ビットコインの本質とは、いったい何なのか

仕組みを知らずして何も語ることはできない

4回講義の2回目は、ブロックチェーンなど技術的な仕組みについてわかりやすく解説していただきました(撮影:尾形文繁)
ボーナスが出た人も気になっているであろうビットコイン。話題先行で、中身についてはあまり知らないという人も多いはずです。そこで、話題の本『アフター・ビットコイン』の著者で、ビットコインバブルに警鐘を鳴らす中島真志先生にビットコインの秘密を聞いています。4回シリーズの2回目は、ブロックチェーンなどのテクニカルな部分を、スライドを使ってわかりやすく解説してもらいました。

P2P型ネットワークとは?

この連載の過去記事はこちら

中島:まず大前提としてビットコインでは「P2P型ネットワーク」を使います。通常は「クライアントサーバー型ネットワーク」といって、真ん中に大容量のサーバーを置いて、そこでデータを一括管理しています。今までの金融取引では、クライアントがサーバーとのみ通信をしている中央集権型です。

たとえば木本さんがインターネット・バンキングをする場合には、木本さんのパソコンがクライアントとなり、銀行のホストコンピュータであるサーバーとの間で取引している形となります。

木本:今までは、中央集権型のモデルで取引をやっていたと。

ビットコインを支える不思議な仕組みとは?(写真:ロイター/Dado Ruvic)

中島:P2P型というのは、各ノードが、つまり一台一台のコンピュータと言っていいのですが、対等の立場で直接通信して、同じデータを共有して、誰と誰が取引をしたのかというデータを、みんなが共有して持っています。

木本:おカネを直接手渡しし合うということですか?

中島:ノードとノードが直接取引をしているのですが、他の人もそれを見ていて、知っているということで、ネットワーク上のすべてのノードが同じデータを共有しています。

木本:見て、知っているってどういうことですか。中島先生に僕が1万円分のビットコインを渡したとしますよね。

中島:その結果が、ブロードキャストといって、インターネット上に放送されるんです。

木本:木本が中島先生に1万円渡したという情報がパッと広まると。

中島:それは少し不正確で、木本さんのアドレスから私のアドレスにそうした送金が行われたことが、インターネット上で、刻々と知らされるわけです。

次ページリバタリアニズムの基本理念に基づいて
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • NO NAMEff6d8891fe7a
    フィンテックが発達するのは、スマホの存在もあるが、ブロックチェーン構築も大きい。ブロックチェーンさえあれば、クレジット会社、VISAは要らなくなる。
    だが一方、ハッキングされる可能性もいまだ残っていて、先日のニュースで、北朝鮮がハッキングでビットコイン強奪を行っていると言うニュースがあった。ハッキングで盗める内は、ビットコインは使うべきではない。何のための経済制裁なのか分からなくなる。
    up5
    down1
    2017/12/19 09:15
  • NO NAME053b4842a6f6
    わかりやすい説明でとてもいい記事だと思います。
    今回仕組みを説明いただきましたが、
    ・数学が価値を保証するビットコイン。
    ・対して政府が価値を保証する既存の通貨。
    その違いが意味する所も次回掲載時にはお願いします。
    up3
    down0
    2017/12/19 10:06
  • NO NAME42d3e876f6ee
    ハッシュ処理をデータ圧縮処理だと言ってもいいのかな。シャノンの定理とかshaコリジョン問題とかあるし。でもjpgも破壊圧縮とか言ったりもするのか
    up0
    down0
    2017/12/19 11:19
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
J.フロントの財務改革<br>「店舗BS」の威力

「店舗BS(バランスシート)」を導入し、傘下の大丸、松坂屋で改革を進めるJ.フロント。不動産事業強化で「脱百貨店経営」に突き進む。山本社長は「大転換期。資産効率を高める」と語る。