シュレッダー係になった男性社員
懲戒理由を列挙し、社内に掲示された「罪状ペーパー」を示す、新村響子弁護士。
パワハラや残業代未払いなど、法令違反の企業を対象に選考する「ブラック企業大賞」が12月23日に発表され、大賞は「アリさんマークの引越社」として知られる、株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西に決まった。
「裁判を起こした瞬間にクビ……」
同社は正社員の男性を2015年6月から約2年間、2回の遅刻を理由に、朝から晩まで立ちっぱなしで書類をシュレッダーにかけ、ゴミを捨てるだけの「シュレッダー係」に配置転換していた。
男性の遅刻理由は、1回は始発バスに乗っても間に合わなかったケースで、もう1回は体調不良だったという。
さらに、男性が2015年7月31日に東京地裁に裁判を起こすと、引越社関東は直後の8月11日、Aさんを懲戒解雇。それを告げるチラシを社内に掲示し、グループ会社の社内報にも掲載した。
このチラシには名前や顔写真、年齢とともに「罪状」として「自己の権利を主張し、職責を果たしていない」などと書かれている。
また「世の中、まだまだ非常に厳しい状況です。『懲戒解雇』になった場合、再就職先があると思いますか? 家族は誰が養うのですか? 『一生を棒にふることになりますよ。』」といった、従業員を脅すような文言も書かれていたという。
男性は今年5月24日、元の営業職に戻ることで会社と和解している。
和解が成立したあと、男性は記者会見でこんな話をしていた。
「懲戒解雇されたのは、人生で初めてです。裁判を起こした瞬間、クビを切られました。頭が真っ白になって……二度と経験したくないですね」
「ほんと口惜しくて。こういう状況に追い込まれたのに何もできない無力な自分が情けなくて、涙を流してしまいました」
副賞は……。
ブラック企業大賞は今年で6回目。例年、ノミネート企業には招待状を送付している。
ノミネート企業は下記の通り。
1.ゼリア新薬工業株式会社
2.株式会社いなげや
3.パナソニック株式会社
4.新潟市民病院
5.日本放送協会(NHK)
6.株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西
7.大成建設株式会社・三信建設工業株式会社
8.大和ハウス工業株式会社
9.ヤマト運輸株式会社
大賞企業には、副賞として「労働六法」が贈られる。
バズフィード・ジャパン ニュース記者
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