イスラエル・ハイテクベンチャーCEO兼CSの脱&非日本仲間日記

イスラエルの情報科学ハイテクベンチャー会社のCEO兼CSの脱日本&非日本仲間10名が発信する日本への警鐘!

「スパコン補助金詐欺事件の悪質さ:PEZY Computing-ExaScaler社スパコンの実体、勝手にTop500の順位を3位に上げるルール違反、Top500順位を剥奪し永久追放すべし」

2017年12月21日 | エセ化・オカルト化する科学・技術と世界

「スパコン補助金詐欺事件の悪質さ:PEZY Computing-ExaScaler社スパコンの実体、勝手にTop500の順位を3位に上げる姑息なルール違反、Top500順位を剥奪し永久追放すべし」

Bushido:今日も朝日新聞が第一面でスパコン補助金詐欺事件の続報を伝えている。不正極まりない金の私的流用まで斉藤がやっていたとは呆れたものだ。いかがわしい政治の匂いまで立ち込める報道も数多くされている。ここまで暴露されるまでは、斉藤らトップは卑劣な犯罪者であっても、一人の天才的な技術者に率いられて大いなる業をなす技術者集団という、我々のベンチャー観のような会社を始めには想像したが、色々と調べてゆくにつれ、実体の無い詐欺集団であると考えるようになった。やっている事が姑息の一言に尽きる。斉藤らは金には汚いが技術的には全くの素人に過ぎないが、技術者のレベルは大したことは無くとも、結果においては、卑劣な犯罪には加担してきたのだ。



報道-5: 朝日新聞(12月17日)


報道-6:大規模な家宅捜査(東京地方検察庁・特捜部)


1.PEZY Computing の「独自」のPEZY-SC2と称する非力なMPU

スパコンのハードの中核のMPUやインターコネクションは、玉石混交であり、IBM、インテルやNVIDIAまたMIPS、中国の申威などは、プロのベテラン・プロセッサー開発者であるが、MPUとは名ばかりで、インテルやNVIDIAに頼っての、PEGY ComputingとExaScalerのスパコンなど、一部を「動かしての推計」に過ぎず、壮大な大宇宙創世のシミュレーションでもなければ、素粒子を裸にするシミュレーションでもなく、創薬コンピューター評価実験でもなく、気象環境変動シミュレーションでもなく、何でもない。何もやってはいない。「暁光」は、インテルのMPUであるZeonを882個、「独自」のPEZY-SC2と称するMPUを7,056個も使う。そのMPUは1個当たり1,984個ものコアを使うという代物だそうだが、いかんせん、コア当たりの演算性能はIBM、Intel、NVIDIAの10分の1以下に過ぎず、narmuqym指摘の通り、PEGY ComputingとExaScalerには、プロセッサー開発の基本即ち、命令体形の策定と評価、1ビット問題の最適化、MPUアーキテクチャー上のボトルネックの分析と解消、演算処理データー量及びメモリ転送データー量とのバランス問題、MPUチップ内外のインターコネクション、MUX&DeMUX、データー転送高速化のバッファリング手法の検討、コアの冗長設計とその置換手法、OSのポーティング、コンパイラーの高効率化設計、上位C言語アーキテクチャー&機能記述、マクロ設計及び評価、VLSI機能記述、論理合成検証、不純物分布プロセス・シミュレーションと最適化、物理的マクロ回路設計、回路シミューレーション、チップ上のノイズ伝搬、電源&グランド・バウンシング、スキュー等各種タイミング問題解消、クリティカルパス解消、消費電力による熱的集中の解析と分散化、PLチェッキング、評価チップによるFunctionality及びReliability評価、等など無数の高度で深い仕事など、出来ていない事の証拠だ。

PEZY ComputingのMPUなるものの「中身」の情報がない。村(Village)だとか、市(City)だとか、県(Prefecture)だとかに区分されたコア・PEの中身のない無意味な図しかない。画期的なものであるならば、IBMやインテルまたNVIDIAのように、ここぞとばかりに際立った特徴をアッピールするものであり、様々な資料が用意されているが、PEZY-SC2には何もない。

にも拘らず、それをダシに、異様な手段で100億円を越える納税者の収めた税金をかき集め、不正を働いたのだ。それで真っ当なモノなど作れる筈がない。


Figure-1:PEZY-SC2 MPUの「構成」

上記の構成図、とてもアーキテクチャーと呼べるようなレベルではないが、右上のPEの中身を見ると、Program Counter (x8), L1 Instruction Cache (64 x 512, 4KB), L1 Data Cache (2KB), ALU (4 FP/Cycle), Register File (2KB), Local Storage (20KB)と書いてあるのみだ。こんな原始的な記述は無いだろう。大昔の原始的なコンピューターの初歩の図解を見るようだ。このチップの中に2048個ものコア・PUを集積していると称するが、まともな機能を有する制御が出来るとは考えられない。大なり小なりの粗密はあっても、同時2048個(実際には冗長分を除き実際には1984個)が相互に連係する協調制御の下で密接に関連するまとまったデーター演算が出来るとは、筆者は思わない。極めて原始的なPEの単なる配列に過ぎない。

実際のPEの機能がどれ程複雑なものであるのかを示しておく。畏友の大崎勝彦博士の論文を以下に引用する。IBMのPowerPC(その後の各種Power系MPUの原型601)についての特別招待講演の論文だ。MPU開発上の非常に重要な視点での講演であり、1時間の講演予定が、座長が参加者に諮り2時間以上の講演となり、更には懇親会の会場での続きの話ともなった極めて重要な講演であった。筆者は鮮明に記憶している。


