便秘解消に効果的!飲み物10選【保存版】
今回は、便秘解消に最適な飲み物の条件や、おすすめの飲み物10選を紹介します。また、逆に便秘解消したい方が避けた方が良い飲み物や便秘が続くとどんなリスクがあるのか?なども解説します。
まずは薬に頼らず、普段から便秘予防したい方はメモしてくださいね。
便秘解消に最適な飲み物の条件
便秘になるとお肌が荒れたり体重が増えたり、ぽっこりしたお腹になったり…百害あって一利なしですよね。
便秘を解消するために飲み物の種類や飲み方を考えたことはありますか?
飲み物を変えるだけで頑固な便秘が意外とするりと解消するかもしれません。まずは、便秘解消によい飲み物の条件をご紹介します。
温度の温かいもの
冷たいものを一気に飲むとお腹が痛くなってトイレに直行…これで便秘解消できるから冷たい飲み物のほうが便秘解消にいいと思っていませんか?確かに、急に冷たい飲み物を飲むことによって腸が驚き、ぜん動運動が活発になります。
しかしこれはかなり強引なやり方で、水分が吸収されず下痢になってしまったりと胃腸に負担をかけてしまっています。便秘の根本的な解消になっているわけではないのです。
では、温かい飲み物はどうでしょうか。
確かに温かい飲み物を飲んだからといってすぐにトイレに行きたくなるわけではないと思います。それでも、便秘解消には温かい飲み物のほうが向いているのです。
その理由としては、内臓の冷えを緩和することで腸の蠕動運動を促すことができるからです。「手足も温かいし、冷えとは無縁」と思っている方でも、冷たい飲み物のとりすぎなどで内臓が冷えている場合があります。
内臓が冷えていると臓器の働きが悪くなってしまいます。それは腸も同じで、お腹が冷えていることで腸のはたらきが弱くなってしまい便秘になっている可能性もあります。
温かい飲み物を摂ることでお腹を温めることによって腸の働きをよくすることで便秘改善が期待できるかもしれません。
食物繊維が豊富
便秘解消には食物繊維がいいということはなんとなく知っているという方も多いのではないでしょうか。しかし、食物繊維には2つの種類があることをご存知でしょうか?ひとつは「水溶性食物繊維」、もうひとつは「不溶性食物繊維」です。
このどちらの食物繊維も便秘解消に役立つものですが、それぞれ役割が少し違います。
水溶性食物繊維は、水に溶ける性質を持っており、水分を抱え込んでゲル状になる性質があることから便の水分量を増やしてくれるほか脂肪やコレステロールなどの物質を吸着してくれる作用があります。
お腹がごろごろと動いている感じはするのになかなか排便につながらない方や、排便できてもカチカチの硬い便、うさぎのフンのようなコロコロとした便の方は、便の中の水分が少なくなかなかスッキリしないことが多いかもしれません。
そうした方は水溶性食物繊維を摂ることで便の水分量を増やし、すっきりとしたお通じになるかもしれません。また、水溶性食物繊維は次に詳しく説明する腸内の善玉菌のエサになってくれるという一面もあります。
一方、不溶性食物繊維は水には溶けないものの水分を吸収すると膨れる性質があります。この性質によって便のかさを増やして腸を刺激し、蠕動運動を促してくれます。
もともと排便の回数が少ない方や、体質や加齢によってお腹の動きが弱いと感じている方は不溶性食物繊維を摂ることで便秘を改善できるかもしれません。
一般的には、不溶性食物繊維:水溶性食物繊維が2:1の割合になるようにすると良いと言われていますが、自分のお腹のタイプに合わせて比率を少し変えてみるのもよいと思います。
食物繊維は普段の食生活では不足しがちです。食べ物だけで食物繊維を摂ろうとするとなかなか難しいかもしれませんが、不足しているぶんは飲み物で補ってあげるようにするといいですね。
腸内フローラを整えてくれるもの
便秘に悩んでいる方なら「腸内フローラ」や「腸内細菌」という単語を聞いたことがあるかもしれません。腸内細菌とは、文字通りわたしたちの腸内に存在している菌のことをさします。
ただ、菌と一言で言っても種類は大きく分けて3つあります。
1つはよい菌です。善玉菌や有用菌などといわれています。もう1つは悪い菌です。悪玉菌や有害菌といわれるものです。
