チーム・インターネットの戦いは終わらない：ネット中立性のためにできること

米連邦通信委員会（FCC）は、事実や法、数百万の米国人の意思に反して、ネット中立性の保護を撤廃する採決をした。FCCの決定は、極めて急進的であると言わざるをえない。インターネットは長らく公式、非公式のネット中立性の原則のもとで機能してきた。しかし、FCCはそうした原則を監督する役割を放棄したのみならず、原則そのものを否定した。

しかし、良いニュースもある。戦いはまだ終わってはいない。チーム・インターネットには戦う術が残されている。

議会でネット中立性を守る

FCCのルール変更が効力を持つ前に止めることはできる。多くの世論調査によれば、米国人のほとんどがネット中立性を圧倒的に支持しており、議会に対して行動を起こすよう促す動きも活発化している。我々はそうした圧力をかけ続けなければならない。

議会審査法（CRA）により、公式記録で公表されてから60日以内であれば、議会は連邦規則の変更を取り消すことができる。つまり、議会はアジット・パイのルール変更を覆し、オープンインターネット指令を取り戻すべく裁決することができるのだ。

すでに議会メンバーたちが、妥協の産物ともいえるネット中立性法案を推進しているが、それでは我々が求めるすべての保護を得ることはできない。実は議会は、ネット中立性の実現に向けたシンプルかつ最短の道筋を有している。そう、単にオープンインターネット指令を復活させれば良いだけなのだ。

手続き的には、規則の最終変更が連邦官報に掲載されるまでに数週間を要し、その間議会はCRAを発動することはできない。それまで我々は議会を注視し、CRAを用いて指令を復活させるよう公約する議員を見極めていかなければならない。

法廷でネット中立性を守る

CRAのプロセスが進行する一方で、FCCは複数の訴訟への対処に迫られるだろう。公益団体、州司法長官、議会議員らがすでに訴訟の準備を整えている。FCCは規則制定の手続きにおいて、一般市民の意見を聞き、その決定に関する明確な根拠を示すことが求められているが、オープンインターネット規則の撤廃に際してそれを怠っている。とりわけ、EFFなどの組織が提出した21世紀のインターネットの現実を踏まえた2015年規則の意義についての技術的根拠を無視し、その一方で、ISPやその業界団体の利己的な主張を採用している。また、そうした主張は、一部の大手テクノロジー企業との競争にいつか直面するかもしれないという懸念を背景にして、規制の必要はないという不合理な見方に立っているのだ。これは始まりに過ぎない。新たな指令には大きな問題があり、裁判官はそれらを審査することになるだろう。

州でネット中立性を守る

複数の州議員や行政機関の幹部らは、FCCが作り出したズレを埋め、ISPによる不公正な慣行から有権者を保護するための取り組みを進めている。FCCの裁決を前に、ワシントン州知事ジェイ・インスレーはワシントン州のネット中立性を堅持すべく、ネット中立性原則を遵守しないISPには州の公的給付を削減し、ブロードバンド市場の競争を促進する措置を講じるといった多層的なプランを公表した。州議会議員のスコット・ワイナーは裁決の直後、カリフォルニア州民のネット中立性保護を維持する法案作成を進めることを明らかにした。これはまだ始まりに過ぎない。

家庭でネット中立性を守る

ネット中立性は家庭から始まる。ネット中立性保護を失った我々が取りうる最も重要な手段は、ユーザの選択肢を広げるローカル・ポリシーを支援し、ネット中立性の原則に従ったISPを選択することだ。

ほとんどの米国人がプロードバンドインターネットプロバイダの選択肢を1つしか持っていない。そのプロバイダがユーザのトラフィックを遮断、制限した場合、ユーザは他の選択肢を選ぶことはできないのだ。さらに悪いことに、こうしたプロバイダは、州政府の政策のにより事実上の独占状態にあることが多い。

EFFは政治家や全国のアクティビストとともに、地域のブロードバンド化を推進するために尽力している。我々は現在、全国都市のモデルとすべく（.pdf）、サンフランシスコ市と協働し、プロバイダ間の競争の促進、中立的インフラの発展に向けて取り組んでいる。都市が優れたインターネットインフラに投資し、複数のプロバイダがそのインフラにアクセスできるようになれば、1つのプロバイダが不公正な行いをしたとしても、ユーザは別の選択肢を選ぶことができるようになるだろう。

まだ終わってはいない。今すぐ議会に電話を。

FCCはオープン・インターネットを保護する役割を放棄したがっているが、そのようなことは認められない。チーム・インターネットは、裁判所で、議会のホールで、地域のコミュニティで、オンラインで、ストリートで、ネット中立性のために戦い続ける。我々はあなたの参加を待っている。

今すぐ行動しよう。議会議員に電話をかけ、議会審査法を用いてオープンインターネット指令を守るよう訴えよう。
Team Internet Is Far From Done: What’s Next For Net Neutrality and How You Can Help | Electronic Frontier Foundation