Appleが、iOSデベロッパー向け利用規約の一部を構成する「App Store審査ガイドライン(App Store Review Guidelines)」を改訂。
ルートボックス、すなわち有料でランダムに仮想アイテムが出現する仕組みまたはそれに類似するものをアプリで販売するときは、各々の得られるアイテムの種類ごとにそのオッズすなわち確率を開示しなければならない、というルールを、3.1.1の一番最後の箇条書きとして追加しました。ガチャ確率開示の義務化です。またいつものごとく、オフィシャルな予告なしに、突然にです。
▼App Store Review Guidelines
ガイドラインの日本語版はまだ本日現在改訂されていない模様。
比較のためこちらも画像をはっておきます。
“the odds of receiving each type of item”とありますが、このeach typeがどの粒度を指すのか、つまり、個別アイテムの確率開示を義務化しているのか、それともS、A、Bレアといったなんらかのグルーピングをした確率開示で許容されるのか。ここが一番の論点でしょう。
といっても、業界の有識者は、この流れは推測できたことだろうと思います。弊ブログでも11月23日に「STARWARS BATTLEFRONT2がガチャ規制の虎の尾を踏む」と題する記事を書いたとおり、米国ハワイ州議員が、他州の議員を巻き込んでルートボックスへの規制の必要性について言及をしていたからです。
未成年のアプリ内購入があまりにもかんたんにできてしまうことについて、過去FTCからの制裁も受けているApple。以降、この手のリスクはもう負えないと判断していたはずで、11月のこの動きが見えた段階で、プラットフォーマーとしての確率へのなんらかの規制はせざるを得ないと判断したものと思われます。そのころに、Appleから上位デベロッパーに対しては、何らかの打診が事前にあったかもしれません。
業界最大手のアプリでも、確率を開示していないものが存在します。その中でどういう影響がでるのか。そして、そうした大きな影響を与える力をもったプラットフォーマーに、売上にも直接影響を及ぼすような重大な利用規約変更権限を無制限に与えていていいものか、このブログではずっとそのことについて問題提起し、しかるべき方々にもお話をお伝えしてきました。議論すべき時はとっくに過ぎてしまっているようにも思うのですが。