こんにちは!たけしです!
FUJIFILMの広角ズームレンズ『XF10-24mm F4 R OIS』を1年以上使ったので、レビューを書こうかと思います。
結論から書くと、「買ってよかったです!!!」
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購入理由と他に検討したレンズ
広角レンズが欲しい理由として「自然風景や建築物を撮りたいから」というのが多いのではないでしょうか?私も例に漏れず、ダイナミックな風景写真が撮りたくて広角レンズの購入を検討し始めました。
私は当時『XF35mm F2』と『XF18-135mm F3.5-5.6』を使っていたので、少なくとも18mmよりも広角のレンズを選ばなければ望んだようなダイナミックな風景は撮れないだろうなと思ってました。となると、選択肢は自然に以下の4本に。
- XF10-24mm F4 R OIS
- XF14mm F2.8 R
- XF16mm F1.4 R WR
- Touit 2.8/12 (カールツァイス)
(こう見るとXマウント用の広角レンズって高いなぁ・・・。)
いきなりですが、超広角から広角と言われる画角で写真を撮るのって難しくないですか・・・?なんでも画角に収まってしまう広角レンズが未だに苦手です。
「苦手意識のある広角レンズに単焦点レンズを選んでしまうと使いこなせないような気がする」という、ある意味逃げの発想からズームレンズであるXF10-24mmを選びました。今でもこの選択は正解だったと思っています。
XF10-24mm F4 R OISの特徴
絶妙な焦点距離
レンズ名にもなっている通り、このレンズの焦点距離は10mmから24mmです。但し、APS-Cのカメラに装着するので35mm換算15mm-36mmの画角になります。
個人的には、この焦点距離が絶妙だと思っています。
というのも、先に書いたとおり購入時に「広角レンズを使いこなせるかなぁ」という漠然とした不安がありました。ですが、このレンズは35mm換算36mmという日常的に使いやすい画角までズーム出来る訳ですから、買った後に「あまり広角側使わないな」と思っても保険がききます。
広角レンズならF4でも問題なし
このレンズの開放絞り値はF4で、最小絞りはF22です。ズームしてもF値が落ちない『F4通し』と呼ばれるレンズです。
明るいF値が大好物な人にとって『F4』という値は満足出来ないかも知れませんが、広角レンズで撮るであろう自然風景や建物という被写体は総じて絞って撮るものが多いです。そういう点ではF4で問題なしだと思っています。星を撮る方だともっと明るい方がいいのでしょうか。
FUJIFILMは2018年にXF8-16mm F2.8という所謂『広角大三元』を発売しますが、私はF4通しのままでいいかなと思っています。F2.8になると、レンズのサイズが大きくなり、レンズの重量が増え、価格が高くなっちゃいますしね・・・。(そもそも買えない)
絞り形式
絞り羽根は7枚の円形絞りです。
羽根が7枚なので絞った時に出る光芒は14本出ます、少々やかましいですね。個人的には8本の光芒が好きなのですが、そこまでこだわらないので別にいいです。
最大撮影倍率
望遠側で0.16倍なので35mm換算にすると約0.24倍でしょうか。
極端に寄れる訳でもなく、寄れなさすぎてイライラするという数値でもないかなと思います。
手ブレ補正を搭載
このレンズは光学手ブレ補正を搭載しています。
ですが、『広角である』ことと『風景写真なら三脚を使って撮る』という2つの理由から、「手ぶれ補正は別になくてもいい」というのが率直な感想です。もちろんあるに越したことはないのですが。
サイズ・重量・フィルター径
先端よりマウント基準面までの長さが87mm。
重量が410gなのでちょっと重いです。
フィルター径は72mmです。
XF10-24mm F4 R OISの外観
まずはサイド側のスイッチ類。
スイッチは2種類で、『絞りをマニュアルにするかオートにするかを切り替えるスイッチ』と『手ぶれ補正のオンオフスイッチ』の2つです。
三脚装着時以外は手ぶれ補正を切らないので、基本はこの状態になっています。
こちらの画像にある下側のリングが絞り環です。見切れている上部のリングがズームリングで、その下にかかれている数字が焦点距離です。
気になる点が一つだけ、このレンズはF値の数値が書かれていません。
