2018年度政府予算案で、北陸新幹線金沢―敦賀間の地元負担を含めた事業費は17年度比910億円増の2250億円を計上した。約5年後の開業を控え工事はピークを迎え、長大なトンネル工事や高架橋建設を本格化させる。敦賀―新大阪間のルート調査費には、17年度と同額の11億円を盛り込んだ。
23年春開業予定の金沢―敦賀間の事業費は、17年度と比べ約1・7倍増。南越前町と敦賀市をつなぐ新北陸トンネル(全長約20キロ)、県道と一体的に整備する福井市の九頭竜川橋りょう(同410メートル)、あわら市の第2竹田川橋りょう(同420メートル)などの工事を加速させる。
国土交通省によると、区間内の用地確保率は93%、土木工事着工率は96%(ともに11月現在)。「開業5年前が一番多く工事に取りかかる時期で、開業年次に向け必要な工事を進める」としている。
一方、敦賀以西ルートの調査などに充てる「設計施工法等調査」は最終の2年目に入り、概算要求通り11億円が配分された。詳細なルートや駅の位置を決めるために、ボーリング調査で地質や地表を調べたり、空撮して図面化したりする。19年度末までの駅・ルート公表を目指す。
北陸、北海道、九州の整備新幹線3線の総事業費は、850億円増の3480億円。このうち国費は17年度と同額の755億円。沿線自治体の負担は377億円で、残りはJR各社が支払う施設の貸付料と、将来の貸付料収入を担保にした借り入れで賄う。
北海道は、31年春ごろ開業予定の新函館北斗―札幌に10億円増の370億円を計上。九州は、長崎ルートの武雄温泉―長崎に30億円増の830億円を盛り込んだ。難航しているフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の技術開発費は、概算要求より1億円少ない9億円となった。
また、敦賀と名古屋を結ぶ北陸・中京新幹線、四国新幹線といった基本計画路線を含む「幹線鉄道ネットワーク」の整備手法の調査に、17年度と同額の2億8千万円を計上した。
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