そしてさらにもう1つはよい菌でも悪い菌でもない日和見菌です。ざっくりとですが、これらの菌について説明します。
善玉菌は消化吸収や免疫など健康維持に役立つ菌で、ビフィズス菌や乳酸菌などの菌が善玉菌にあたります。悪玉菌は、ブドウ球菌、ウェルシュ菌などがあり、病気の原因や腸の働きを悪くする原因にもなっています。
日和見菌は無害に思えるかもしれませんが、健康なときはおとなしくしていてくれるものの、体が弱ったときには悪さをする菌なので軽視できません。
腸内フローラとはこうした菌の分布のことをさします。もうおわかりかと思いますが、善玉菌がたくさんいる腸のほうが健康的で便秘になりにくい腸内環境といえます。善玉菌を増やすためには、生きて腸まで届く善玉菌を摂取したり、善玉菌のエサになるものを摂ることがおすすめです。
乳酸菌入りの飲み物もおすすめできますし、善玉菌のエサになってくれる食物繊維入りの飲み物やオリゴ糖が入った飲み物もおすすめです。
オリゴ糖は善玉菌のエサになってくれるだけでなく、善玉菌がオリゴ糖を分解する際に作り出す有機酸が腸内の悪玉菌の増加を抑えてくれるはたらきもあります。悪玉菌の増加を抑えることで善玉菌が優位の腸内環境に整えることができるというわけです。
また、オリゴ糖は消化吸収されない性質がありますので、水分を抱えて腸内を移動しますので食物繊維と同様に排便を促す作用が期待できます。
マグネシウムが含まれている飲み物
マグネシウムは体に欠かせないミネラルの一種ですが、便秘の解消にも役立ちます。マグネシウムを摂取することで、大腸内のマグネシウムイオン濃度を高め、腸管からの水分の吸収を抑えます。
腸管に吸収されることのなかった水分は、便の中にとどまるので便の水分量を増やして便を柔らかくすることができるのです。安全性が高く、妊娠中の便秘にもマグネシウムの薬理作用を利用した「酸化マグネシウム」という下剤が処方されることもあります。
便秘解消にオススメな飲み物10選
便秘解消におすすめな飲み物を紹介していきます。
青汁
青汁はケールや大麦若葉などの黄色野菜を主原料とした飲み物です。ケールなどの葉物野菜から絞った汁が本来の青汁ですが、最近では野菜を粉砕してパウダー状にしたものをお湯や水で溶かして飲むタイプが主流です。
野菜をまるごと粉砕しているため、食物繊維がたっぷりと含まれています。また、ビタミンやミネラルも含んでいるため栄養補給にも役立てている方が多いです。
砂糖などが含まれていないものはカロリーも低く、ダイエット中でも手軽に食物繊維をはじめとする栄養を補給することができます。
さらに、お湯や水ではなく牛乳やヨーグルトで割ってもOKですし、ホットでもアイスでも楽しめるのでシーンに合わせて飲むことができるのも長く続けられるポイントではないでしょうか。
スムージー
凍らせた野菜や果物をミキサーにかけてつくるスムージーですが、最近では凍らせず野菜や果物をミキサーにかけて作っている方も多いようですね。青汁が苦手な方も、スムージーであればりんごやバナナなど果物の量を増やして飲みやすくしたり好みの味に野菜や果物をブレンドすることができます。
上級者の方は、食物繊維が豊富なきのこ類をミキサーに入れる方もいるようですね。野菜や果物を加熱せずに作ることができるスムージーは、熱による栄養の破壊が少ないというメリットがあります。
ミキサーと似た機械に、ジューサーといって野菜や果物の繊維を取り除いてくれる機械もありますが、便秘解消のためには食物繊維をまるごといただきたいものです。シンプルにミキサーで作るスムージーは食物繊維もまるごと摂ることができます。
飲むヨーグルトや乳酸菌飲料
飲むヨーグルトや乳酸菌飲料には、乳酸菌やビフィズス菌が入っています。腸内環境を善玉菌優位の環境に整え、スムーズなお通じが期待できます。飲むヨーグルトや乳酸菌飲料を選ぶポイントは、生きて腸まで届く菌が入っている商品を選ぶことです。
また、生きて腸まで届いてもすぐに出ていってしまうのではなく、長く腸内にとどまってくれる菌のほうが腸内環境を整えるのに適しています。生きて腸まで届く菌としては、BE80、ガセリ菌SP株、ヤクルト菌など様々な種類がありますが、自分の体に合う・合わないがある場合もあります。
