結論から書こう。
「SNSはネットワークが密になるほど投稿が希薄化していく」
つまり、Facebookは時間が経つほどに”いいね”がもらえなくなる構造なのだ。
それも不可逆的に、だ。
プラスに働くハズのネットワーク効果が一定以上密になると”負”に働くのだ。
SNS疲れという嘘
「SNS疲れ」というワードがメディア上で散見されるが、それは嘘である。そもそもSNS全体でみればユーザー数が減っているという証拠はない。
減っているのは大手SNS上での”投稿数”である。
なぜ減ったのか。
SNSに疲れたから?
ちがう。
”いいね”がもらえなくなったからだ。
ネットワークの負の効果
Facebookの今と昔のネットワークを図で例えよう。
昔のFacebook
昔のFacebookはユーザー数の割に友達同士が繋がっていなかったので、このような形になっていた、としよう。
・ユーザー数は5人(仮)だけ。
・つながる友達は少ない。
するとこうなる。ネットワークの密度は薄い。
だから投稿しても閲覧する人は少ない。だが他の友達の”友達数”も少ないので、雑な投稿でもレスポンス(いいね)は期待できる。
今のFacebook
一方、今のFacebookはこうだ。ネットワークの密度が大きく増した。
ユーザー数は変わらなくても、友達同士がたくさんつながったので、その分投稿を見てもらえる対象が増える。
一見良いことのように思えるだろう。だが違う。
同じ投稿でも、なぜかレスポンス(いいね)が減ってしまうのだ。
理由は簡単だ。
Facebook内の総投稿数が変わらなくても、”平均友達数”が増えた分だけフィード内に表示される投稿が増えるのだ。だが閲覧できる投稿数には上限がある。
つまりFacebookユーザーが許容できる”平均友達数”を超えてしまい、大半の投稿が友達に届かなくなったのだ。
※だからFacebookはフィードに表示する投稿をアルゴリズムで管理している。
ネットワークが負の効果をもたらしたのだ。投稿の希薄化である。
Facebookのユーザー数は20億だ。その膨大な数字の中で毎日ネットワークの密度が濃くなっている。
参照:Leveraging Social Graph Tools - Case Study
例えFacebookのユーザー数が減ったとしても、つながる”平均友達数”は増加する。決して減ることのない構造だ。
あなたの”友達”の友達数が増えれば増えるほど、あなたの投稿は目立たなくなる。だからあなたの投稿への”いいね”は年々減っていくのだ。
これが昔はもらえたハズの”いいね”が今はもらえない理由だ。
もはや「今日も元気にがんばろー☆」と、おじさんが呟いても1いいねが限界だろう。
いいねがもらえないからこそ投稿数が減っていくのである。
これこそが”SNS疲れ”の真の理由である。
ここから先の文章は余談だ。余力がある人以外は読まない方が良い。
SNS全体の投稿欲求は増え続ける
どんなSNSも国単位でみれば成長は鈍化する。だが、繋がる友達数は増え続ける。良いSNSであればあるほど、だ。
つまり良いSNSほど”いいね”がもらえなくなっていく。
だがユーザーの発信欲求は減ることはない。むしろスマホ人口とともに増え続けるだろう。
これが何を意味するのか?
巨大SNSはロム専と化し、投稿欲求を満たすべく細分化された特化型SNSが続々と誕生していくのだ。SnowやNewspickが良い例だろう。
これは構造的上の問題だ。
巨大SNSは必ず細分化した市場の余地をもたらす。
だから自分で新しいSNSを作ってみた(←おい)
巨大SNSはロム専と化し、特化型SNSが続々と誕生する。
この構造的な仮説をもとに、新しいSNSを立ち上げました(唐突)。
その名も「LIST」。
リーディングリストのリスト。つまり「読むことに」特化したSNSだ。
「Instagramの記事版」だと思ってほしい。
だから記事URLをコピーしないと投稿すらできない。※ここ大事