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深刻被害なら見直し 米原風力発電計画で業者

 米原市と岐阜県関ケ原町にまたがる鈴鹿山脈で建設が計画されている風力発電施設で、事業者の「ジャパン・リニューアブル・エナジー」(東京都)は二十日、鳥が衝突する「バードストライク」によって「イヌワシだけでなくクマタカにも深刻な被害が出るなら、調査の上で事業計画を見直す」と明言した。米原市環境審議会での質問に答えた。

 県や市に建設中止を求める意見書を提出した日本イヌワシ研究会の現地調査報告によると、クマタカは計画地から二キロの範囲に四つがいが生息。滋賀県側の五百メートル地点では一つがいの巣も発見されている。国の天然記念物ではないが、絶滅危惧種に指定されている。

 市環境審議会は学識経験者や市民ら十四人で構成。委員からは、資材搬入などに伴う環境改変の懸念が示された。市は年内に審議会の議論を踏まえた意見書を県に提出する。

 計画は現在、環境影響評価(アセスメント)の初期に当たる「環境配慮書」の段階。配慮書では、これまでに国天然記念物のイヌワシや、クマタカが風車に衝突する危険性を指摘している。山林約一六四・四ヘクタールに最大七基の風車で二万三千八百キロワットを発電する予定。

 (大橋貴史)

 

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