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御前崎市の市民意識調査 初の浜岡原発設問

◆安全対策64%「理解」 再稼働には触れず

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 御前崎市が市民を対象に行う市政に関する調査に二〇一七年度、地元に立地する中部電力浜岡原発の設問が初めて加えられた。原子力発電の仕組みや、浜岡原発の安全対策への理解度を問う二問で、再稼働には触れていない。

 全炉停止中の浜岡原発は3、4号機が原子力規制委員会の適合性審査を受けている。市はこれまで、原発再稼働に関する市民の意向調査はしていない。原発の地元四市のうち、御前崎市を除く牧之原、掛川、菊川の三市は東京電力福島第一原発の事故以降、市民意識調査の中に浜岡原発の今後を尋ねる設問を追加した。

 御前崎市は一六年度、新総合計画の施策に「原子力に対する正しい知識の普及」を盛り込み、一七年度、原発の理解度を問う二問を加えた。無作為抽出された二千人のうち、八百三十五人が回答。原子力発電の仕組みと浜岡原発安全対策をそれぞれ「理解している」と回答したのは、60・3%と64・8%だった。

 適合性審査に合格すれば、再稼働に向けた次の焦点は地元同意だ。再稼働への考えを問う設問がないことに、市エネルギー政策課と企画政策課の担当者は「適合性審査中で判断材料がない」「あくまで総合計画の施策の調査であり、再稼働について聞くのは目的にそぐわない」と説明した。

 浜岡原発再稼働の是非を問う住民投票実現を目指す市民団体「原発県民投票静岡2020」の中村英一代表(54)は「住民の意思を明らかにする機会は多い方がいい。問い方次第で回答に影響するからこそ、本当に再稼働を問う時の聞き方が分かってくる」と、調査の必要性を指摘した。

 中部電力浜岡原発の地元四市のうち、立地市の御前崎市を除く牧之原、掛川、菊川の各市は、市民意識調査の中に浜岡原発の今後を問う設問を追加した。

 最も早い牧之原市は、東京電力福島第一原発事故が起きた直後の二〇一一年度から実施。選択肢は「停止しておいた方がよい」「安全が確認できれば稼働」「どちらともいえない」などで、三市とも質問の文言は同じだ。掛川市は唯一、「廃炉した方がよい」と踏み込んだ選択肢を加えている。

 「廃炉」と「停止」を合わせると、各市とも50%台後半から40%台後半で推移し、再稼働反対や慎重意見がほぼ過半数を占めている。

 「安全が確認できれば稼働」は10%台後半から20%台半ば。慎重意見と容認意見ともに大きな変動はみられない。

(河野貴子)

 

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