ビットコインを買い込む日本人投資家の末路
日本人はいちばん遅れてブームに乗ってきた
木本:ビットコインは投資の素人の方が熱を上げているようで、それもまた怖いなあと思っています。じっさい危ないぞ、となったら、素人はすぐに手放すので一瞬で暴落するんじゃないかと。
中島:株もやったことがない、投資信託もやったことがないというような人が、いきなりビットコインに手を出しています。だから非常に危ないなと。
木本:僕ですね、まさしく。何も知らずに買った怖さがあって、買った自分を正当化したいんです。知らないでやるのが怖いので、だからちゃんと勉強しているんですが、今日の講義も含めて知れば知るほど怖いと思います。
ビットコインは根拠なき熱狂だ
中島:仕組みに疎い人ほど楽観的で、「まだまだ行くでしょ」と言いますが、詳しい人ほど危ないと言っています。日銀のフィンテックセンター長だった岩下直行さん(京大教授)も警告しています。ノーベル経済学賞を受賞しているロバート・シラーさんは、「根拠なき熱狂の最も典型的な例がビットコインだ」と述べています。
また、JPモルガンチェースのCEOジェームズ・ダイモンさんは「ビットコインはチューリップバブルよりひどく、いい終わり方はしないだろう」と言っています。理論や実務に詳しい人ほど危ないと発言していますが、知らない人ほど「まだまだ上がるでしょ」と、楽観的です。ですから、いろんな意味で気をつけたほうがいいと思います。
木本:今回教えてもらった危険性をわかったうえで、期間限定ゲームとしては面白いのではないかと、僕は感じました。
中島:リスクはわかったうえで、なくなっても困らないおカネでスリルを味わう分にはいいんじゃないでしょうか。
木本:不動産や金のような長期的な投資として挑むものではないのはわかりました。短期の投機ですね。それを世の中の人がわからないと、ビットコインのえげつないニュースがはびこるのではないかなと思います。
中島:生命保険を解約して、その資金でビットコインを買ったという話がネットに載っていましたが、そういう必要資金による投資はまずいなと思います。ビットコインを買いたいと言ってきた知り合いのお年寄りにも「85歳の人は買わないほうがいいですよ」とアドバイスしました。
木本:ありがとうございます。とても勉強になりました。
(構成:高杉公秀)