この時期、クリスマスプレゼントを買うためにギフトショップを訪れる客は多いだろう。アメリカ、コロラド州のホテルに併設されたギフトショップでも、ホリデーシーズンのこの時期、プレゼントやお土産を求めるお客さんがひっきりなしに訪れる。
すると店のドアから新たなるお客さんがやってきた。
店に入ってきたのはなんと鹿である。トナカイならばサンタの用事的な意味でありえるかもしれないけど鹿だからちょっと違う。
その鹿はゆっくりと店内を見ていたのだが、お買い上げする様子もないのでオーナーのロリ・ジョーンズさんは丁重に外に連れ出した。
ところがその鹿、今度は家族をまるごと連れてまたやってきたのである。
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ギフトショップ立ち寄ったのは野生の鹿
クリスマスも間近に迫り、多くの店が繁忙期に入ったある日のこと、コロラド州フォートコリンズのホテル兼オートキャンプ場にあるギフトショップに毛色の変わったお客が現れた。ていうか全身毛だらけだ。
それは野生の鹿だった。
image credit:Lori Jones
唖然としてしまったロリ・ジョーンズさんだが、よく見るとそれは見覚えのある若いメス鹿だった。彼女は付近で暮らす鹿たちの家長として知られており、たまに家族を連れて外を歩いているのだ。
店内を見て回る鹿。プレゼントを探しに来たのか?
それでもロリさんが知る限り、鹿が店内に入ってきたのは初めてだった。まさか家族に贈るプレゼントを探しにきたとか?そんなロリさんの驚きをよそに、彼女はわりと普通に店の中を歩いていた。
image credit:Lori Jones
最初は緊張していたロリさんだが、慌てる様子もなく、ゆっくりと人間のように商品を見て回る鹿をほほえましく思いはじめた。鹿は、サングラスやスナック菓子をじっくり眺めていたという。
image credit:Lori Jones
一旦はお引き取りいただいたのだが...
ロリさん的にはその光景をいつまでも楽しみたい気分だったが、相手は野生の鹿だ。正規のお客と鉢合わせされても困ってしまう。
そこでロリさんは品定めしている鹿をピーナッツバーで外まで誘導し、その欠片をあげて帰ってもらった。よし、これで一件落着!
・・のはずだった。
さっきのは下見?今度は家族総出でやってきた。
その30分後、店にお客さんが入ってきた。奥にいたロリさんが店頭に出てみるとびっくり!あの鹿がまた店に来ていたのだ。
入口にはさらに3頭の鹿がいる。
家族連れてきちゃったよおい。
image credit:Lori Jones
もしかして、さっきのは下見で「この子たちのプレゼントを選んでいただけませんか?」ってことなのだろうか?メス鹿はロリさんに向かって訴えかけるような目で見ていた。
image credit:Lori Jones
しつけが行き届いてる?店先でじっと待つ小鹿たち
1匹でもびっくりなのにファミリー。突然の出来事に度肝を抜かれたロリさんだったが、落ち着いて様子をうかがってみると、鹿たちはわりと礼儀正しかった。
3頭の中には双子らしき小鹿もいたが、全員外でじっと待っていた。まるで「僕たちも入っていいでしょうか?」とロリさんにお伺いを立てているように見えたという。
image credit:Lori Jones
一家全員にお引き取りいただく
とはいえやっぱり野生動物だし、このままあたたかく歓迎して店にしょっちゅう来てもらうわけにはいかない。
ロリさんはさっきと同じ手を使い、一家を店からかなり離れたところまで誘導すると、最後に手を叩いて大きな声で「子どもたちを連れてお家に帰りなさい!」と叫んだ。
驚いた鹿たちは慌てて跳ねながら森のほうに駆けていったという。
鹿たちはロリさんへのクリスマスプレゼントだったのかも
ロッキー山脈のふもとにあるコロラド州は美しく雄大な自然で知られ、鹿はもちろんピューマやロングホーン、アライグマなどの生息地でもある。
ロリさんのお店があるホテルのHPより。周辺は自然がいっぱいだ
image credit:horsetoothinnandrvpark
それでも野生の鹿たちがこれほど接近する例は珍しく、今回の一件はかなりレアな遭遇エピソードだと現地でも話題になったようだ。
ロリさんは鹿たちの姿はとても美しかった、と語っており「野生動物たちが自然に生きるのは当たり前のこと。でも彼らは本当に素晴らしいわ」と結んでいる。
もしかしたら大自然がロリさんにくれた、クリスマスプレゼントだったのかもしれない。
via:boredpanda / thedodoなど / translated by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
人がふらっと山に散歩に行くように鹿もたまにはね
2. 匿名処理班
動物、特にシカみたいな警戒心の強い野生生物が近付くのは決まって動物好きの人間なんだよね
ロリさんも普段からモフモフを愛していると予想
3. 匿名処理班
ロリさん
という言葉から溢れる神々しさ
4. 匿名処理班
暖かくて食べ物がある場所は誰にでも魅力的だわなw
5.
