一面滋賀・呼吸器事件の再審決定 西山さんに大阪高裁
滋賀県東近江市の湖東記念病院で二〇〇三年、入院患者の人工呼吸器のチューブを外して殺害したとして、殺人罪で服役した元看護助手西山美香さん(37)=同県彦根市=が申し立てた再審請求で、大阪高裁(後藤真理子裁判長)は二十日、再審開始を認める決定を出した。 確定判決によると、事件は〇三年五月に発生。看護助手の待遇に不満を持った西山さんが宿直中の未明の病室で、植物状態だった男性=当時(72)=に装着されていた人工呼吸器のチューブを抜き、殺害したとされる。 西山さんは〇四年七月に逮捕されたが、公判で否認に転じた。〇五年十一月の一審大津地裁判決は「自白は自発的で迫真性もある」などと判断。懲役十二年を言い渡し、最高裁で確定した。 西山さんの再審請求は二度目で、服役中の一二年九月に申し立てた。弁護団は高裁の審理で「致死性不整脈で死亡した可能性が高い」とする医師の意見書を新証拠として提出。患者の死因を急性の低酸素状態と認定した確定判決と整合しないと主張していた。 さらに、心理学者の意見書も証拠提出し、対人関係で迎合しがちな特性があるとも主張。西山さんは自白の理由を「取り調べがきつくなった同僚看護師をかばおうと思った。刑事に好意を持った」などと話していた。西山さんは和歌山刑務所で服役し、今年八月二十四日に満期出所した。 今、あなたにオススメ
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