また、効果も感じにくいものと感じやすいものが人によって異なることもあるようです。一種類試してみて「イマイチだなぁ」と感じても、別の菌ではすっきりすることもあるかもしれないのでいろいろな種類を試してみることをおすすめします。
白湯
白湯はカフェインもカロリーもなく、子供からお年寄りまで安心して飲むことができます。安全性が高いだけでなく、お水を沸かして冷ますだけなので経済的にもありがたい飲み物といえるでしょう。
白湯の温度は50度くらいがベストです。温かいものを飲むことによって内臓の冷えを改善し、腸の蠕動運動を促すことで便秘解消が期待できます。
また、水分が足りていないと便の中の水分も減ってしまいそれだけで便秘になりやすくなってしまいます。水分をしっかり補給するというのは便秘解消にとても大切なことです。
白湯を飲むことで水分を補給にもつながるのでぜひ、いつも飲んでいる冷たい水を白湯に置き換えるなどして積極的に飲むようにしたいですね。
ココア
ココアには「リグニン」という不溶性食物繊維が含まれています。リグニンは便のかさを増して蠕動運動を促すだけでなく、腸内の善玉菌のエサとなって善玉菌を増やしてくれます。また、ココアに含まれるタンパク質「カカオプロテイン」は難消化性のタンパク質(レジスタントプロテイン)で、小腸で吸収されずに大腸まで届き、便のかさを増やしたり腸壁を刺激して蠕動運動を促すなど食物繊維と似た働きをしてくれます。
ココアを飲むときはアイスココアも美味しいですが、内臓を冷やさないという点やよりリラックスできるようにホットココアで飲むことをおすすめします。
コップ1杯程度でだいたい50mgくらいのカフェインが含まれていますので、就寝前やカフェインが気になる方は飲むのを控えるか量を控えるようにしましょう。
コーヒー
コーヒーにはコップ1杯程度で100mgくらいのカフェインが含まれています。ドリップコーヒーかインスタントコーヒーかによっても含有量が異なりますが、他の飲み物と比べてもコーヒーに含まれるカフェインの量は多めです。
カフェインを摂ると眠れなくなるというのはよく聞く話かもしれません。これは、カフェインが自律神経に作用しているためです。カフェインによって自律神経が刺激されると、腸の収縮が起こり腸の蠕動運動が促されて便秘解消に役立つことがあります。
一方で、その作用が強すぎて下痢になったり、利尿作用のほうが強くはたらき、尿として水分がたくさん出ていってしまい便秘がひどくなるといったケースもあるようです。
摂りすぎないように注意することが大切ですね。人によって合う・合わないがある飲み物といえそうですが、朝1杯のコーヒーを飲むと快便という方もいるので試してみる価値はありそうです。
牛乳
牛乳には乳糖(ラクトース)という成分が含まれています。牛乳に含まれている乳糖は消化されにくく、小腸では吸収しきれず一部の乳糖は大腸まで届きます。
大腸内の乳糖は腸内の浸透圧を高めることによって便に水分を取り込み、便を柔らかくして出しやすくしてくれます。また、腸内の善玉菌のエサになり、善玉菌が乳糖を分解する過程では酢酸が発生し、悪玉菌が増えるのを抑えてくれるはたらきもあります。
便を柔らかくする作用と腸内環境を整えるダブルの作用で便秘解消に導いてくれる優秀な飲み物ですが、乳糖不耐症の方が牛乳を飲むとお腹を下してしまうので体質に合わない方は控えておきましょう。
炭酸水
炭酸水には消化を促進したり、腸の蠕動運動を促したりする働きがあります。炭酸水は水に二酸化炭素(炭酸ガス)が混ざったものです。炭酸水を飲むとガスによって胃の壁を刺激します。
胃への刺激がさらに腸まで届き、その結果腸の蠕動運動が起こりやすくなります。なかなか便意がない方など腸の働きが良くないなと感じる方は炭酸水でゆるやかに腸を刺激してみるのも良いかもしれませんね。
コンブチャ
コンブチャはモンゴルが発祥の飲み物です。砂糖を入れた紅茶や緑茶に酢酸菌や酵母菌を加えて発酵させることによって作られます。発酵している途中で菌がキノコのように見えることから紅茶キノコという別名もあり、日本で度々ブームになっています。
