ライムの皮で皮膚炎のおそれ

かんきつ類のライムを日光のもとで素手で大量に絞ると、ライムの皮に含まれる物質が紫外線と反応し、人の皮膚に深刻な炎症を引き起こす恐れがあることが松山市の皮膚科医の検証実験でわかりました。


松山赤十字病院の皮膚科の雲財崇医師は、この秋、かんきつ類のライムを日光のもとで素手で大量に絞った男性に、両手の甲が腫れ上がり、その後、皮膚がただれる炎症が出たことを受けて実証実験を行いました。
実験では「ライムの果汁」と、「皮から出るオイル」とをそれぞれ腕に少量塗り、紫外線を10分間あてて調べた結果、皮から出るオイルを塗った皮膚の部分だけが激しい炎症を起こしました。
雲財医師は、「ライムの皮に含まれる『ソラレン類』という物質が紫外線を浴びることで皮膚の細胞にダメージを与えた恐れがある」と分析していて、体質に関係なくこうした炎症が起こるおそれがあるということです。
「ライムだけでは有害にはならない」とした上で「屋外で、素手で絞るのは控えて欲しい」と注意を呼びかけています。
雲財医師は、今月上旬に徳島県で開かれた皮膚科医の学会でこの実験結果を発表したほか、今後、医学誌への掲載も予定しているということです。