何を食べても美味しい店ってあるよね? 僕にとって、そういうお店の一つが藤沢駅前の中華料理屋「大新」で、僕の青春の1ページであったりもする。藤沢駅前の繁華街ド真ん中にあって、早朝まで営業し、そのうえ何を食べても最高に美味しいので、キャバクラやクラブでヘビーに飲んだあと、「締め」でよく通っていたのだ。
▲らんぶる街とは…。
キャバ嬢とのアフターでちょめちょめに失敗した僕を癒してくれた優しい味。もちろん結婚する前の話だ。キャバクラやガールズバーで過ごした楽しいはずの時間は、6年間の素晴らしい結婚生活ですっかり忘れてしまったけれども、大新で食べたラーメンだけはいつまでも忘れられない。40年以上の歴史があるお店なので同じように思っている地元民も多いのではないだろうか。藤沢のソウルフードといって大袈裟ではないはずだ。
▲藤沢の繁華街。サイコー。
不思議なもので長く夫婦をやっていると、阿吽の呼吸というのだろうね、言葉は要らなくなってくる。そんな話を僕は幻想だとバカにしていたのだけれど、今、僕たち夫婦は筆談中心で言葉を交わさない関係になっている。そんな妻のことを忘れるために、キャバクラ嬢のゆうちゃんとの熱い記憶(ちょめちょめは叶わず、浜松の男と結婚)を思い出しながら久しぶりの大新さんを訪れてみた。
▲クールかつ大衆的な外観
お店は夜遊び全盛期の頃とほとんどというか、まったく変わらない雰囲気であった。数年前40周年を機にリニューアルをしたという噂を聞いていたのだがどういうことだろうか…。レトロ感を残すための高度なリニューアルなのか。繰り返すが藤沢市民のソウルフード店で、何を食べても美味しいが、なんといっても美味しいキングオブソウルフードは「大新ラーメン」である。チャーハンもパラパラで絶品だが僕はだいたい大新ラーメンをオーダーしている。僕の記憶が確かならば昔は「大新めん」という名だった気がするが変わってしまったのだろうか。7年という時間はその密度に個人差こそあれ、物事を変えてしまうには必要十分な時間だ。ラーメンの名前も。妻の僕への態度も。やれやれだ。
大新ラーメンどーん。正直な感想をいってしまうと全体的に茶色っぽく、具材に立体感がないので、今風な表現をするならばインスタ映えしないルックスである。しかしこのラーメンは滅茶苦茶考えられている凄いメニューなのである。まず餡かけに挽き肉とザーサイがたっぷり入っているので、挽き肉のジューシーさとザーサイのサクサクとした食感の違いが楽しい。強くも弱くもないほどよいトロミがあるので温かいまま食べられる。それでいて醤油ベースで薄口だが味付けは深く、お酒を飲んだあとにぴったりなのである。
▲リフトアップの邪魔にならない絶妙なトロミ感の餡かけ
▲麺は細いです。
餡かけと細麺のからみも絶妙で実にクセになるラーメンなのである。そして半ライスにこの餡をかけて食べるとサイコー。ラーメン本体と大新餡かけ半ライスとを交互に食べる最強ループの完成なのである。
▲ごはんに載せても美味しい餡かけ。スープも一緒にかけると最高。
久しぶりに食べたけれども、まったく変わらない味。非常に美味しい。だが僕はこのお店に妻を連れて来ようとは思わない。僕だけの場所、そして大新ラーメンにしていたい。キャバ嬢とのスイートな記憶を辿れる秘密の場所は大事にしたい。もっとも、現状、誘ったところで妻が応じてくれるとは思えないけれども…。兎にも角にも僕の思い出の味、地元民以外にも大新ラーメンの美味しさを味わってもらいたい。藤沢駅前の中華屋大新さん超おすすめなのである。ではまた。ゆうちゃん…。
▲豊富な具材。
▲どれもこれも美味しい。
▲お店への階段がデンジャラス
▲ザ昭和なステキすぎる外観。
▲素晴らしい町並み。あの頃に帰りたい。もちろん嘘である。
今回紹介したお店
- ジャンル:ラーメン
- 住所: 〒251-0055 神奈川県藤沢市南藤沢23-10
- エリア: 藤沢
- このお店を含むブログを見る | 藤沢のラーメンをぐるなびで見る
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
書いてるサラリーマン
フミコフミオ
海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です(再就職しました)。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。最近は諸行無常を嘆く日々。更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!
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