発酵食品には乳酸菌が豊富に含まれており、コンブチャも発酵させて作った飲み物であることから乳酸菌が豊富に含まれています。ミネラルなども豊富なのですが、こうした乳酸菌のはたらきで腸内環境を整えて便秘を解消することも期待できます。
お茶
私たちにとって身近な飲み物のお茶も便秘解消に役立ちます。お茶と一言で言っても種類はたくさん。ハーブティーや薬草を原料としたお茶まで便秘解消に役立つお茶をご紹介します。
プーアール茶
プーアール茶は、弛緩性便秘に効果的と言われています。弛緩性便秘とは、運動不足や食物繊維の不足などによって腸の蠕動運動が低下して起こる便秘のことをさします。
プーアール茶は、作る過程で黒麹菌を加えて発酵させるため独自の酵素を含んでいます。この酵素が腸内環境を整えて蠕動運動を促してくれるので、便秘解消に役立つといわれています。
また、マグネシウムも含んでいるので便を柔らかくして出しやすくしてくれます。ただし、カフェインを含んでいるので気になる方は控えた方がよいでしょう。
ドクダミ茶
どくだみは十薬といわれ古くから日本人の健康維持に役立てられてきました。マグネシウムや、クエルシトリンというドクダミの特徴的な成分によって便を柔らかくしてくれます。
飲みすぎると下痢になってしまうこともあるので注意が必要ですが、頑固な便秘に悩んでいる方でも効果を感じやすいかもしれませんね。ノンカフェインですので、子供や妊婦さん、就寝前の方が飲んでも問題ありません。
ごぼう茶
ごぼう茶には食物繊維とオリゴ糖が含まれています。ごぼう茶に含まれる水溶性食物繊維のイヌリンには腸内の善玉菌を増殖させるはたらきがあり、さらにオリゴ糖が善玉菌のエサになってくれるので腸内環境を整えて便秘を解消したい方にはぴったりの御茶といえます。
ごぼう茶は自分で手作りすることも可能ですし、手作りが面倒な場合は市販品も数多く売られていますので自分のライフスタイルに合わせて飲んでみてください。
ごぼう茶を手作りする場合は出がらしのごぼうも料理して食べることで不溶性食物繊維も摂ることができますよ。
黒豆茶
黒豆茶には水溶性食物繊維と大豆オリゴ糖が含まれています。この2つの成分によって腸内の環境を整え、便を出しやすくしてくれます。食物繊維に関しては、ごぼうと同じくらいの量を含んでいます。
カフェインが含まれていないので妊婦さんが飲んだり、寝る前に飲んだりしても大丈夫なのがうれしいですね。
杜仲茶
杜仲茶はトチュウという木の葉っぱから作られたお茶で、中国が原産地です。日本でも度々ブームになっていますが、便秘解消にも効果があると言われています。
杜仲茶に含まれる「ゲニポシド酸」はコレステロールや中性脂肪の減少に役立つ成分ですが、副交感神経に作用するることから腸の蠕動運動を促進し便秘の改善も期待できます。カフェインも含まれていないので、妊婦さんや就寝前でも安心して飲むことができますね。
ローズヒップティー
美容にも良いと言われているローズヒップティーには、食物繊維が豊富に含まれています。ローズヒップティーは抽出したお茶を飲むだけでなく、実まで食べるのが最適な飲み方です。
お茶には水溶性食物繊維が溶けだしており、お茶を抽出したあとの実にはビタミンCや不溶性食物繊維がたっぷりと残っているからです。お茶と実の両方を身体に入れることで不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方を摂ることができます。
さらに、食物繊維とビタミンCを一緒に摂ったほうが便秘解消に効果的と言われているので、ビタミンCを多く含むローズヒップティーは便秘解消にとてもおすすめです。
フェンネルティー
フェンネルティーには腸の蠕動運動を整えたり、消化を促進する作用があります。お腹が張ってなかなかお通じがこない…というときにおすすめのハーブティーです。フェンネルは子宮を刺激するので、妊婦さんは避けておくか少量にとどめることをおすすめします。
甘みの中にもスパイシーな香りがあり、やや特徴的な風味です。苦手な方は無理しないで!