6. 匿名処理班
鹿のアップが想像以上に可愛い。
7.
8. 匿名処理班
ドアップw
可愛いなぁ。
でも、寄生虫を心配しちゃう現実的な私。
9. 匿名処理班
小鹿たち「かぁちゃんなにここー?」
10. 匿名処理班
年神様か?
11.
12. 匿名処理班
ディアー・マイ・ファミリーに最適な物を探しに来た訳ね(笑)
13. 匿名処理班
最後にきちんと鹿に対して人間は怖いと思わせておいてる
餌付けするんじゃない正しい野生動物との付き合い方だな
14. 匿名処理班
鈴井氏「いらっしゃいま…!シカでした!!」
15. 匿名処理班
「近い、です」
16. 匿名処理班
仕方ないね
17. 匿名処理班
人間サンタ=偽物だから、トナカイ鹿=偽物としてバイトできると思って売り込みに来たのかと思ったw
18. 匿名処理班
すげーな(笑)
でも鹿だししかたないかな
19. 匿名処理班
Dear friend ならぬ Deer friend
20. 匿名処理班
当たり前の様に入ってきて笑うw
家族が店の外で様子見てるのも可笑しくて
涙が出るほど笑ったwww
21. 匿名処理班
いらっしゃいませ、お子様ともどもなんとまあお行儀の宜しいことで。
さぞや清く正しい家庭教育を実践なさってるんでしょうね、鹿のお母様。
・・・このなんともとぼけた空気感がいい感じだ。
22. 匿名処理班
鹿でした
23.
24. 匿名処理班
まあ身も蓋もない話、家族連れてきたのはピーナッツバーあげたからでは……
見たことないモノがたくさんあって物珍しかったのもあるんだろうけど
25. 匿名処理班
※1
NICE!賞
26. 匿名処理班
※22
そして店員はふにゃふにゃのマットでドアを防御していた?
27. 匿名処理班
「山岳地へのクリスマスプレゼント配送のバイト募集に来ました。ええ、トナカイじゃないんでヒマなんですよ。」
28. 匿名処理班
ロリ・ジョーンズさん(厳島生まれ)「コロラドに引っ越したけどやっぱり客として鹿が来るのね」
29.
30. 匿名処理班
最後は叱ったのか?
31. 匿名処理班
まつげがかわいい!
32. 匿名処理班
奈良以外では初めて聞いた
33. 匿名処理班
かわいい
34. 匿名処理班
葉っぱをくわえてたら
もう可愛くてお菓子売っちゃう
でも・・・・・・
やっぱり自然に返すのが
鹿のためにも一番いいんだよね
人に懐いた野生動物は、冬を越せない
35. 匿名処理班
都市の中に野性動物が入ってくると混乱が起こるんだな、共存できないのが悲しいな。
36. 匿名処理班
Oh, dear deer!
礼儀正しくて可愛い。
37. 匿名処理班
いきなり野生の鹿が入ってきたら驚くけど自然の風景が近くにあるお店っていいね
38. 匿名処理班
「ピーナッツバーもらえなかったじゃん、嘘つき~」
「昨日はもらえたのよ?」
という会話を今頃していると思われ。
39. 匿名処理班
宮島も凄いよ
40. 匿名処理班
鹿は可愛らしいしロリさんも優しくてほっこり。
ただこの周辺の野生動物の食物を人間が奪っていないかどうかでずいぶん印象が変わると言うか…
日本でもたった50年で人口が2倍以上になった人間が野生動物の住処を奪って当然現れる熊や鹿に大騒ぎしてるからなあ。
41. 匿名処理班
鹿に何か恨みでも有るんじゃないか?って人が居る…
42. 匿名処理班
子どもたちにもピーナッツバーください。
43. 匿名処理班
トップ画像のセリフがずるいwwwこんなんじわじわくるやろ
それにしてもロリさん偉いなあ
わざと脅かして来ないようにするとは
野生生物との付き合い方をわかっていらっしゃるね
44.