亘理町で発見 人骨は室町時代

震災の津波で被災し、その後、太陽光発電を建設に向けて造成が行われていた亘理町の工事現場で、ことしの春に人の骨が見つかり、鑑定の結果、室町時代の女性と分かりました。
骨が見つかったのは、震災の津波で被災し、その後、太陽光発電所を建設するための造成工事が行われていた亘理町吉田の工事現場です。
ことし5月に業者が重機で作業を行っている際に、地下で人の骨のようなものが見つかり警察に届け出ました。
警察などが放射性炭素をもとに年代を調べた結果、骨は、14世紀前半から16世紀後半の室町時代に生存していた30代から50代の女性のものとわかったということです。
骨はほぼ完全な状態で発見され、身長は1メートル50センチ代後半と見られるということですが、死因はわからず、女性についての手がかりとなるような遺品は周辺でみつからなかったということです。
警察は先月、亘理町にこの骨を引き渡したということで、亘理警察署の幹部は「これほど古い人の骨がほぼ完全な状態で発見されたことに大変驚いています」と話しています。
亘理町立郷土資料館によりますと、室町時代、亘理町は伊達政宗の重臣として活躍した伊達定宗の先祖の亘理氏が治めていたということで、当時の亘理氏の居城跡地が町内の大雄寺の敷地となっています。
室町時代の遺骨が見つかったことについて郷土資料館の菅野達雄学芸員は「当時の骨が見つかるとは驚いている。亘理町は、昔から湿地が広がっているので、骨の保存につながったのかもしれない」と話しています。

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