抗議デモが暴徒化、6人死亡 イラクのクルド人自治区

2017.12.20 Wed posted at 19:05 JST

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(CNN) イラク北部のクルド人自治区で19日、自治政府「クルディスタン地域政府(KRG)」に抗議するデモ隊が暴徒化し、少なくとも6人の死者が出た。

KRGが実効支配するスレイマニヤ県では18日から、給与の未払いに抗議する公務員や水道や電力など公共サービスの向上を求める市民らがデモを展開。19日には同県のラニアなどでデモ隊が治安部隊に石を投げ、主要政党のビルや車に放火するなど暴徒化したという。

ソーシャルメディアに投稿されたビデオには、KRGのマスード・バルザニ前大統領のポスターが焼かれ、群衆が歓声を上げる場面も映っている。

地元保健当局の責任者によると、ラニアではデモの最中に5人が死亡した。また匿名の治安筋によれば、1人が搬送先の病院で死亡した。治安部隊側でも数人が負傷した。

前大統領のおいに当たるKRGのネチルバン・バルザニ首相はフェイスブックを通した声明で「皆さんの不満は理解できる」「平和的な意見表明はもちろん合法的な民主的権利だ。しかし暴力は決して容認できない」と述べ、平静を呼び掛けた。

KRGは油田都市キルクークの帰属などをめぐってイラク連邦政府と対立し、2014年から連邦予算の配分を停止されて経済状況が悪化していた。今年9月に独立を問う住民投票を実施してからキルクークの支配を失ったうえ、近隣諸国との関係も悪化してさらに苦境に陥り、公務員の給料支払いも滞っている。

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