トランプ米大統領、露疑惑捜査の特別検察官更迭を否定

トランプ米大統領は17日夜にホワイトハウスへ戻った際、記者団に対して否定の声明を発表した Image copyright Getty Images
Image caption トランプ米大統領は17日夜にホワイトハウスへ戻った際、記者団に対して否定の声明を発表した

ドナルド・トランプ米大統領は17日、昨年の米大統領選をめぐるいわゆるロシア疑惑の捜査を指揮するロバート・ムラー特別検察官を更迭しようとしているとの観測を否定した。

トランプ政権とムラー氏の捜査チームの間では緊張が高まっている。

トランプ氏の政権移行グループの弁護士は16日、何万通にも及ぶメールをムラー氏の捜査チームが不法に入手していると語った。

メールの入手方法の違法性について記者団から質問を受けたトランプ氏は、「あまり褒められたことじゃない」と話し、関係者が「とても憤慨している」と話した。

週末を過ごしたキャンプ・デイビッドからホワイトハウスに戻ったトランプ氏は「正直に言ってメールに何か疑わしいことが書かれていることは想像しにくい。繰り返し述べているが、共謀はないからだ」と述べた。

トランプ政権側は2016年の大統領選挙でロシアと共謀したことを否定しており、トランプ氏は捜査を「魔女狩り」だと非難した。

元FBI長官のロバート・ムラー氏はロシア疑惑の捜査を率いている Image copyright Reuters
Image caption 元FBI長官のロバート・ムラー氏はロシア疑惑の捜査を率いている

批判が集中するムラー氏の更迭を検討しているかどうかとの質問に、ホワイトハウスの庭で対応したトランプ氏は、「いや、考えていない」と答えた。

民主党議員数人が更迭の可能性に懸念を表明している。15日に下院情報委員会の民主党トップ、アダム・シフ氏は共和党は捜査を終らせようとしているとの懸念を述べた。

捜査の過程で大統領選挙時のトランプ陣営元関係者数人が起訴されている。

メールに関する問題とは?

トランプ氏の当選後、政権移行の作業に参画した「トランプ・フォー・アメリカ」(TFA)のコリー・ラングホファー弁護士は、ムラー氏の捜査チームがTFAの何万通にも及ぶメールを入手していたことが分かった後の16日、捜査チームを非難した。

一方、ムラー氏の報道官を務めるピーター・カー氏は、メール入手に違法性はないとし、「進行中の刑事捜査の中でメールを手に入れた際、アカウントの持ち主の同意を得るか適切な刑事捜査のプロセスを済ませている」と述べた。

元連邦検察官のレナート・マリオッティ氏はツイッターで「ムラー氏が第三者からメールを手に入れるのは当然だ。知能犯罪の捜査を行う検察官のほとんどがやっている。『不適切』でもないし、何ら異常でもない。それを否定する人は、理解していない」と述べた

(英語記事 Russia inquiry: Trump denies he plans to fire Robert Mueller

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