「オレはマトリックスの世界に入るんだ!」と言い始めるかもしれません。 「マトリックスの世界に入る」と言い始めたら、さすがに止めてください、来年もよろしくお願いします。 今年もあと1週間あります、最後までアウトプットしていくぞ!

次回のWEBエンジニア勉強会は…

 次回の「WEBエンジニア勉強会 #05」は、02月02日(金) 夜に渋谷で開催予定です。 申込開始は年始になります。 詳しくは本ブログ、もしくは @WEBMeetupJP をフォローしてください。

OSCA

初級WEBプログラマー。 Java, PHP を利用したアプリケーションを開発しています。 写真も好きで一眼レフを持って散歩するのが好き。

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