DMMが一転、シェア自転車参入を「やめた」理由

亀山氏、新規事業の判断軸は「世間の支持」

亀山敬司(かめやま けいし)/DMMホールディングス会長。石川県加賀市出身。税理士を目指して上京するも、露天商に弟子入りし、商売・経営の世界へ。現在、FX、英会話、ゲーム、太陽光発電、3Dプリンタ、VRシアター、アフリカ事業、スタートアップ支援と多岐にわたる事業を展開するDMMグループを率いる。素顔は公開していない(撮影:梅谷秀司)

最近は「この事業をやります!」というふうに旗を立てると、「協力できますよ」という人とか、会社とかから情報が集まるようになった。以前は、新規事業はこっそりやったほうが賢いかなと思っていたけど、やると宣言したほうがいい面もあるのだなと、考え方が変わった。

――世間の見方を気にするようになったのはいつ頃からですか?

もともと、ずっと以前から気にはしていた。ただ昔の、会社自体なるべく目立たないように、前に出ないように……という経営をしていたところから、状況が変わったのは大きい。いろいろな事業を始めて、社員も増える中で、その家族のこととかも考えると、彼らが社会で“迫害”されないように、「ちゃんと考えている会社ですよ」という発信をしていくほうがいいかなと。

自分が外に発信して変わったこと

――”迫害”というのは?

『週刊東洋経済』12月25日発売号(12月30日-1月6日合併号)の特集は「2018年大予測」。DMMグループのこれからについて、さまざまな角度から亀山会長に直撃したインタビューも収録しています

昔からアダルトコンテンツ以外の事業もやっていたんだけど、やっぱり世間はそこのイメージが強い。そんな影響で、社員が社外の会議室を借りるときにはDMMの社名を隠して別の名前を使っていたし、「近所の人にはDMMで働いているなんて言えない」みたいな。それでは社員がかわいそうじゃないかと。

自分自身がいろいろ外に向けて発信するようになってから、うちを取り巻く環境が本当に変わった。最近は自分のパソコンに社名の入ったシールを堂々と貼っている社員も増えたし、一流大学を出た優秀な人がどんどん入社してくれるようになった。実態がそんなに変わったわけでもないのに、世間のイメージっていうのは適当なもんだよね(笑)。

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  • NO NAMEfeae3a77570c
    非上場企業なので、参入発表は意図的ではなかったのは明らか。都内で返却場所が自由な自転車貸し出しをすれば、放置自転車が溢れるのは想像に遠くない。これが中国なら許されるのだろうが、日本では迷惑行為と見なされるのは当たり前。経営者としてモラルのある判断だと思う。
    up73
    down12
    2017/12/22 07:00
  • NO NAME0d42ef464303
    中国でシェア自転車のおこす「公害」は昨年の中頃からすでに問題になっていましたし
    今年に入って地方政府や国が大幅な規制に乗り出してますね
    up37
    down4
    2017/12/22 07:26
  • NO NAME7409401dc5b0
    ノリが軽い!
    up18
    down5
    2017/12/22 08:18
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