大林副社長と大成元役員、業界団体会合で顔を合わせることも
リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、大林組(東京都港区)の副社長と大成建設(同新宿区)の元常務執行役員が大学時代の同級生で、ともに受注調整に関わっていたとみられることが捜査関係者への取材で分かった。東京地検特捜部と公正取引委員会は、親交のある2人が大手4社の受注調整で重要な役割を果たしたとみている模様だ。
捜査関係者らによると、受注調整にかかわったとされる大林組の副社長は、5人いる同社の代表取締役のうちの土木担当。東京都内の私立大理工学部を経て同社に入社し、土木本部統括部長や土木本部副本部長などを経て現職となっている。
特捜部は、既にこの副社長から任意で事情聴取を進めている。副社長は、大林組が鹿島(同港区)に断念を迫って受注したとされる「名城非常口」(名古屋市中区)の工事では、安全祈願式にも出席したという。
副社長は昨年1月、土木業界の業界誌がゼネコン業界の将来展望について記事を掲載した座談会にも参加。他の大手3社の幹部と懇談し「今、社会が変わり、新しいニーズが出てきている。ゼネコンはこれを受けて、次のビジネスに踏み込む変革期を迎える」などと発言している。
一方、大成建設の元常務執行役員も同じ私立大理工学部出身で大林組の副社長と同級生だったという。関係者によると、この元常務も特捜部の任意の事情聴取を受けたとみられる。
ゼネコン関係者によると、リニア担当者は業界団体の会合などで顔を合わせることも多かったという。また、同じ大学の同級生や先輩後輩の関係で結びつきを深めたケースもあったとしている。【島田信幸、森健太郎、二村裕士朗】