例えば、このXF35mm F2のレンズの絞り環にはF値を示す数値が印字されているのですが、XF10-24mm F4にはそれがありません。
F値が印字されているとカメラの電源を入れる前から絞りの設定が出来て便利なので、ちょっと残念です。
FUJIFILMのレンズは往々にして、インターフェースの異なるレンズが多いので、出来る限り統一して欲しいところです。
X-Pro2に装着したところです。
ボディに対してかなり大きく見えますが、個人的には許容範囲です。ですが、これ以上大きいレンズだと、見た目の意味でもグリップの意味でも、X-T2の方が良いかも知れませんね。
あとこのレンズはズームしてもレンズが伸びない『インナーズーム機構』を採用しています。サイズがこれ以上大きくならないのはとても良いなと感じます。
作例
以下の作例はRAW現像していますので、細かなレンズ性能というよりも「このレンズでこんな写真が撮れるんだ」という風に見て頂けると幸いです。
10mm,F4,1/45秒,ISO3200
10mm,F8,1/60秒,ISO640
10mm,F8,1/60秒,ISO320
15.9mm,F10,1/60秒,ISO400
大阪の中之島エリア。
巨大な建築物の写真は広角レンズの出番ですね。撮っててとても楽しいです。
10mm,F4.5,1/10秒,ISO3200
兵庫の武田尾廃線。
1/10秒でも手ぶれ補正があるので大丈夫。あまり傾けて撮ることをしないのですが、こういう状況では面白いかなと思いました。
16.6mm,F8,1/260秒,ISO200
こういった広角レンズでなくてもよい被写体にも使える汎用性の高さが魅力的です。
20.9mm,F8,1/60秒,ISO400
枚方T-SITE。
室内かつF8まで絞っているのに、ISO400で撮れるのは手ぶれ補正のおかげ。ありがたや・・・!
17.4mm,F11,1/6秒,ISO640
手ぶれ補正のおかげで手持ちでの滝撮影も可能か・・・?(シャッタースピードが1/6秒なので葉っぱが揺れていますが)
20mm,F8,1/280秒,ISO400
10mm,F11,1/350秒,ISO200
レビューに関係ないですが、今年の夏はやたらとヒマワリを撮る機会に恵まれました。
10mm,F6.4,20秒,ISO200
三脚に据えての長時間露光です。
風が強くてND8のフィルターを付けても完全に波を消すことが出来ませんでした・・・。
umieモザイクから3つの被写体がすっぽりと収まります。広角ありがたい・・・。
11.5mm,F4,20秒,ISO3200
シャッタースピード20秒だと若干星が流れ始めているので、星の撮影だとF2.8くらいの明るさのレンズが欲しくなりますね。
10mm,F4,1/60秒,ISO100
10mm,F4,1/90秒,ISO100
Instagramでも有名な兵庫県立美術館。
10mm,F5,1秒,ISO100
手持ちでシャッタースピード1枚は手ぶれ補正がないと相当厳しいはず・・・
24mm,F5,1/40秒,ISO3200
10mm,F11,1/50秒,ISO100
和歌山の無人島『友ヶ島』です。また行きたいなぁ。
10mm,F8,1/180秒,ISO200
京都の竹林。
こういったパースをつけて「ぐあー!」っていう表現は広角レンズだからこそ出来る芸当かなと思います。
10mm,F10,1/60秒,ISO200
20mm,F22,1.5秒,ISO100
ISO100でF22って・・・朝日がどれだけ明るいかが分かりますね・・・。
風景写真に最適な持っておきたい1本
作例いかがでしたでしょうか・・・?実際に使ってみてどんな写真が撮れるかというイメージにつながれば幸いです。
- 広角レンズを複数持たずに1本で済ませたい方
- 超広角域でダイナミックな風景写真撮影をしたい方
- 手ぶれ補正付きの広角レンズを探している方
に是非オススメです。
価格がちょっと高いのがマイナスポイントでしょうか。私は新品では買えなかったので中古で買いました。解像感の評判がよかったので期待していたのですが、想像していた程ではありませんでした。上の作例ではかなり分かりにくいかと思いますが、周辺部が割とモヤっとしてます。
ですが、このレンズは汎用性の高さが素晴らしく、持っていて他のレンズと用途が被ることも少ないと思います。
まずはこのレンズで広角レンズの世界を味わって、よく使う画角が分かったら単焦点レンズに買い換えるという使い方も出来ます。
是非、今まで収まりきらなかった景色をおさめてください。
おわり!