高かった期待感。その分カウンターも大きめです。
ラトックシステムの「スマート家電コントローラ(RS-WFIREX3)」を購入しました。Alexaに対応していて、なんとAmazon Echoを通じて、既存の家電を操作できるというのです。そりゃー買いますよね!
と、僕のうきうきボルテージは最高潮だったのですけど、なんか…思ってたのと…違う。もちろん、便利なところもあるのですが、若干肩透かしを食らってしまったんです。
「スマート家電コントローラ(RS-WFIREX3)」は、家電メーカー各社のリモコンの赤外線信号がプリセットされていて、スマホアプリから家電をコントロールできる端末。これがあれば、家電のリモコンは不要になり、あれこれと、リモコンを持ち替えなくても済むってわけです。
そして僕がグイグイと惹かれたのが、Amazon Alexaへの対応。Amazon Echoなどを通じて、声で家電を操作できるというのも製品のウリになっています。そう、憧れのスマートホームを後付けできるわけです!(ただし…最後まで読んで下さいね)
本体サイズは本当にコンパクト。手のひらに乗るほどのサイズです。小さいながら赤外線の到達範囲はなかなかに優秀。電源はmicroUSBケーブルで接続します。
ただし、電源アダプターが同梱されていないので注意しましょう。本体価格が7,000円ほどなので、USBアダプターくらいは付けてくれても良かったんじゃないかなぁ〜って思うんですけどね。まぁ、僕はiPhoneやスマホのUSBアダプターは大量に余ってるからいいんですけど。
いざ設置!という段階になって、電源タップ側の空きが無くて途方にくれていたところ、ニンテンドースイッチのドックのUSBポートから電源を取るというミラクル閃きが発動。電源タップを追加購入せずに無事電源を確保することができました。持っててよかったニンテンドースイッチ!
家電リモコンとAlexaとの連携は?
もしかしたら、僕の期待感が高すぎたのかもしれません。でも、多分みんな僕と同じで、発売日に飛びついた方々は、これさえあれば夢見たスマートホームが楽しめる!って思ったんじゃないかな。
正確にいうとスマートホームは実現できるのです。ただ、それは理想から2、3歩かけ離れた姿で、あんまり「スマート」じゃないんですよね。僕は何でもお願いできるドラえもんの登場を信じてやまなかったのですが、実際に出てきたのはコロスケだった。というレベルでの肩透かしだったナリ。
まず、リモコンにはさまざまな機器を追加・操作することができます。しかし、Amazon Echoと連携できる機器は現状では、照明2台、テレビ1台、エアコン1台だけです。ここ、MAX注意です。
テレビと一緒にレコーダーを操作したい方、エアコンと一緒に扇風機やファンヒーターを操作したい方、残念ながらできません。なお、我が家ではエアコンはRFリモコンだったため、このスマート家電コントローラでは操作できませんでした。つまり、Amazon Echoで操作できるのは事実上、テレビと照明だけになりました。
シンプルな使い方は以下動画をどうぞ。
「アレクサ、家電リモコンでテレビをつけて」
「アレクサ、家電リモコンで電気をつけて」
などと言います。
「家電リモコンで」
…?
Amazon Echoとの連携はやや難あり。「スキル」の仕様が立ちふさがる
なんで、「アレクサ、テレビをつけて」〜じゃダメなんです!?
いや、ほんと。ダメなんですよこれが…。絶対に「家電リモコンで」という動作の種類を指定しなくてはなりません。わずか8文字、言葉が増えるだけなのですが、それがこの上なくスマート感を削ぎ落としています。
ちなみに、同じことは他社の製品にも言えます。例えば、シャープのWi-Fi対応エアコンや空気清浄機でも操作する際は、
「アレクサ、ココロエアーを使ってエアコンをつけて」
なんて言う必要があるとのこと。そう、「◯◯◯◯で」や「◯◯◯◯◯を使って」が入ることによってスマートさが激減します。
この家電コントローラの音声操作は、Alexaのネイティブ機能のスマートホームとしてではなく、個別のアドオンである「スキル」として提供されている連携機能です。現状ではスキルを利用するには、スキル名を指定しなければならないといったルールがある以上、この仕様は避けられません。
つまり、「誰が悪いのか?」 と言われたら、「現状のスキルの仕組みが悪い」と言わざるを得ません。
家電コントローラ自体の責任ではありませんけど、Amazon Echoとの連携ってのもこの製品のひとつのアピールポイント。サービスの利便性を含めての製品価値だと思うので、Amazon側と一緒に頑張って解決してほしい点ですね。
スマホで操作できるリモコンとしては便利ですよ
Amazon Echoとの連携は、正直ガッカリコロスケといった感じだったのですが、「複数の家電をスマホだけでコントロールできる」というベーシックなリモコン機能に関してはなかなか便利です。リモコンアプリ単体としての利用なら学習リモコンなので照明、テレビ、エアコン以外にも色々な機器を登録できます。
クラウド連携にも対応しているので、家庭内だけでなく外出先からスマホアプリで家電をコントロールできます。「あっ、電気切り忘れた!」といった時でも、スマホからポチッと押せばOK。帰宅前にエアコンを可動させて、部屋の中を温めておくといったこともできるでしょう。
ただ、今それらの家電がどんな状態になっているのか?といったフィードバックがあるともっと嬉しかったんですけど、あくまでも「リモコン」なのでやむなしといったところでしょうか。
プリセットだけじゃなくて、赤外線方式であれば自分の好きなリモコンの好きな動作を登録できます。僕はファンヒーターの「延長」を追加して、手元のiPhoneからファンヒーターの延長に成功。
ちなみにプリセットのボタンの定義を入れ替えれば、音声コントロールにも反映されます。例えば、エアコンの「停止」ボタンに、ヒーターの「延長」を割り当てれば、「アレクサ、家電リモコンでエアコンを止めて」と言って、ファンヒーターの延長をすることが可能です。まるでピタゴラ装置を組んでいるような気分でした。
このあたりも自分の登録した名称でコントロールできるようになっていくと嬉しいなぁ。
賢いお手伝いくん、ではなくやっぱりまだリモコンの延長
家電コントローラがあれば、家中の家電が自分の望むように動かせる!
…なんて想像(妄想)したこともありました。確かにスマホをリモコンにできるのはかなり便利で、赤外線の到達距離も広く、本体は小型でスマートさはあります。
しかし一部の人にとってはメイン機能である、Amazon Echoとの連携面がウィークポイントですね。繰り替えましますが、現状ではAmazon Echoで家電コントローラーを使って操作できるのは「テレビ」「照明」「エアコン」というリビング三種の神器のみ。スキルの仕様による言い方の問題もあり、操作をお願いするのもややまどろっこしく感じて、「これでスマートになるの?」と問われると言葉に詰まってしまいます。
確かにスマートっぽさはあるんですけど、ガッカリ仕様が足を引っ張ってしまって、ハーフスマートといった感じでしょうか。「スマート家電コントローラ(RS-WFIREX3)」がスマートホームの主軸になるには、Amazon Echo側の調整や、スキル側の調整といったソフトウェア側にもう1段階の進化が必要であるように感じました。
もしかしたら今後「家電リモコンで」部分が省略できたり、コントロールできる機器数が拡張される時が来るかもしれません。また今後はAmazon Echoだけではなく、Google Homeにも対応する予定もあるようなので、面白いデバイスですけど…ワガハイとしては機が熟すまで待ってみてもよろしいかと思うナリよ。
Photo: 小暮ひさのり
Source: 小暮ひさのり, Amazon Echo, ラトックシステム
(小暮ひさのり)