■リモコンで殴打
さらに日馬富士はカラオケのリモコンで貴ノ岩の頭部を数回殴打。これを見た白鵬は日馬富士を制止して室外にいったん出したが、その後、戻ってきた日馬富士が再び貴ノ岩に「ちゃんと謝れ」と述べ、素手で1~2回顔をたたいた。貴ノ岩が「申し訳ありません。これからは気を付けます」と謝罪したため、暴行をやめた。
日馬富士は鶴竜に対しても「おまえがちゃんと指導しないからだ」と叱責。照ノ富士に対しては「稽古に気合が入っていない」「何か聞きたいことがあれば言いなさい」と説教。照ノ富士が正座して「自分達は思っていることは言えないんで。壁があるので」と答えると、「壁はおまえたちがつくっているんだよ」と、素手で1~2回、頬を軽くたたいた。照ノ富士は「ごっつぁんです」と応じた。
貴ノ岩は頭皮が切れて流血し、手首にあざができた。暴行を受けた時間は数分程度。素手での殴打の回数は十数回に及んだ。貴ノ岩は、LINEの返事をしたことは無礼なこととは考えておらず、日馬富士の暴行が理解できなかった。周囲の者が止めに入らなかったことも疑問に感じていた。
またラウンジからの帰り際、貴ノ岩から「(日馬富士から自分は)何で殴られたのか」と尋ねられた石浦が、「ビール瓶とデンモク(リモコン)と思う」と返答した。だが、石浦自身は直接目撃していなかった。一部報道にあったビール瓶による殴打や馬乗り、アイスピックを持ち出したといった事実も認められなかった。
■暴行の後、握手
26日、貴ノ岩は日馬富士に「昨日、すいませんでした」と謝罪し、握手を交わした。頭の負傷について、師匠の貴乃花親方には「酒を飲んで階段から落ちた」と説明したと話した。
日馬富士は握手によって解決したと思い、師匠の伊勢ケ浜親方には報告しなかった。白鵬と鶴竜もそれぞれの親方には報告していなかった。だが貴ノ岩が握手をしたのは、地元の高校関係者の助言によるもので、自身が納得していたわけではなかった。