カモミールティー
カモミールには胃を健やかに保つのに役立つ植物で、腹痛や下痢などのトラブルに使われることもあるハーブです。リラックス効果があるため、ストレスや自律神経の乱れが原因の便秘にも効果が期待できます。
不眠にもよいといわれているので、オススメは温かいカモミールティーを睡眠前に飲むことです。
やさしいカモミールの香りに癒やされながら身体をあたため、ぐっすり眠れるのではないでしょうか。睡眠をしっかりとることは、副交感神経を優位にして調の働きをよくし、便秘解消にも効果的です。
マテ茶
マテ茶は、南米大陸でさかんに飲まれているお茶です。「飲むサラダ」と言われるほどビタミンやミネラル、食物繊維を多く含みます。マテ茶に含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維です。便の水分量を増やして出しやすくしたり、腸内の環境をよくするのにも役立ちます。
カフェインは100mlあたり10mg含まれています。コーヒーや緑茶に比べると少ないですが、気になる方は飲むのを控えるかたくさん飲まないように量を調整しましょう。
便秘解消に役立つトクホ飲料
トクホの愛称でおなじみの特定保健用食品。実は便秘解消に役立つトクホ飲料も多数存在しています。
特定保健用食品についておさらいしておくと、特定保健用食品には身体の生理機能に影響を与える成分が入っていて、消費者庁長官が保健の効果を表示してもよいと製品ごとに「個別に」許可を出しています。
ここが数多くある機能性表示食品などの健康食品と大きく異るところです。この許可を得るには繰り返しの実験やデータ提出などとても手間がかかっています。「誇大広告に踊らされたくない」「インチキな商品にはうんざり」という方は特定保健用食品を選んでみてはいかがでしょうか。
ここではお腹の調子をととのえるための特定保健用食品に使われている成分についてご紹介します。
難消化デキストリン
難消化性デキストリンは、トウモロコシのデンプンから人工的につくられた食物繊維です。人工的に作られた食物繊維というと不安を感じる方もいるかもしれませんが、安全性が高く摂取上限も決められていません。(ただし、摂りすぎや体質によってはお腹がゆるくなることがあるようです。)
血糖値や中性脂肪に関しての効果も認められており、そちらの表示がされていることもありますが、「おなかの調子を整えます。」といった文言が難消化性デキストリン入りの飲料に書かれていることもあります。
食物繊維をたくさん摂りたいけれど、食事ではなかなか摂る機会がない方、青汁などの食物繊維の多い飲み物が苦手な方にもおすすめです。
オリゴ糖
「ガラクトオリゴ糖」や「コーヒーオリゴ糖」といった成分で飲み物に配合されていることがあります。先に述べたように、オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサとなり腸内環境の改善に役立ちます。
夜?朝?飲み物を飲むタイミングは?
便秘解消には「朝起きたら飲むといい」とか「寝る前に飲んだほうがいい」など飲み物を飲むタイミングについて色々といわれていますが、実際はどのタイミングで飲み物を飲めばよいのでしょうか。
便秘を解消するためにも、水分を補給することが大切ですので水や白湯などは特にタイミングにこだわらず喉が乾くまえにちょこちょこと飲むようにするといいでしょう。
他の飲み物に関しても、決まったタイミングで飲まなくてはいけないというわけではありません。
朝飲み物を飲むと良いといわれているのは、胃腸に刺激を与えることができるからです。飲み物の種類問わず、起きてから飲み物を飲むと腸の蠕動運動を促すことができます。
冷たい水を急に飲むとお腹がびっくりして下痢になってしまうこともあるので、白湯やコーヒー、ココア、常温以上の温度のお茶などがおすすめです。ただし、コーヒーなどカフェインを多く含むものは空腹のときに飲むことで胃への刺激となり、体調や体質によっては胃痛がしてしまうこともあるので、胃の弱い方が朝食前に飲むのであればノンカフェインの飲み物のほうが安心です。
では、夜寝る前に飲むのは便秘解消にどのように役立つのでしょうか。寝ている間は副交感神経が優位になって脳はリラックス状態にはいります。
腸は副交感神経が優位になっているときに動きやすくなりますので、睡眠時に副交感神経を優位にしてあげること、つまりリラックスしてぐっすり眠れる状態にするのが便秘解消にもよいというわけです。
ですので、就寝前に飲む飲み物は睡眠の妨げにならず、リラックスした気分になれるものがおすすめです。