Figure-2:大崎勝彦博士講演論文、PowerPC Technology_01


Figure-3:大崎勝彦博士講演論文、PowerPC Technology_02


Figure-4:大崎勝彦博士講演論文、PowerPC Technology_03


Figure-5:大崎勝彦博士講演論文、PowerPC Technology_04


Figure-6:大崎勝彦博士講演論文、PowerPC Technology_05


Figure-7:大崎勝彦博士講演論文、PowerPC Technology_06


Figure-8:大崎勝彦博士講演論文、PowerPC Technology_07


Figure-9:大崎勝彦博士講演論文、PowerPC Technology_08

MPUの制御と言うのはシングル・タスクだけでも大変なものなんだということだ。CELL用に8個のコア・PEを搭載し、冗長性を考慮して7個のコアを同時相互関連動作させることには大変なスキルと人員を要するものであり、PEZY Computingが自称する2048個ものコア・PEを搭載し、単純なGPUのSIMDでの瞬間風速ではなく、複雑な命令体系下で自由に演算処理を遂行するMIMDは、IBMにしか開発できず、1個のMPUでReal Simulationにおいて20TFははじき出す。それを、Power-Zと呼称しよう。単純積和演算の正に積和では、2TFをPEZY-SC2が出したところで、複雑極まりないReal Simulationでは、精々が0.2TF以下だろう。Power-Zの20TFとは100倍の差がつく。単純積和演算シーケンスで、世界NO.1の中国の「申威」は93PFであるが、IBMのPower-Zは5000個で100PFとなり、それを追い越す。

が、実際のところ、PF値自体には余り意味は無い。コンピューターというものは、ソフトウエアあってのモノであるからだ。第4章で論ずる。


2.スパコン開発の必要マンパワーから見たPEZY Computing 及び ExaScalerの虚構


3.彼らの奇怪なスパコン・ロードマップ


4.スパコンで難しいのはスパコンのソフトウエア環境・実働運用環境の構築だ。それが無ければただの産業廃棄物だ。


5.勝手にTop500の順位を3位に上げる姑息なルール違反


6.よって、Top500順位を剥奪する




Bushido (narmuqym, 旅するベテラン, invisible-force, Hetero, MASADA, rainbow, weather_F, anti-globalism, geno_computing, Bushido)
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  国際的にビジネスを行ってきたハイテク関係者のグループとして、警鐘を発信する。時事的な問題や長期的観点での警鐘に留まらず、趣味的な事柄まで幅広くメンバーの自由な意思でWebLog掲載することにした。メンバーのプロファイルは以下の通りである。

  narmuqym:HP&SUN研究所を経て、米国にハイテクベンチャー設立。最先端ニューラルMPUの研究開発を推進。現在はイスラエルのハイテクベンチャーのチーフサイエンティストに就任。知能の情報処理の根源を研究している。

  旅するベテラン:東芝中央研究所、半導体事業所にて高密度メモリーのプロセス及びデバイス開発に従事するも、バブル崩壊により全滅の定まった日本の半導体業界を去り、韓国サムソン中央研究所にて、韓国半導体技術を育成指導。現在は台湾の最大手半導体会社にて、高付加価値半導体事業を統括、取締役。

  invisible-force: ウイスコンシン大学、イスラエル工科大学教授。細胞内量子論的化学物理過程の情報処理、核外化学構造体の情報、DNA合成、大腸菌内DNA置換、動物細胞内DNA置換、神経細胞の情報処理、知能と学習などの研究に従事。イスラエルのバイオハイテクベンチャーCEO。

  Hetero:ベル研究所にて化合物半導体物性、超高周波デバイス、マイクロ波集積回路の研究開発に従事し、世界初の衛星放送システムを開発。レイセオンにて巡航ミサイル飛行制御システムの開発、イージズ艦戦闘情報処理&アタック制御システムの開発に従事後、イスラエルにハイテクベンチャーを設立。情報デバイド解消型の新型情報端末の研究開発に取り組む。

  MASADA:日電にて衛星通信システム、超多重無線伝送方式、通信路確立制御方式の研究に従事後、米国のATTに移り携帯電話システムの研究開発、その後次々世代MM携帯電話方式を完成。シリコンバレーにてハイテクベンチャーを興し、通信大手を圧倒している。

  rainbow:ウエスチングハウスにて原子力発電の研究開発に従事、その後GEにて新しいエネルギー変換方式の研究、各種発電方式の研究に従事。その後、シリコンバレーにハイテクベンチャーを興し、超低コスト新型太陽電池の研究開発を推進。その後、太陽電池・風力は永遠に採算の取れない環境破壊の元凶であると喝破し、コンパクトな自律原子力発電方式の研究開発に戻る。

  weather_F:スタンフォード大にて環境気象及び資源の代替化を研究。気象センターにて地球規模大気循環シミュレーション、環境変動の研究に従事した後、ミニマム生活を提唱するNPOを設立し、代表として啓蒙活動に取り組む。

  anti-globalism:ハーバード大準教授後、日・イ間のハイテクベンチャー協業支援、事業戦略支援会社を日本とイスラエルに設立、妻は日本人。現在はハーバード大ビジネススクール教授。

  geno_computing:モスクワ大学・分子生物学教授を経てイスラエルに移住。テクニオン教授を経て遺伝子工学のベンチャー設立。DNAによるコンピューターの研究をメインに新しいセンサーによる次世代シーケンサー及び解析ソフトウェアを開発。

    Bushido:日立中央研究所にてRISCプロセッサー及びDSP、また画像処理システムLSIの研究開発に長年従事し、古い友人の大崎博士には様々に感化を受け、国際的視野に立っての仕事をすべく、日立中研を退社してサムソンに招かれ、現在サムソン電子の終身フェローの立場にあり、イスラエル・ハイファにて、自由な立場で異分野も含めて新しい発想にチャレンジ。MASADAとは剣道仲間。5段。
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