制作資金の持ち逃げだ何だと散々言ってくれた人がいたので始めたブログであるが、中々の反響があるようで驚いている。
まあ、企画の失敗を悟った時点で同人界隈からの引退を決めていたからこそありとあらゆる事を書けるわけではあるが、タイトルを回収する前にここで一つだけはっきりさせておきたい事がある。
自分は本来「事故が起きた時に延焼を食い止める」のが天職な修羅場屋・火消し屋であり、普通の編集業は苦手である。
某合同の2冊目も「1冊目で起きた事故を解析して対策を講じる」作業だったから強気で押し通せたのであって、一から企画を立ち上げてハンドリングするのは苦手を通り越して絶望的とも言える作業だった。
しかもその間に本業の仕事が入ってしまいハンドリングが地獄の様相を呈した。ここまでは事実である。
ただし、本業の仕事が終わって戻ってみた時の状況は、本番前から開催準備より終局処理を優先に考えねばならない有り様であった。催行条件が整わなければ準備が進まない(但し天候を除く)というに、最重要催行条件の着荷が日程不明という状況が続き、二週間前には一度延着による催行不能を告知する準備に入らなければならなかった。
普通遅延確定・変更後日程不明と言われたら相手先に乗り込んで直接交渉でけりをつけるのが常識である。が、何故か主宰がそれをやらなかったため膠着状態に陥ってしまったのである。到着日未定のまま準備を進めれば良いという人がいるならこう問いたい。「結局延期・キャンセルになった場合、損害はどう処理するのですか?」
結局着荷が前倒しになって催行可能となった時には突貫スケジュールとなっており、修羅場屋の本領を発揮しなければ間に合うか分からないという状況であった。
本番後の編集が詰まった理由は先に書いた通りだ。普通どう考えてもピント合わせとノイズ対策くらいは設定で調整して詰めるはずなところ、全くやっていない写真群を見て自分の認識は編集から火消し屋に移った。
はっきり言おう。画角だ光源だといったプロの仕事を要求しているのではない、ISO値上限を固定してピントを合わせてぶれないように撮る、というのを要求するのは高望みだろうか?
違うだろう、素人でも「ISO400のフィルムを入れて(ISO400で固定してあるから)、一番撮りたいところがはっきり見えるようにピントを合わせて、肘を身体にくっつけてシャッターを押す」位は頼めばできる。その素人以下の仕事をされたからボツになるのだ。
それなりの経験者に素人以下の仕事をされて怒らないクライアントがいたら教えてほしい、喜んで取材に赴こう。そして開口一番にこう質問するだろう、「貴方はどんな精神修行をしたらそのような悟りの境地にたどり着けるのですか?」と。
タイトルに戻ろう。
悪習とは「現場にいた人間だから」と錦の御旗を振りかざして攻撃する、そして「その人から聞いたから」という理由で追撃する、所謂学級会のことを指す。
敢えてブログにしたのは自分が学級会の被告になることに気付いていたからだ。そして、不幸な事に記憶力の高さには定評があり、主宰が「こんな写真、俺でも現像できないよ」と言った下りを完璧に記憶していたからでもある。
事実上ボツ確定の写真を使えるようにして商品化しろ、という矛盾した要求を受けた人間がどれ程の速度で精神を荒廃せしめるか、古今東西問わず類例に暇がない。その一人として刑場に列された以上、今後の「手続き」の準備を含めて精神が磨耗しきる前にまとめた、というのが実情である。
「編集の真似事」と誰かが称したのを偶然目にした。はっきり書こう、「せめて編集の真似事くらいさせてほしかった、最初から最後まで下手くそな町火消ししかやってないよ」