「男女混合名簿」求め署名提出
県内の保護者などでつくるグループが、およそ8割の学校で使われている男女別の名簿を改め、性別で分けない「混合名簿」の採用を求める9800人余りの署名を県教育委員会にしました。
県の教育委員会も「原則、性別で分けない」とする考えで、今後の各学校の対応が焦点となります。
小中学校などで使う名簿は以前は男女別が主流でしたが、「『男が先、女があと』という序列意識につながる」などの声を受け、性別で分けずに50音順などに並べる「混合名簿」の導入が進んでいます。
しかし宮崎県は今も男女別のままの学校が多く、日本教職員組合が昨年度、全国の小中学校や高校など1万2000校余りを対象に行った調査では、混合名簿を導入している学校は全国平均の81%に対し、宮崎県は22.6%にとどまっています。
宮崎市内の小中学校に通う母親などで作るグループは「混合名簿」の導入を求めてことし7月から署名集めを始め、22日、集まった9823人分の署名を県教育委員会に提出しました。
要望書では「男らしさや女らしさという価値観に縛られない、多様性を認め合う社会が求められている」としたうえで、「性別によって区別しないことがLGBTなど性的少数者の子どもたちのすごしやすさにもつながる」と訴えています。
グループの代表の吉崎尚代さんは「子どもが必要以上に区別されることなく1人1人の個性を大切にしながら生きていける社会になってほしい」と話していました。
学校の名簿をめぐっては県教育委員会も「原則、性別で分けない」とする考えを県立高校や市町村などに伝えていて、今後の各学校の対応が焦点となります。
宮崎市の公立の小中学校は全体の95%にあたる69校が男女別の名簿のままです。
そのうちの一つの大淀小学校ではクラスごとの「出席簿」の上の段に男子の名前が、下の段に女子の名前が書かれています。
出欠を取るときも男子を先に呼んでいるということです。
また出席簿に合わせる形で靴箱やランドセルのロッカーなども男女ごとに場所が分かれています。
男女別の名簿を続けてきた理由について恵利修二校長は「慣習的に続けてきたもので、最近までは男女別が問題だとは意識していなかった。身体測定など男女を分ける時に便利だということもあったのかもしれない」と話しています。
県教育委員会などの考えを受けて、今後は混合名簿の導入に向けて、職員向けの研修を行うなどの準備を進めるということです。
恵利校長は「性別で分けないようにする意味や背景を教員たちがしっかり理解した上で導入するようにしたい」と話していました。