例えば、ホットミルクや温かいハーブティーでほっとひといきついたり、歯磨き後なら白湯を選べば虫歯の心配もいらず体が温まります。反対に、コーヒーなどカフェインが多く含まれるものを飲んでしまうと目が冴えて眠れなくなってしまうので注意が必要です。
便秘解消したい方が避けた方が良い飲み物・食べ物
便秘解消のために飲み物や飲むタイミングを工夫していても、何気なく口にしているものでその努力が台無しになっているかもしれません。便秘解消によくない飲み物や食べ物をご紹介します。
アルコール
アルコールには利尿作用作用があるため、便に必要な水分まで尿として体から出ていってしまうことがあります。そうなると、便の水分が不足してカチカチの出しづらい便となり、便秘がひどくなってしまう場合があります。
また、一緒に食べる唐揚げなどのおつまみが悪玉菌を増殖させて腸内環境を悪くしてしまう可能性もあります。晩酌が毎日の楽しみという方は少し気をつけてみましょう。
タンニンを含むもの
タンニンは赤ワインや紅茶、干し柿などに含まれるポリフェノールです。タンニンは腸の蠕動運動を弱める働きがあるので、下痢をしている方には向いていますが、便秘気味の方は便秘が悪化してしまう可能性があります。
肉
肉はタンパク質が豊富でぜひとりたい食品であることは間違いないのですが、肉に含まれているたんぱく質が腸内の悪玉菌を増やしてしまうこともあります。腸内環境が悪くなると便秘がひどくなることもあるので、肉の食べ過ぎには要注意です。
肉と赤ワインという組み合わせは魅力的でついつい食べてしまいそうですが、便秘解消の観点からするとよくないということになります。
便秘が続くと?考えられるリスク
「たかが便秘…」と思っている方もいるかもしれませんね。しかし、便というのは体にとって不要なもの、排出しなければならないものなのです。それを体の中に残したままにして過ごすというのは美容にとっても健康にとってもよくありません。便秘が続くことによるリスクをご紹介します。
肌荒れ・ニキビ
便秘になると肌荒れやニキビができてしまうという方もいるのではないでしょうか。便秘とお肌は一見関係なさそうですが、実はとても深いかかわりがあるのです。
便秘が続くと、腸の中に便が停滞し、腐敗と発酵が進みます。その結果、悪玉菌が優勢の腸内環境になり有害な物質が発生するようになります。
有害な物質を体の外に出そうとすれども、便として出ていかない…となると、腸の壁から吸収されて血液に乗って全身にめぐります。そして、汗や皮脂などと一緒に体の外へ排出しようとします。
しかし、肌の細胞は便秘でない状態であっても皮脂などを排出しているのです。そこに便秘が原因の有害な物質まで排出しなくてはならないとなるとその機能が追いつかなくなってしまいます。
そうしているうちに毛穴が皮脂などで詰まってしまい、ニキビや肌荒れの原因となってしまうのです。きれいな肌でいるためには、便をためない=便秘を解消するということがとても大切です。
自律神経の乱れ・負の便秘スパイラルに陥る
副交感神経という自律神経を優位にすると腸のはたらきがよくなり、便秘解消によいということは飲み物の紹介のところでも少しふれてきました。
自律神経と腸の動きは密接に関連しています。副交感神経のはたらきがよくないと、腸がうまく動かずに便秘になってしまいイライラ…さらにそのイライラでリラックスできず自律神経が乱れてしまうとさらに便秘が悪化したり他の不調まで出てきて余計にイライラ…という負のスパイラルにはまってしまうことになります。
反対に、腸の動きをよくすることで自律神経のバランスが整い、便秘しにくくなることもあります。
腸もみなどのマッサージもありますが、まさに腸の動きをよくすることで自律神経のバランスをよくして、便秘やその他のトラブル解消をねらったものです。負の便秘スパイラルにどっぷり使ってしまう前に対処したいですね。
血行不良
便秘が続くと骨盤内の血行が悪くなってしまいます。その結果、全身の血行も悪くなり、冷え性、肩こり、腰痛、月経不順、疲れやすいといったトラブルにつながることもあります。血行が悪いとむくみやすくなり、ダイエットにもよくありません。
生活習慣病のリスク
大腸がんの原因の1つとして便秘がありますが、他にも高脂血症、糖尿病、動脈硬化などの病気のリスクが高まるといわれています。便秘でなぜがんや生活習慣病になるのか不思議に思うかもしれませんね。
便秘が続くと悪玉菌が増えますが、こうした劣悪な腸内環境の中で発がん物質がつくりだされたり、悪玉菌が増えることによって脂質や糖の分解・吸収に悪影響が及ぶことが原因と考えられています。
こうした病気の原因のひとつにもなっているということは「たかが便秘」とあなどれないですね。