トップ > 福井 > 12月23日の記事一覧 > 記事
福井雇用、契約に配慮を要望 大飯1、2号機廃炉で関電社長に知事
「三十八年間、格別の理解と支援を受けた。深く感謝する」。関西電力の岩根茂樹社長は二十二日、大飯原発1、2号機(おおい町)の廃炉決定を西川一誠知事に伝え、頭を下げた。町の経済へのマイナス影響を避けると約束し、嶺南地方に残す原発七基を軸に「福井県と共存共栄を図る」と述べた。 嶺南で関電が運転、再稼働を目指す原発は、高浜1~4号機、大飯3、4号機、美浜3号機の計七基になる。岩根社長は「将来の(当社の)発電電力量に占める原子力比率は約四割にする」と初めて表明。五割前後だった福島第一原発事故前よりは下がるものの、大飯の二基を廃炉にしても、関西のエネルギー供給地としての福井県の重要性は変わらないことを、真っ先に西川知事に説明した。 西川知事は面談の中で、「これまで以上に地元企業へのさまざまな雇用の確保、契約などへの配慮を願いたい」と要望。嶺南への企業誘致にも引き続き協力するよう求めた。安全に配慮して廃炉作業を進めることも注文。使用済み核燃料の中間貯蔵施設は、二〇一八年中に県外立地場所を「示されるように」と念押しした。 関電によると、県内で働く社員は約二千人。大飯原発では、うち五百人が従事する。1、2号機が廃炉になっても、廃炉作業が数十年続くため雇用への影響は当面ないと説明するが、人口約八千百人の小さな町にとっては未来が気になる。 中塚寛町長はこの日、町役場で関電の豊松秀己副社長に「地元経済が疲弊しないよう最大限の努力を。地元の企業が廃炉に参入しやすい環境づくりに取り組んでほしい」と求めた。豊松副社長は、廃炉が先行する美浜原発1、2号機(美浜町)を例に、廃炉工事の説明会や共同研究を展開していくと説明した。 面談後、中塚町長は記者団に「影響は計り知れない」と不安をにじませ、町として新産業創出を進めていく考えもあらためて示した。 (尾嶋隆宏、米田怜央) 今、あなたにオススメ
|
|