経営陣から事業部メンバーまで、社内一丸となってスカウト。綿密なイメージの共有で、25 名の採用が決定!
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」をビジョンに、BtoBシェアリングエコノミーを活用した印刷・物流サービスを展開するラクスル。まだ IT化が進んでいない大きな産業にテクノロジーを融合させ、産業構造を変えてきた企業です。
ラクスルは東京・目黒にオフィスを構えるほか、京都・烏丸にカスタマーサポート機能も設置しています。今回お話を伺った人事部の大原一峰さんと笠置由子さんは、お 2 人とも入社して約1年。入社時にはすでに取り入れられていた Wantedly を、現在はどのように運用されているのかお話をうかがいました。
社内でのイメージの共有は、大変なくらい綿密に
ラクスル人事の大原さん
—Wantedly にはすぐに慣れましたか?
笠置:他のツールと比べると候補者とのコミュニケーションがフラットなので、最初こそ戸惑いましたが、会ってその次のステップに進むまでが断然早いことはメリットだと思いました。お互いの状況を細かく伝えあうことができるのも良かったです。
—中途採用だけでなく、新卒採用でも使っていただいていると聞いています。
大原:はい。約 1 年で中途が 20 名、新卒やインターンが 5 名の計 25 名が Wantedly 経由して入社が決定しています。
—具体的にはどのように運用されているのでしょうか?
大原:採用の全体像で言うとこの 2 年ぐらいはダイレクト・リファラルリクルーティングが 100%を占めています。その中で Wantedly はスカウトメインで運用しています。弊社では各求人の採用オーナーは人事ではなく、主に採用部門の部長やマネージャーが担い、採用オーナーが採用責任を持ちます。スカウトも採用オーナーを中心に人事も協力して行いますが、それ以外にも他部門や経営陣が「良さそうな人がいたからスカウトしておいたよ」と、会社をあげて動いています。
—スカウトする判断基準はありますか?
大原:それぞれの採用枠によって異なります。採用枠が発生するタイミングや週次の採用進捗mtgで経営陣や各部門長とかなり細かなところまで擦り合わせるようにしています。職種や応募要件、入社後の期待や責任、将来にわたって事業にどんな影響を与える人なのか、どんな人がどんな理由で応募してくれているのか、または異動や組織変更など採用以外の手段で解決できないのか等々。議論をつくしてイメージを固めています。
笠置:イメージの共有ができているからこそ、「うちの部門とはちょっと合わなさそうだけど、そっちの部門だとどう?」といった社内でのやりとりもスムーズです。
スカウトのメッセージ作りには時間をかけず、シンプルに統一
最近リニューアルされたオフィスにはなんと空中庭園が…!?
—相当な数の候補者とやりとりされていますよね?
大原:面談のピーク時は 1 日に 20〜30 名くらいのペースで進めていましたね。
—それだけの人に面談に来てもらえるポイントは何でしょうか?
大原:最近の潮流とは逆行するかもしれませんが、みんながスカウトを送るハードルも考え、スカウト文面の個別カスタマイズは極力抑える工夫をしています。Wantedly は転職目的以外の人も利用しており、通常の転職メディアとは異なり転職潜在層にアプローチできるのも我々からみた魅力ですが、転職目的・書類選考目的で経歴が記述されているわけではないので情報量が限られるケースも多い。足りない情報から無理に想像して個別カスタマイズするより、ファーストコンタクトでは我々はスカウト対象者のことを何も知らないという前提に立ち、我々が何者なのか?何を目指していてどんな課題があるのかをシンプルにお伝えして、スカウト対象者自身にラクスルで何ができるのか考えていたくようにしています。
—メッセージはシンプルに。数を打ってきたからこその実感なんでしょうね。
笠置:シンプルで力強いメッセージングのスカウトができる背景には会社のビジョンがあります。「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」「テクノロジーの力で古い巨大産業の産業構造を変える」この実現はラクスルにおいて最重要事項。経営の各種意思決定のど真ん中にあり、また社員がこの会社を選ぶ理由です。上辺の言葉ではなく、理想も実情も端的に伝えて共感を得ているからこそ、意欲の高い方が高確率で返信をくださったり、入社された方にギャップなく活躍いただけるのだと思います。
お互いの理解度が高まったところでミスマッチを減らす工夫を
ペダルを漕ぎながら仕事ができるデスクは大原さんの提案で導入されたのだそう
—Wantedly だからこそ、こんな人に出会えたといった経験はありますか?
大原:先述の通り転職活動をしていない方に数多く出会えました。「転職先を探しているわけではないんですけど、ビジネスやオフィスに興味があるのでそれでもよかったら」という感じで。弊社の場合、会社のアカウントからではなく、メンバーそれぞれが個別にメッセージを送るので、「この人からスカウトがきた!」と人の顔が見える。それもあって転職意欲がなくても、遊びに来やすいのかなとも思います。実際にそこから関係性を築いて、後々入社していただいた例もあります。
—選考過程で、ミスマッチを減らすために心がけていることはありますか?
大原:経営陣や採用オーナーがスカウト活動に協力的な分、人事は候補者により近い存在であることを意識しています。リファラル・ダイレクト100%だとエージェント採用と違って候補者側に寄り添う人がいないので、採用数を事業側のオーナーが追ってくれる分、我々は入社後の満足度や活躍度によりフォーカスして仕事をすることができます。
例えば、弊社の場合、事業に工場や物流といった要素が絡むため、一般的なネット企業よりも実務イメージがしにくい職種もあります。そんなときは、取引先に許可をとって一緒に現場に足を運んだり、毎週金曜日に各チームが社内で実施している振り返りmtgを見てもらったり、また社内で実務に近い状況を体験し入社後のイメージを作る採用プロセスも用意してます。転職という重要な意思決定を正しくしてもらうための相互理解の向上に人事のパワーを割いていますね。
—金曜日の振り返りは、どういったことをされるのですか?
大原:金曜日夜になると、各チームごとに事業開発、PM、エンジニア、デザイナーなどが集まってお酒やお菓子を用意し、一週間の振り返りをします。リラックスした雰囲気の中でチームメンバーひとりひとりがgood、badの発表をおこない、それに対する改善を一緒に考えたり、お互いに抱えている業務や場合によっては感情までも共有し、よりよいチームにするために何ができるかを議論します。
笠置:最初はあるチームが自発的にはじめたことだったのですが、それが気づくといろんなチームに広がっていて、最終的にお酒やお菓子を会社から提供することに決めました。会社主導ではなく、メンバーの中から主体的に始まって、その後会社がルールにするという形でした。その様子はWantedly Feedでも紹介しているので是非ご覧ください!
大原:良い面だけを見せるのではなく課題や、普段の様子を見ていただくことはミスマッチ対策としても良いですし、社員や採用候補者の大切な人生に対して会社や人事がどんな姿勢で臨んでいるのかを体感してもらう機会にもなっています。
ラクスルさん、取材へのご協力ありがとうございました!!
人事部以外のメンバーも積極的に採用に関わっている体制が素晴らしいですね。
また、はじめから候補者と企業という立場ではなく、まずはお互いを理解し信頼関係を構築する姿勢を大切にされている点も、大変参考になりました。
今後も Wantedly をお使いくださる皆さまのストーリーを紹介していきます。 どうぞ、お楽しみに(^^)
Writing:Hiromi Kajiyama
Photo :Ryosuke Iwamoto