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セキュリティに対するマインドセットを変えよ――パロアルトネットワークス副会長 齋藤ウィリアム浩幸氏

2016/01/26 06:00

 「IoT(Internet of Things)」の認知度は十分高まり、製品として実現したものも出てきている。一方でセキュリティ対策の必要性が現実問題として指摘されている。はたして、IoTにとってセキュリティは重荷やマイナス要因なのか?そんな考えを『IoTは日本企業のへの警告である』(ダイヤモンド社)を上梓したばかりのパロアルトネットワークス副会長の齋藤ウィリアム浩幸氏が一刀両断した。

新幹線にまつわる最大のイノベーションとは?

「新幹線にまつわる最大のイノベーションは何だと思いますか?」

 齋藤氏はインタビューの冒頭、こう質問した。ちょっと考えてみてほしい、当時は日本で新幹線や高速道路など多様な技術を使いインフラが整備され、雇用が生まれるなど経済成長にもつながった時代だ。  

パロアルトネットワークス 副会長 齋藤ウィリアム浩幸氏

 質問の答えは「ブレーキ」。高速で走らせてもきちんとブレーキが利くことがイノベーションとして最も高く評価すべきところだという。「単に速さを追求するなら、ロケット積むなどいくらでも方法はあります。大事なのは止まるべきところで止まること。制御できること。アクセルとブレーキはバランスが大事なのです」と齋藤氏は説く。これはIoTにもあてはまりそうだ。技術革新で利便性が向上する一方、安全性にも配慮が必要となる。  

 齋藤氏が強調したのは「マインドセットを変えていくこと」。IoTという新しい市場が生まれたのに、「情報漏えいが心配」とセキュリティをマイナス要素と見なして消極的になってしまうのではもったいない。セキュリティはマイナス要素ではなく、競争力や差別要因となるようなプラス要素としてみなすべきだということだ。IoTと向き合うにあたり、発想や概念を逆転させる必要がある。  

 具体的にはどうするか。齋藤氏は「セキュリティは後づけではいけません、オプションではありません。必須です。IoTの設計段階からセキュリティも丁寧に考慮するのが大事です」と説く。  

 齋藤氏は1970年代の「マスキー法」を例に出して説明する。アメリカのマスキー上院議員により提案された法律で、排出ガス規制値を定めている。表向きは大気汚染防止を目的にしつつも、実は排気ガスを理由にアメリカ市場から日本車を閉め出そうとするものだった。

 これに日本の自動車メーカーは奮起してエンジンを改良し、結果として日本車はアメリカ車よりも先にマスキー法の定める規制値をクリアした。齋藤氏は先の新幹線と合わせて、日本には困難を乗り越える潜在能力があると評価している。ただし「サイバーは目に見えません。だから(ICT活用で苦戦している日本には)難しい」とハードルがあることも懸念している。  

 セキュリティに話を移そう。サイバーセキュリティというと漠然と「個人情報が漏えいする」「(なりすましなどで)何かが盗まれる」といった被害をイメージしがちだ。齋藤氏は「もちろん個人情報流出は懸念すべきです。しかしこういうレベルなら『ごめんなさい』で済む話です」と断じる。つまりもっと深刻な被害はあるということだ。  

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著者プロフィール

  • 加山 恵美(カヤマ エミ)

    EnterpriseZine/Security Online キュレーター フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online&nbs...

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