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新東京邂逅記 by 長谷川高 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-12-20

[]江戸時代から続く大資産家の驚くべき家訓Add Starh-moto


私は、これまで個人的興味から商家に伝わる家訓を意識的に集めてきました。

理由は、自らのビジネスや投資行為に直接的に役立つからです。


今回、弊社の取引先企業の顧問弁護士T先生から教えて頂いた、ある資産家の家に伝わる家訓をご紹介させて頂きます。


その家は、江戸時代から続く庄屋さんであり、元来広大な土地(貸家、底地含む)を所有していました。


場所も東京の中心部からそれほど遠い距離ではなく、現在ではいわゆる高級住宅地の部類に入る地域に約1万坪の土地を所有されていました。

かつては庄屋でしたが、現代においては、その所有する不動産を活用し賃貸業を行っていました。


この江戸時代から続く大資産家の家に伝わる家訓が、なんと

「一生遊べ」

だと言うのです。


通常、特に船場の大阪商人や京都商人の家に伝わる家訓には「質素・倹約」または「始末」と言ったものが数多く見受けられますが、

「一生遊べ」

なる家訓は、いったいなんなのだ??と聞いた瞬間には全く真意が分かりませんでした。


実際、現在の当主は、成人してからその家訓を守り遊び続けたそうです。

「毎日、母親が私に二百万円を渡してくれ、そのお金をもって毎晩街に繰り出した」

と。

銀座や吉原に散々通ったそうです。


ある時、母親に

「一体、自分は年間どれぐらい使えるのか?」

ときいてみたそうです。

すると母親からは

「7億円なら」

と言う答えが返ってきたと。


ところが、毎晩毎晩二百万円という金額は、到底使い切れなかったと言うのです。

ホステスも含め取り巻き連中に現金を配れば早いのでしょうが、あまりにも多額の現金を配ると

「あの人は頭がおかしいじゃないのか??」

と陰口を叩かれると言うのです。


そして、毎夜毎夜この散財?を何年も続けていて、結局最後にはどうなったかと言うと

「疲れた」

と言うことになったそうです。

正に

「遊び疲れ果てた」

と。


さて、そこでこの方は次に何をしたでしょうか?

寄付行為でしょうか?慈善事業でしょうか?


答えは

「ビジネス(事業)を始めた」

です。


事業というものはある意味怖いもので、こういった資産家の方の事業には銀行は積極的に融資します。

おそらく様々なビジネスの話しが持ち込まれた事でしょう。


実際始めたビジネスも最初は数億円規模の事業だったものが、数十億、数百億と、あっという間に拡大していったそうです。


そして・・・・・


結果、「事業の失敗」です。

担保として差し入れていた不動産は全て借入金返済の為に売り払ったそうです。


元々この資産家の年間収支は、税引後の純利益で8億円はあったようです。

よって、毎日遊び続けて、年間7億円使ってしまっても、キャッシュ・フロー上は黒字で、資産は目減りしなかったのです。


そこで

「一生遊べ」

だった訳です。


「事業」というものはこの「家」にとって「余計な事」であり、正に「大きなリスク」だったのです。


「余計な事(=ビジネス)」などしないで、家作が生み出すキャッシュ・フロー以内で遊び続けてくれた方が先祖代々の資産は守れたという事なのです。


我々一般の人間がこの家訓から学べることは、何でしょうか?

私なりに意訳するとすれば、それは、ビジネスや投資において「余計なことはするべきでない」ということではないでしょうか。


現在、本業とは別の副業を行うことが流行っているようですが、副業をすることで、仮に本業も含めての大赤字に転落するようなことや、または、本来の投資の範疇を超えて「余計な投資」をすることでかえって大損を被ることは、一般的にも多々あることです。


しかし、「一生遊べ」なる家訓、これはなかなか他にはないものだと感じ入った次第です。

ある意味、関西には決してない、実に江戸的というか東京的な家訓?であるとも感じました。




***

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