男声合唱の世界に数々の名作を遺していただいた、多田武彦氏が亡くなられました。昨日(20日)は定期練習日だったのですが、そこでも一部でその情報がながれておりました。その深夜、団員から正式にメールで下記のような知らせが…。

「本日残念な連絡が届きました。
今月の12日に作曲家の多田武彦先生が、亡くなられました。
男声合唱曲を数多く書かれており、
我が団も今回も含め定演で多くの作品を取り上げている作曲家です。
ご冥福をお祈りします。」

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こちらは目下、次回定演に向けて練習中の作品が収められている楽譜の表紙です。組曲3作品があり、そのうち「わがふるき日のうた」(全7曲)を取り上げるのです。多田さんは、男声合唱、アカペラ、組曲作品を集中的に創られ、多くの名作があります。

近年、わが団で取り上げた作品をリストアップしてみましょう。
2018年:男声合唱組曲「わがふるき日のうた」(全7曲)
2017年:多田武彦名曲集…春を待つ、 雨後、冬の夜の物語、エリモ岬
2016年:男声合唱組曲「尾崎喜八の詩から」 冬野、春愁、かけす
2015年:男声合唱組曲「尾崎喜八の詩から」 冬野
2014年:男声合唱組曲「蛙」(全4曲)
2012年:男声合唱組曲「富士山」(全5曲)
2011年:男声合唱組曲「尾崎喜八の詩から」 春愁
2010年:男声合唱組曲「中 勘助の詩から」(全7曲)
2008年:男声合唱組曲「草野心平の詩から」(一部5曲)
2006年:男声合唱組曲「柳河風俗詩」(全4曲)
2005年:男声合唱組曲「雨」 雨
ざっと、こんな感じになり、何らかのかたちで取り上げない年の方が稀なほどです。

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こちらは、目下練習中の組曲「わがふるき日のうた」一曲目の譜面。

多田作品の男声合唱組曲「雨」の中の終曲「雨」は、八木重吉の詩によるもので、単独でもアンコールなどでよく取り上げられる名曲です。
自分自身への、鎮魂歌でもあったのだろうと思われます。

最後に、この詩を添え、ご冥福をお祈りしたいと存じまます。
多田先生、数々の作品を、本当に、
ほんとうに、ありがとうございました。
こころ静かに、おねむりください。

「雨」

雨のおとがきこえる
雨がふっていたのだ

あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう
雨があがるようにしずかに死んでゆこう


(注)
ユーチューブなどで動画がご覧になれますので、是非。

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プロフィール

SunnyBird・K-iwado

Author:SunnyBird・K-iwado

ブログ「合唱と宇宙論」へ、
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理屈っぽいもの、ソフトなもの、森羅万象を網羅。お暇なおりに覗いてください。

1942年生れのラジオ少年。M電機・姫路工場と広島支社に勤務、2003年リタイア。

入社7年目、2か月の欧州貧乏旅行でお仕置き。BS放送近畿初受信で関西メディアに。

28歳で結婚、東南アジア・シンガポール方面へ半月のハネムーン。ニ男、一女。

地元コミュニティFM局では、カワセミ観察や欧州貧乏旅行談義を披露した。

地元TV局に写真投稿し、イタチ、キジ、カワセミなどが採用されたことも。

「きっぱり生きる・愉快に暮らす」がモットー。自称「自遊翔年」の、おっちょこちょいなシルバーおじさん。

座右の銘、生活信条は、
「和して同ぜず」  
「面白きこともなき世を 面白く 住みなすものは 心なりけり」
「怠るものは不満をとなえ、精出すものは夢をかたる」

カワセミ観察はライフワーク。自然界の無常と神秘に触れ、感動と感謝の日々。

合唱団「広島メンネルコール」所属。重厚で繊細な男声合唱の世界に浸っています。

地元中国放送主催の年末行事「第九ひろしま」には、25回以上ほぼ連続参加。

ラジオ少年から、テレビ、BS受信、パソコン、スマホと、新メディアフォロー。

宇宙論に集約される、天文・宇宙・物理、先端科学追跡も、人生に欠かせません。

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